動画配信「Disney+(ディズニープラス)」の「スター」オリジナルシリーズ『ガンニバル』(全7話)の山本晃久プロデューサーがドラマの裏話を明かした。山本プロデューサーは、「第94回アカデミー賞」国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』のプロデューサーとして知られ、現在はディズニープラスのコンテンツブランド「スター」で配信する日本発のオリジナル作品のプロデューサーとして腕を振るっている。
『ガンニバル』は、二宮正明氏の同名サスペンスコミックが原作。『闇金ウシジマくん』シリーズを手がけた岩倉達哉プロデューサーから原作を紹介され、「こんなに面白い漫画があったのか、と。次々起こる展開に引き込まれ、その中で描かれている人間ドラマとしての奥深さに衝撃を受けました。と同時に、映像化する難しさも感じました」と、当時を振り返る。
ドラマ化の実現のカギとなったのが、スタッフィングとキャスティング。監督は、デビュー作『岬の兄妹』で鮮烈でセンシティブな内容を力強く描いた片山慎三氏。脚本は、『ドライブ・マイ・カー』でも組んだ大江崇允氏を当初から念頭に置いていたそうだが、企画を進めている最中に、この二人の評価が急伸。
「片山監督は『岬の兄妹』に続いて、『さがす』でも、その見事なまでのストーリーテリングとサスペンスとしてのクオリティが国内外で絶賛されました。脚本の大江さんも第74回カンヌ国際映画祭脚本賞やアカデミー賞脚色賞ノミネートといった大きなタイトルを次々獲得。さらに、柳楽優弥さんがわりと早い段階で主演を引き受けてくださったこともあって、成立させることができました」。
ディズニープラスで世界配信されることは、ことさらに意識することはなかったという。「本当に面白いドラマを作ろう、という共通認識が片山監督にも大江さんにも、片山組のスタッフにもあった」といい、「スタッフキャストが日本全国津々浦々、駆け巡って撮影をしてくださって、その労力が結実した全7話だと思っています」とロケーションにこだわった撮影を成果に挙げる。
都会から遠く離れた山間にある「供花村(くげむら)」で起きる話だが、三重県熊野市紀和町にある木津呂(きづろ)をはじめ、茨城、長野、兵庫などさまざまな場所で撮影を敢行。「『ガンニバル』という原作の面白さを忠実にすくいとるには、俳優たちの演技もふくめて、供花村という村が日本のどこかに本当にあるんじゃないかと、視聴者の方に思ってもらえるかどうかが分かれ目で、そう思ってもらえる真実味のある映像が撮れた自負はあります」と山本氏。全7話の中では、第3話がターニングポイントになったと振り返る。
「監督・キャスト、それぞれ印象に残っているエピソードがあると思うのですが、僕自身としては第3話に手応えを感じました。主人公・阿川大悟が、供花村の駐在として左遷される原因となった過去の事件と、供花村で現在起きていることとが交錯していくのですが、元々は、前半で過去の事件について描き、後半に現在起きていること、第2話の続きに戻る流れでした。それを僕から、過去に大悟が犯した罪が、今起こっていることとつながっているように見えてもいいんじゃないかという提案をして、脚本段階で変えたんです。第3話は、カーアクションや銃撃戦、“あの人”の特殊メイクも、それぞれ素晴らしかったのですが、それをまとめるストーリーテリングにも関わってくるところで、片山監督がこちらの提案を120%以上の理解してくださって出来上がった第3話だったと思います」
『ドライブ・マイ・カー』の以前にも、映画『彼女がその名を知らない鳥たち』『寝ても覚めても』『スパイの妻(劇場版)』などを手がけ、第25回新藤兼人賞プロデューサー賞、第45回エランドール賞プロデューサー奨励賞を受賞。ドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』『恋のツキ』『全裸監督 シーズン2』『キン肉マン THE LOST LEGEND』、映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』など、数々の話題作を手がけてきた山本氏。ディズニープラスでは『ガンニバル』に続いて、オリジナルシリーズ『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』を制作中だ。
仕事のやりがいについて山本氏は「映画や小説などを通して、自分では体験できない新しい何か、まだ見ぬものを物語として自分の中に蓄積できる喜びを昔から感じてきました。物語の主人公、キャラクターを通して、人の痛み人や愛する尊さを教わってきました。どんな物語・キャラクターにも力があって、大事なことを物語として伝えようとするは重要なこと。改めていま“物語の力”を学び直しているところです」と話していた。
