児童精神科クリニックを舞台に、凸凹を抱える院長・佐山卓（山崎育三郎）と研修医・遠野志保（松本穂香）のコンビが、心に生きづらさをもつ子どもと家族に向き合う物語『リエゾン−こどものこころ診療所−』（テレビ朝日系　毎週金曜　後11：15 ※一部地域で放送時間が異なる）。3日に第7話放送を迎えるのに先立ち、子どもをもつ親でもある著名人が“リエゾンウォッチャー”となり、本作を視聴した感想を赤裸々に語ってもらう特別インタビューを実施。前話に続き、2018年に第1子男児を出産し、現在子育てに励む元モーニング娘。の保田圭（42）が登場する。

【写真】その他の写真を見る

――第7話（3日放送）をご覧になっていかがでしたか。

【保田】今回は、母親を事故で亡くした凸凹を抱える少女（加藤柚凪）とご家族の話、そしてパニック障害を抱える方のお話でした。今回も心に響くシーンがたくさんありましたが、佐山先生の「同じような経験を持つ人と話をするだけでも気持ちが楽になるかもしれません」というセリフ、とても共感しました。誰かに話すこと、話を聞いてもらえること、たったそれだけのことなのに、心が救われること…私も何度もありました。

誰か1人でもいいから、自分の気持ちを受け止めてくれる人がいればそれで頑張れたりするんですよね。私は家族や友人の話をきちんと受け止めてあげられているのかな。家族でいると話したいことがたくさんで、つい私が話してばっかりになってしまうけど…これからは家族の話を聞く時間も大切にしようと思います。

――ドラマの中にはさまざまな生きづらさを抱えた親子が登場しますが、ご自身と重ねて感じたことはありましたか？

【保田】グリーフケアという、“家族や大切な人を亡くした子どもたちをサポートする会”で、亡くなった家族のことを話す子ども達の様子を見て、思い詰めた表情をした遠山先生に向けて、佐山先生が言った言葉が印象的でした。

「周りの大人がそんな顔をしていると、自分は可哀想な子だから楽しそうにしてはダメなんだと思い込むことがあります」

子どもたちは大人が思っている以上に大人の表情などを見ていて、細かな気持ちの動きを見抜いていたりするんですよね…。息子はいつも周りにかまっていて欲しいタイプの子なのですが、私と主人が真剣な話を始めると、空気をよんでか、スーッとどこかへ行って1人遊びを始めたりするんです。子どもは大人の様子を、本当によく見ているなと思います。だからこそ、子どもの前ではできる限り笑顔で、穏やかに過ごせるようにしなくてはいけないなと、今回の『リエゾン』を観て改めて感じさせられました。

――ドラマの中に登場した親子のセリフやエピソードで、共感した部分を教えてください。

【保田】「自分が価値のない人間だと烙印を押されたことが悔しくて…」と泣きながら話すシーン、胸が締め付けられました。私もモーニング娘。時代は「アイドルとしての価値がゼロなんじゃないか」と、そんなふうに考えて落ち込むことが多かったように思います。でも私は幸いにもモーニング娘。の中で自分の役割を見つけることができて、それをメンバーがサポートしてくれたことで、その悔しい思いから脱却できました。あとは、結婚したことが大きかったですかね。自分に自信のない性格はグループを卒業しても変わらなかったのですが、結婚して、絶対的な味方、理解者と出会えたことで、「あぁ、たった1人でもわかってくれる人がいるだけでこんなに心強いんだな」って思ったんですよね。なので、さやま・こどもクリニックの先生達のように、“寄り添ってくれる人がいる”ってとても大事なことですよね。

――登場人物で印象に残っている方はいらっしゃいましたか？

【保田】どの先生たちも魅力的なのですが、特に、松本穂香さん演じる遠野志保先生、すっごくすてきで、キュートです。自分の凸凹を受け止めながら、自分の苦手なことを改善しようと前向きに向き合う姿は、思わず応援したくなります。そして、生きづらさを抱えている子どもたちや、そのご家族と話すときの真っすぐさや、言葉の温かさ、とても胸に響きます。そして、志保先生と他の先生達とのやりとりは、すごくほんわかしていて大好きなシーンです。

――これから同話のドラマを観る視聴者へ、メッセージをお願いいたします。

【保田】『リエゾン』を観ていると、子どもも大人も寄り添ってもらうこと、誰かとつながることがとても大切なんだなと感じます。子育てと仕事に追われていると、全てが当たり前のように感じて、大切なことをつい忘れかけてしまうことがありますが、『リエゾン』を観るたびに、さやま・こどもクリニックの先生達の言葉で大切なことを思い出させてもらっています。第7話でも、誰かに話すこと、聞いてもらうことの大切さを学ばせてもらったので、家族との時間を今まで以上に大切にしようと思います。