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12年越しに見つけた“たりないふたり” 『だが、情熱はある』P×仕掛け人・安島隆が語るドラマ化秘話

 人気グループ・King & Prince高橋海人(※=はしごだか)とSixTONES森本慎太郎がW主演する日本テレビ系連続ドラマ『だが、情熱はある』(毎週日曜 後10:30)が、9日からスタートする。オードリー若林正恭南海キャンディーズ山里亮太の半生を実話をもとに描くドラマだが、たりないふたりをベースにした作品がいかにして立ち上がったのか。「すいか」「野ブタ。をプロデュース」などの名作ドラマや高橋出演の映画『ブラック校則』、森本主演の『ZIP!』朝ドラマ『泳げニシキゴイ』を手がけ、今作も担当する河野英裕プロデューサーと、山里&若林による漫才ユニット・たりないふたりの仕掛け人であり、企画演出の安島隆氏に話を聞いた。

日本テレビ系連続ドラマ『だが、情熱はある』より(C)日本テレビ

日本テレビ系連続ドラマ『だが、情熱はある』より(C)日本テレビ

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■“たりないふたり”を知らずに山里&若林のドラマを立案 知らぬ間に“聖地巡礼”も

――ドラマにしようと思ったきっかけについて
河野
お2人のエッセイを読んでいて、どちらもタイトルがかっこいいじゃないですか?中身もかっこよくて、共感できる部分もあるし、人間味にあふれていて、すごく面白いなと。こんなこと言ったら失礼かもしれないけど、あれを読むことで、彼らの漫才がより面白くなった部分もありました。僕は、お笑いについて、そこまで詳しい知識があるわけではないので、もちろん、南キャンさん、オードリーさん、それぞれすごいコンビだなという印象はあったのですが…というところで。ただ、本を読んだ時に、人物像が浮かび上がってきて、これは絶対ドラマになるなと思って企画書を書いて。いろんなタイミングもあって、実現せず寝かせている状態だったんです。
それで、映画 からドラマの現場に戻ってきた時に、ふと思い返して、なかなか企画が実らなかったけど、出してみようかなと思ったのがスタート地点でした。まずは、2人の実話ベースで、新しいタッチの物語を届けられるんじゃないかという感じでした。それで、安島さんがいらっしゃる編成部の方々と、ドラマ班の会議に出したんです。

安島
ちょっと会議が行き詰まっていた中で、河野さんが「こういうことを書いているんですよ」と企画書を出してくれたんです。その時、山里と若林がそれぞれいて、2人が奇妙に符合しているから、うまくシーンバック すれば、いい青春のお話になるという企画書だったんです。
それで、会議にいたメンバーがみんな僕の方を見て(笑)、河野さんは『たりないふたり』のことを知らなかったから、僕のことをみんなが見ていることすら気付いていなかったので、自分から言うのはすごく恥ずかしかったのですが「実は、もうこれやっているんですよ(笑)。実は出会わせたんです」って伝えたんです(笑)。

河野
安島さんも謙虚なので、最初の一言は、ほかの人がきっかけを作って、安島さんが教えてくれたんです(苦笑)。よくよくエッセイを読むと、安島さんの名前も出てきているので、読み込みが甘かったなと反省しました…。

安島
河野さんもかなり前に読まれていて、その当時に作った企画書だったので、結びついていないのも仕方ないですよね。それで、この話を聞いた時、僕は当事者すぎて判断ができなかったんです。だから、そこからはその場にいる方や、決めていく人たちの意見にお任せしようと思ったんです。若林くんの著書の中で、会議で座る場所に序列があって、みたいなシーンが描かれているんですけど、河野さんに「その会議の場所ってここですよ」って伝えて、知らないうちに河野さんは聖地巡礼していたっていうこともあったりして(笑)。

(左から)山里亮太、若林正恭 (C)ORICON NewS inc.

(左から)山里亮太、若林正恭 (C)ORICON NewS inc.