『ガンニバル』は、二宮正明氏の同名サスペンスコミックが原作。『闇金ウシジマくん』シリーズを手がけた岩倉達哉プロデューサーから原作を紹介され、「こんなに面白い漫画があったのか、と。次々起こる展開に引き込まれ、その中で描かれている人間ドラマとしての奥深さに衝撃を受けました。と同時に、映像化する難しさも感じました」と、当時を振り返る。
ドラマ化の実現のカギとなったのが、スタッフィングとキャスティング。監督は、デビュー作『岬の兄妹』で鮮烈でセンシティブな内容を力強く描いた片山慎三氏。脚本は、『ドライブ・マイ・カー』でも組んだ大江崇允氏を当初から念頭に置いていたそうだが、企画を進めている最中に、この二人の評価が急伸。
「片山監督は『岬の兄妹』に続いて、『さがす』でも、その見事なまでのストーリーテリングとサスペンスとしてのクオリティが国内外で絶賛されました。脚本の大江さんも第74回カンヌ国際映画祭脚本賞やアカデミー賞脚色賞ノミネートといった大きなタイトルを次々獲得。さらに、柳楽優弥さんがわりと早い段階で主演を引き受けてくださったこともあって、成立させることができました」。
ディズニープラスで世界配信されることは、ことさらに意識することはなかったという。「本当に面白いドラマを作ろう、という共通認識が片山監督にも大江さんにも、片山組のスタッフにもあった」といい、「スタッフキャストが日本全国津々浦々、駆け巡って撮影をしてくださって、その労力が結実した全7話だと思っています」とロケーションにこだわった撮影を成果に挙げる。
都会から遠く離れた山間にある「供花村(くげむら)」で起きる話だが、三重県熊野市紀和町にある木津呂(きづろ)をはじめ、茨城、長野、兵庫などさまざまな場所で撮影を敢行。「『ガンニバル』という原作の面白さを忠実にすくいとるには、俳優たちの演技もふくめて、供花村という村が日本のどこかに本当にあるんじゃないかと、視聴者の方に思ってもらえるかどうかが分かれ目で、そう思ってもらえる真実味のある映像が撮れた自負はあります」と山本氏。全7話の中では、第3話がターニングポイントになったと振り返る。
「監督・キャスト、それぞれ印象に残っているエピソードがあると思うのですが、僕自身としては第3話に手応えを感じました。主人公・阿川大悟が、供花村の駐在として左遷される原因となった過去の事件と、供花村で現在起きていることとが交錯していくのですが、元々は、前半で過去の事件について描き、後半に現在起きていること、第2話の続きに戻る流れでした。それを僕から、過去に大悟が犯した罪が、今起こっていることとつながっているように見えてもいいんじゃないかという提案をして、脚本段階で変えたんです。第3話は、カーアクションや銃撃戦、“あの人”の特殊メイクも、それぞれ素晴らしかったのですが、それをまとめるストーリーテリングにも関わってくるところで、片山監督がこちらの提案を120%以上の理解してくださって出来上がった第3話だったと思います」
『ドライブ・マイ・カー』の以前にも、映画『彼女がその名を知らない鳥たち』『寝ても覚めても』『スパイの妻(劇場版)』などを手がけ、第25回新藤兼人賞プロデューサー賞、第45回エランドール賞プロデューサー奨励賞を受賞。ドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』『恋のツキ』『全裸監督 シーズン2』『キン肉マン THE LOST LEGEND』、映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』など、数々の話題作を手がけてきた山本氏。ディズニープラスでは『ガンニバル』に続いて、オリジナルシリーズ『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』を制作中だ。
仕事のやりがいについて山本氏は「映画や小説などを通して、自分では体験できない新しい何か、まだ見ぬものを物語として自分の中に蓄積できる喜びを昔から感じてきました。物語の主人公、キャラクターを通して、人の痛み人や愛する尊さを教わってきました。どんな物語・キャラクターにも力があって、大事なことを物語として伝えようとするは重要なこと。改めていま“物語の力”を学び直しているところです」と話していた。
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2023/02/07