まさに、なんと分類していいかわからないスケールの舞台だった。『東京03 FROLIC A HOLIC feat.Creepy Nuts in 日本武道館 なんと括っていいか、まだ分からない』が、4日・5日に日本武道館で行われた。

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　本企画は、バナナマンや東京03など数々の超人気芸人の傑作コントはじめ、ドラマやバラエティー番組の演出、脚本を手掛ける構成作家のオークラ氏が、2021年7月に『佐久間宣行のオールナイトニッポン0（ZERO）』にゲスト出演した際、ライヴを観て大変感銘を受けたとHIP HOPユニットのCreepy Nutsと、兼ねてより一緒に公演を行うお笑いトリオの東京03で、日本武道館のイベントをしたいと語ったことから、企画化し始動した。

　作・演出のオークラ氏に加え、『Creepy Nuts のオールナイトニッポン』や『佐久間宣行のオールナイトニッポン0（ZERO）』を担当するほか、2022年8月放送の『東京03のオールナイトニッポン』で構成作家も務めた福田卓也氏も構成として参加した。

　4日には若林正恭（オードリー）、佐倉綾音、5日は春日俊彰（オードリー）、百田夏菜子、両日のゲストには吉住、GENTLE FOREST JAZZ BAND、佐久間宣行氏が名を連ね、チケットは即完売し、急きょモニター裏体感席が発売されるほどとなり、2日間で2万4000人を動員、配信を1万2000人が視聴し、合計3万6000人が見守った。

　このイベントは、コント師、俳優、ラッパー、DJと、タイトルにある通り“なんと括っていいか、まだわからない”立ち位置にある東京03とCreepy Nuts、そしてゲストたちがそのテーマに沿ったコントを披露し、それぞれの持ち味を存分に発揮させていった。

　『括れないラジオ』では、佐久間氏がパーソナリティーとなり、それぞれのキャラクターをゲストに迎え進行していく。R-指定扮する“韻陰師ダーク”は、どんな前向きな言葉も、韻を踏むことによってネガティブな言葉、陰気な言葉にするというコーナーでは、その言葉を再現する芝居に4日には佐倉が、5日は百田が同じ役として登場し、DJ松永いわく“ガッチガチに母音を踏んでいます”という、元の言葉からは想像ができないほど、とんでもなくネガティブな言葉に変換された言葉を、佐倉と百田が全力で演じ切った。

　佐倉と百田は“ラブちゃん”というおバカなアイドルを、限界まで演じ切り、そのポテンシャルを見せつけ、DJ松永は、そのラブちゃんのセリフを見事にサンプリングし武道館を盛り上げる。佐久間に「トップ声優は違うね〜」と言われるも表情を崩さずなりきる佐倉、「本物感がバチバチ漂ってる」とうならせた百田は、本家アイドルを全開で表現していった。

　初日のエンディングに登場した若林は、スウェットとサンダル、コンビニの袋を下げて「きょうのコント見させてもらいました。しびれましたね」と切り出すと、「“わ”かく照れ屋でコントが上手くできない人を“か”“ば”い“や”さしく手ほどきする“師”、わかばや師」として、この日のためにショートコントを書いて渡すも、オチで東京03と松永に変顔をさせるだけでなく、佐久間氏やオークラ氏までも呼び出し、GENTLE FOREST JAZZ BANDへの無茶ぶりの“オチ音”に合わせ変顔をさせるなど大暴れ。ラジオで“キンワカ”として、ともに深い芸談を繰り広げている萩本欽一イズムを感じさせる若林の暴れっぷりに、笑いが増幅されている様子は圧巻だった。

　2日目の春日は、ピンクベストで胸をはって登場。ゆっくりと登場し、『括れないラジオ』で、ダークがポジティブな言葉をネガティブに変える即興劇を披露した。“バラエティー界にとって前向きな存在”という彼は、どんな企画も断らないというだけあって、佐久間からその場で即興劇をしろと無茶ぶりをされ、東京03が慌てて拒否するも春日は快くOK．しかし、春日はネタは飯塚まかせで「言われたことはやる」と胸を張り、飯塚が悩むも、見事即興劇を乗り切り、東京03、春日ともにさすがの底力を見せた。2日目のラストでは、その即興劇の流れで吉住が大トリのコメントを求められるも、見事にコントのキャラクターになりきって、大団円を迎えた。

　配信チケットは、26日の午後8時まで、PIA LIVE STREAMで販売されており、同日中は視聴することができる（4500円）。