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■安島氏が熱弁「これは運と縁でしかない」

河野
僕としては、安島さんの話を聞いて「しめた!」と思いました(笑)。

安島
その場が、いいじゃないかっていう流れになったんですよね。こうなってくると、山ちゃんと若林くんへの一投目は、僕になってきますよね(笑)。

河野
僕から「安島さんから投げてもらっていいですか」とお願いしたんです。

安島
2人がどういう反応をするのか、本当にわからなくて。河野さんは錦鯉さんのドラマを『ZIP!』でやられていて、その前にもめちゃくちゃ名作を作られてきた方なので、絶対おもしろい作品になるとは思ったのですが、まだこれからさらに発展していく芸人さんたちが、今に至るまでの自分の半生を描かれるのはどう思うのだろうという気持ちはありました。
たりないふたりをドラマ化するわけではないのですが、それをどう取るのかがわからなかったんですよね。僕は、2人に会議の場で起きたことをそのまま話して。自分が尊敬しているプロデューサーさんが、たりないふたりをまた12年後に見つけてくれたと。これは運と縁でしかないので、そこは一回信じてもらって…という話をしたら、乗ってくれたんです。流れに身を任せるほうがいいんじゃないかということで。ただ、その時は、僕らの会議で通って、本人と事務所の確認があって、そこからさらに何段階もあるから…って話をしていて。最終段階で通って、また伝えたら「通ったんですか」って(笑)。

■リアルな物語も織り込み「より高度なドラマ構造に」 タイトルを決めるまでの秘話

河野
安島さんがいるから、お2人への説明に関しては、大丈夫だろうなと安心していました(笑)。こっちはこっちで、ドラマ屋としての動きだけに専念できたので、すごくラクでした。

安島
僕としては、ドラマの中身に関してはプロにお任せしているので。それは、2人も同じスタンスで、若林くんはドラマで明日のたりないふたりを描くんだと聞いたら、びっくりしていました。そこを描くんだって、でも逃げられないですよねみたいな話をしましたね。

河野
僕としても 「たりないふたり」を知った以上、避けて通れないと思いました。それまでは、2人の人生を同一 テーマでパラレルに構成を組んでいって…あとはドラマオリジナルのifと して、ふたりが出会ってたらをくっつけてって思っていたんです。でも「たりないふたり」という実はリアルな世界があったから、そこはやらないといけないと。だったら、1話のファーストシーンからだなと思ったので、そういった構造にしています。そこからの縦軸と、高校の頃からの縦軸と、だからより高度なドラマ構造になっちゃって(笑)。

――河野さんは『明日のたりないふたり』をご覧になりましたか?

河野
はい、見まして、びっくりしました。お笑いって、ここまでやるんだと。ライトなお笑いファン層には、知らない世界があったので、逆に「これはやばいところに足を踏み入れたな」という気持ちにもなりました。ただ、一方で、2人のラジオなどすべてを追いかけていくと、逆にドラマとして何もできなくなるなとも思ったんですよ。だったら、ある種、原点に戻って、2人が書いたものが好きだったから、それを大事にして、書かれていない部分はそこから想像して、大事な部分はしっかりリアルを求めてっていう作業にしないと、中途半端になっちゃうなと思って。変なフィクションは入れずに、ドラマとして表現にしようと決めたんです。

――ドラマのタイトルについて

河野
友情物語でもない、まだこれからさらに駆け上がっていくという意味では、サクセスストーリーでもない。なので「ただ、教訓がある」みたいなものにしようかなと思ったんですけど、脚本の今井さんが、台本 の中でこのセリフを出してきてくれて、これ タイトルにしちゃおうと。「たりないふたり、だが情熱はある」でつながりますし、いいなと。

安島
「たりないふたり、だが情熱はある」っていう言葉は、今回のドラマ化を表しているなと思いました。たりないふたりはあくまでも原作のような物であって、それをもとに、新しい作品を生み出したい、という先輩の気概を感じたんです。なので、とても楽しみにしています。

 あす7日は、高橋海人&森本慎太郎のキャスティングについて迫る。

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