俳優の草なぎ剛が主演する、カンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”『罠の戦争』(毎週月曜 後10:00※初回は15分拡大)が、16日より放送スタートする。同作は、『銭の戦争』(2015年)、『嘘の戦争』(2017年)に続く戦争シリーズ第3弾。放送に先駆け、6年ぶりの連続ドラマ主演となる草なぎが取材会に出席し、本作への意気込みや役作りの意識を語ったほか、同シリーズで共演し、自身が“大きな存在”と語る大杉漣さんへの思いを明かした。
本作は弱者による強き権力者への復讐劇で、愛する家族を傷つけられた議員秘書が知略を尽くして鮮やかな“罠”を仕掛け、悪しき政治家を失脚させる痛快なエンターテインメント。草なぎは、衆議院議員・犬飼孝介(本田博太郎)の第一秘書を務める鷲津亨を演じている。
■三部作の「一番大きな戦い、復讐劇になるんじゃないか」
――『罠の戦争』のタイトルを聞いたときの印象。
タイトルを最初に聞いたときはちょっと聞き取れず「正直キャッチーではないなぁ」と思ったが、字で書くとハマってインパクトがある。だんだん耳で聴いた印象より、字で見ると、深みが増してきました。三部作の一番大きな戦い、復讐劇になるんじゃないかとじわじわ来ました。台本を読んでの内容もじわじわきます。『銭』と『嘘』は頭からパンチがきいていましたが、『罠』は正直、普通のキャラクターだなと。ゆえに親近感を持ってもらえるのではないかと思います。
――台本で印象に残ったこと。
後藤(法子)さんが脚本を書かれているので、すごく涙する感動シーンもあるし、こっちが罠をかけているのか、あるいははめられているのか、そういうドキドキ感があります。
――『嘘の戦争』からの続編を期待していたか。
そうですね、カンテレさんでは『僕の生きる道』(2003年)が僕の中では大きな作品で、それも3回出来たので、これも3回やりたいなあと。二度あることは三度ある。なので期待はありました。
――『罠の戦争』の制作が決まり、具体的な反響はあったか。
『罠の戦争』が決まって、ファンの方から喜んでくださった。『銭』も『嘘』も、僕自身も気に入っているいいドラマだし、共演した方々もキャラクターが際立っていたので、僕以外にも喜んでもらえていたんじゃないかと思いますね。僕を取り巻く人々に個性があって、罠、復讐、どっちが…という駆け引きがあります。キャラ立ちです。その反響だと思います。
――今回は期間が空いたが、どのように感じているか。
こういう仕事は自分が望んでもできるわけではないし、いろんなタイミングが重なってなので、何年あいたとかは気にしていないです。むしろちょうどいいかなと。『銭』から『嘘』の2年もいいですが、それとも違って間が空いて、寝かせた“味”がにじみ出てくるといいなと思います。
――前作の『嘘の戦争』から6年間。成熟度が演技に表れている?
自分もビンテージのギターやジーンズが好きですが、歳を重ねての味、重ねているが故の魅力が出ればいいかなと思います。
――どういった部分が成熟したのか。
早起きになりました。早起きするだけで台本も読めるので。(初のドラマ主演作となった)『いいひと。』(1997年)は20年以上前ですが、今も新人のような気持ちでやっています。初めての主役、カンテレさんとのお仕事でしたが、あの時の初々しくも凛と中心にいる感じ。そこは忘れてはならない部分だと思います。
■初のドラマ主演作から20年以上…今でも「新人のような気持ちで」
――歳を重ね、現場でも先輩になったのではないか。
ここ最近は若い世代の方、一回りも二回りも下の方とのお芝居もあるので、自分が歳をとった。いい意味で。重ねてきたなと実感します。とはいえ、まだまだ先輩もいらっしゃる。その意味では、上も下も僕も、世代をいい意味で飛び越えて互いに刺激しあえるようにしたいし、僕自身も、上の方にも下の方にも何かを感じ取ってもらえるようありたいと思いつつ日々やっています。
――1話では激しい感情の部分が描かれるが、これを演じるためにしていることは。
一番は睡眠ですかね、寝ていればなんとかなる、という感じです。あとは現場に入ってアクセルを踏む。もうセリフを入れたら大きい声で言う。あまり難しく考えないことが僕の中では熱を帯びた芝居になるのではないかと思います。
――役に入る時に意識すること。
