俳優の寺島しのぶ（50）が『第77回毎日映画コンクール』の田中絹代賞に選出され14日、都内で行われた授賞式に出席した。授賞式後の囲み取材では、長男の寺嶋眞秀が、歌舞伎座新開場十周年『團菊祭五月大歌舞伎』で初代・尾上眞秀を名乗り、初舞台を勤めることを受けて、母としての思いを語った。

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　歌舞伎役者の母と俳優の二足の草鞋を履くことになった寺島は「母ともめたことがありました」と映画『赤目四十八瀧心中未遂』（2003）で初主演を務めた当時を振り返り「濡れ場もありました。本にほれ込んでどうしてもやりたいといって。事務所で社長と母と私が三つ巴になってけんかしたことをついこの間のように思い出します」と明かした。

　「母の心配とは全然違います」と前置きしつつ「親である以上、心配は心配」と不安げ。「自分のことってどうでもよくなっていて。この間（7日）の会見は正直、1回吐いたんです。子どものことになると、こんなに苦しいんだなと」としんみり。「まだ初日も迎えてないので、私の精神状態が元気に5月までいられたら」と願っていた。

　続けて「5月までは人間修行の旅に出ます」と宣言。「NHKのナレーションをちょいちょいさせていただくのみ」と説明し、「私6月から仕事をしますので、ご用命があれば6月からお願いいたします」と一礼した。

　同賞の対象は、2022年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品（アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品）。

■「第77回毎日映画コンクール」受賞結果

日本映画大賞：『ケイコ 目を澄まして』（三宅唱監督）
日本映画優秀賞：『夜明けまでバス停で』（高橋伴明監督）

外国映画ベストワン賞：『ベルファスト』（ケネス・ブラナー監督）

男優主演賞：沢田研二『土を喰らう十二ヵ月』
女優主演賞：岸井ゆきの『ケイコ 目を澄まして』
男優助演賞：窪田正孝『ある男』
女優助演賞：伊東蒼『さがす』
スポニチグランプリ新人賞（男性）：番家一路『サバカン SABAKAN』
スポニチグランプリ新人賞（女性）：嵐莉菜『マイスモールランド』

監督賞：三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』
脚本賞：早川千絵『PLAN75』
撮影賞：月永雄太『ケイコ 目を澄ませて』
美術賞：今村力、新田隆之『死刑にいたる病』
音楽賞：青葉市子『こちらあみ子』
録音賞：川井崇満『ケイコ 目を澄ませて』

アニメーション映画賞：『高野交差点』（伊藤瑞希監督）
大藤信郎賞：『犬王』（湯浅政明監督）

ドキュメンタリー映画賞：『スープとイデオロギー』（ヤン ヨンヒ監督）

TSUTAYA映画ファン賞・日本映画部門：『チェリまほ THE MOVIE 〜30 歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい〜』（風間太樹監督）
TSUTAYA映画ファン賞・外国映画部門：『トップガン マーヴェリック』（ジョセフ・コシンスキー監督）

田中絹代賞：寺島しのぶ

特別賞：中島貞夫（映画監督）

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