あまり考え過ぎると自分自身よくないと思っている。自分のやり方としては、ふわっとしてる感じ。人の感情は決めつけられない部分も多いから、いい意味であまりわかってないような状態を作るのが僕の中で役作りかな。台本も読んでなくて…自分の技なんだよね。あいまいなところを作るっていうのがポイントかな。
――スタッフとはどんな会話をしているのか。
三宅喜重監督はこのシリーズをずっと一緒にしていますから、ディスカッションをしていて、初めてのスタッフの方より何度かご一緒した方がほとんどなので、言わずともスムーズに進むことがあります。かといって僕は政治の世界に詳しくないので…。監督とは三部作においては一番身近な役どころということで擦り合わせているし、「やりすぎないほうがいいかな?」と僕から言ったり、「いやいや剛くん、ここはもうちょっとやっとこう」と監督に言われ、すり合わせながら“罠”感を出している。「ちょっと監督、それは罠感出しすぎじゃない?」とか言いながら(笑)。
――クランクインしてから「シリーズに帰ってきたな」と思うか。
久しぶりだったので、セットの初日は感動しましたね。「ああ、いまでもこういうことをやっているんだ!」と。本当に久しぶりで。朝早く起きて、夜遅くまでやっているんだって。懐かしくもあり新鮮でもあり。でも、意外とすぐに感覚は取り戻せて「楽しいなあ」と、なんだかんだ言っても僕は好きなんだなあと。お芝居も、現場の感じも。基本的には早く帰りたいんだけど、好きなんだなあって思います。
――『罠の戦争』は自身にとってどんな作品なると捉えているか。
また新たな出発に。自分自身の人生もそうですけど。ここからスタートする作品になるんじゃないかなと思っています。
■今も忘れない大杉漣さんからの言葉「剛くん、いつも進化しているね」
――『復讐』シリーズで共演した大杉漣さんはどういった存在か。心に残るものは。
漣さんの存在は僕の中でも大きくて、一番ドラマで共演したんじゃないかと。ほぼ僕の出演ドラマにはいらっしゃって、漣さんのいない僕のドラマのほうが少ないんじゃないかな。ご縁があり、たくさんのことを楽しませてもらった。漣さんの温かさに包まれていたと思います。それで大変なドラマも乗り切れたことがたくさんあって。褒めてくださることがたくさんあって、すごくうれしかったです。
毎回なにかしら褒めてくださって、楽しかった。ギターも教えてくれたり。偉ぶる方ではないので、とりたてて僕に教えようとするのではなく、そこにいて一緒に楽しんで大きな影響をくださった方です。いま撮影していても漣さんのことはよく考えます。『罠の戦争』は走り始めたばかり。「漣さん見ててね」と。
――どのように褒めてくれたのか。
「剛くん、いつも進化しているね」って。そんな自覚ないけど、(言われたら)うれしいじゃないですか。おだてられていたかもしれない(笑)。でもそれもうれしくて。漣さんとお芝居をする時はすごく緊張もしています。すごく体も大きくて、それとは別に大きなものを持っていらして、だから芝居は緊張していました。いろいろ影響が大きかったです。いまでも考えますね。撮影に入って「漣さんならどうやって演じるかな?」とか。
■「嫌なことがあればあるほど早く寝る」朝起きたら元気に
――本作は怒りや悲しみを乗り越える内容だが、自身の乗り越え方は。
僕は寝ますね、すぐ。なんでも睡眠なんです。自律神経が整うと、ちょっとしたことでも回避できる。体が疲れているとちょっとしたことでも引っ掛かってしまうので。夜10時には寝るようにしたらいいんじゃないかと、嫌なことがあってもとりあえずベッドに入ろうぜと。考えているとどんどん疲れるから、嫌なことがあればあるほど早く寝るように心がけています。ドラマだと夜10時には寝られないけれど。まあ、これが連ドラの醍醐味とも言えますから、醍醐味を味わいつつもどうやって大好きな睡眠を確保するか、です。悩んでないで寝ることが一番。朝起きたら元気になっていますから。
――2023年はどのような年にしたいか。
昨年はいい経験ができました。コロナの大変な中に舞台とか、ドラマもちょっと海外に行けたり。そしてこうして連ドラも始まり、兎年ですからホップステップ、ぴょんぴょんと。昨年は寅年、僕も寅年なので吠えまくりました。本当に吠えまくる舞台だったし、こんなに吠えまくることもないだろうと。そこですごいつながりができまして、監督も、共演者も、すごく刺激がありました。2023年はこれを僕自身のパワーに変えて、今度は『罠の戦争』からぴょんぴょん跳ねてステップアップしたいと思います。
本作は弱者による強き権力者への復讐劇で、愛する家族を傷つけられた議員秘書が知略を尽くして鮮やかな“罠”を仕掛け、悪しき政治家を失脚させる痛快なエンターテインメント。草なぎは、衆議院議員・犬飼孝介(本田博太郎)の第一秘書を務める鷲津亨を演じている。
■三部作の「一番大きな戦い、復讐劇になるんじゃないか」
――『罠の戦争』のタイトルを聞いたときの印象。
タイトルを最初に聞いたときはちょっと聞き取れず「正直キャッチーではないなぁ」と思ったが、字で書くとハマってインパクトがある。だんだん耳で聴いた印象より、字で見ると、深みが増してきました。三部作の一番大きな戦い、復讐劇になるんじゃないかとじわじわ来ました。台本を読んでの内容もじわじわきます。『銭』と『嘘』は頭からパンチがきいていましたが、『罠』は正直、普通のキャラクターだなと。ゆえに親近感を持ってもらえるのではないかと思います。
――台本で印象に残ったこと。
後藤(法子)さんが脚本を書かれているので、すごく涙する感動シーンもあるし、こっちが罠をかけているのか、あるいははめられているのか、そういうドキドキ感があります。
――『嘘の戦争』からの続編を期待していたか。
そうですね、カンテレさんでは『僕の生きる道』(2003年)が僕の中では大きな作品で、それも3回出来たので、これも3回やりたいなあと。二度あることは三度ある。なので期待はありました。
――『罠の戦争』の制作が決まり、具体的な反響はあったか。
『罠の戦争』が決まって、ファンの方から喜んでくださった。『銭』も『嘘』も、僕自身も気に入っているいいドラマだし、共演した方々もキャラクターが際立っていたので、僕以外にも喜んでもらえていたんじゃないかと思いますね。僕を取り巻く人々に個性があって、罠、復讐、どっちが…という駆け引きがあります。キャラ立ちです。その反響だと思います。
――今回は期間が空いたが、どのように感じているか。
こういう仕事は自分が望んでもできるわけではないし、いろんなタイミングが重なってなので、何年あいたとかは気にしていないです。むしろちょうどいいかなと。『銭』から『嘘』の2年もいいですが、それとも違って間が空いて、寝かせた“味”がにじみ出てくるといいなと思います。
――前作の『嘘の戦争』から6年間。成熟度が演技に表れている?
自分もビンテージのギターやジーンズが好きですが、歳を重ねての味、重ねているが故の魅力が出ればいいかなと思います。
――どういった部分が成熟したのか。
早起きになりました。早起きするだけで台本も読めるので。(初のドラマ主演作となった)『いいひと。』(1997年)は20年以上前ですが、今も新人のような気持ちでやっています。初めての主役、カンテレさんとのお仕事でしたが、あの時の初々しくも凛と中心にいる感じ。そこは忘れてはならない部分だと思います。
■初のドラマ主演作から20年以上…今でも「新人のような気持ちで」
――歳を重ね、現場でも先輩になったのではないか。
ここ最近は若い世代の方、一回りも二回りも下の方とのお芝居もあるので、自分が歳をとった。いい意味で。重ねてきたなと実感します。とはいえ、まだまだ先輩もいらっしゃる。その意味では、上も下も僕も、世代をいい意味で飛び越えて互いに刺激しあえるようにしたいし、僕自身も、上の方にも下の方にも何かを感じ取ってもらえるようありたいと思いつつ日々やっています。
――1話では激しい感情の部分が描かれるが、これを演じるためにしていることは。
一番は睡眠ですかね、寝ていればなんとかなる、という感じです。あとは現場に入ってアクセルを踏む。もうセリフを入れたら大きい声で言う。あまり難しく考えないことが僕の中では熱を帯びた芝居になるのではないかと思います。
――役に入る時に意識すること。
あまり考え過ぎると自分自身よくないと思っている。自分のやり方としては、ふわっとしてる感じ。人の感情は決めつけられない部分も多いから、いい意味であまりわかってないような状態を作るのが僕の中で役作りかな。台本も読んでなくて…自分の技なんだよね。あいまいなところを作るっていうのがポイントかな。
――スタッフとはどんな会話をしているのか。
三宅喜重監督はこのシリーズをずっと一緒にしていますから、ディスカッションをしていて、初めてのスタッフの方より何度かご一緒した方がほとんどなので、言わずともスムーズに進むことがあります。かといって僕は政治の世界に詳しくないので…。監督とは三部作においては一番身近な役どころということで擦り合わせているし、「やりすぎないほうがいいかな?」と僕から言ったり、「いやいや剛くん、ここはもうちょっとやっとこう」と監督に言われ、すり合わせながら“罠”感を出している。「ちょっと監督、それは罠感出しすぎじゃない?」とか言いながら(笑)。
――クランクインしてから「シリーズに帰ってきたな」と思うか。
久しぶりだったので、セットの初日は感動しましたね。「ああ、いまでもこういうことをやっているんだ!」と。本当に久しぶりで。朝早く起きて、夜遅くまでやっているんだって。懐かしくもあり新鮮でもあり。でも、意外とすぐに感覚は取り戻せて「楽しいなあ」と、なんだかんだ言っても僕は好きなんだなあと。お芝居も、現場の感じも。基本的には早く帰りたいんだけど、好きなんだなあって思います。
――『罠の戦争』は自身にとってどんな作品なると捉えているか。
また新たな出発に。自分自身の人生もそうですけど。ここからスタートする作品になるんじゃないかなと思っています。
■今も忘れない大杉漣さんからの言葉「剛くん、いつも進化しているね」
――『復讐』シリーズで共演した大杉漣さんはどういった存在か。心に残るものは。
漣さんの存在は僕の中でも大きくて、一番ドラマで共演したんじゃないかと。ほぼ僕の出演ドラマにはいらっしゃって、漣さんのいない僕のドラマのほうが少ないんじゃないかな。ご縁があり、たくさんのことを楽しませてもらった。漣さんの温かさに包まれていたと思います。それで大変なドラマも乗り切れたことがたくさんあって。褒めてくださることがたくさんあって、すごくうれしかったです。
毎回なにかしら褒めてくださって、楽しかった。ギターも教えてくれたり。偉ぶる方ではないので、とりたてて僕に教えようとするのではなく、そこにいて一緒に楽しんで大きな影響をくださった方です。いま撮影していても漣さんのことはよく考えます。『罠の戦争』は走り始めたばかり。「漣さん見ててね」と。
――どのように褒めてくれたのか。
「剛くん、いつも進化しているね」って。そんな自覚ないけど、(言われたら)うれしいじゃないですか。おだてられていたかもしれない(笑)。でもそれもうれしくて。漣さんとお芝居をする時はすごく緊張もしています。すごく体も大きくて、それとは別に大きなものを持っていらして、だから芝居は緊張していました。いろいろ影響が大きかったです。いまでも考えますね。撮影に入って「漣さんならどうやって演じるかな?」とか。
■「嫌なことがあればあるほど早く寝る」朝起きたら元気に
――本作は怒りや悲しみを乗り越える内容だが、自身の乗り越え方は。
僕は寝ますね、すぐ。なんでも睡眠なんです。自律神経が整うと、ちょっとしたことでも回避できる。体が疲れているとちょっとしたことでも引っ掛かってしまうので。夜10時には寝るようにしたらいいんじゃないかと、嫌なことがあってもとりあえずベッドに入ろうぜと。考えているとどんどん疲れるから、嫌なことがあればあるほど早く寝るように心がけています。ドラマだと夜10時には寝られないけれど。まあ、これが連ドラの醍醐味とも言えますから、醍醐味を味わいつつもどうやって大好きな睡眠を確保するか、です。悩んでないで寝ることが一番。朝起きたら元気になっていますから。
――2023年はどのような年にしたいか。
昨年はいい経験ができました。コロナの大変な中に舞台とか、ドラマもちょっと海外に行けたり。そしてこうして連ドラも始まり、兎年ですからホップステップ、ぴょんぴょんと。昨年は寅年、僕も寅年なので吠えまくりました。本当に吠えまくる舞台だったし、こんなに吠えまくることもないだろうと。そこですごいつながりができまして、監督も、共演者も、すごく刺激がありました。2023年はこれを僕自身のパワーに変えて、今度は『罠の戦争』からぴょんぴょん跳ねてステップアップしたいと思います。
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2023/01/14