全世界興行収入歴代1位に君臨する映画『アバター』(2009年)の続編、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が16日より劇場公開がスタート。公開前には、監督・キャストがそろって、地球を一周するワールドツアーを敢行し、プロモーションにも力が入っていた。
日本では10日に記者会見、舞台あいさつを行い、その合間にメディアの取材を受けて…と、一日中フル稼働。ジェームズ・キャメロン監督(68)へのインタビューでは、「この映画をより多くの皆さんに映画館で観てもらうこと。興行を成功させて収益を出さないと、さらなる続編が作れない。皆さんの助けが必要だ」「収益を出せるよう、一緒に祈って」と、正直すぎる発言もあり、親近感を抱かずにいられなかった。
続編4本の“同時撮影”が始まったのは、2017年9月。本作は、当初2020年に公開を予定していた。コロナ危機の影響についてキャメロン監督は「映画館が閉まっているのに、この映画を完成させる意味があるのか、と考えました。相当な製作費がかかっているこの映画をストリーミングで観るしかない状況になったら、それはもう悲劇的。どうなるかわからなかったけれど作業を続け、幸いなことに映画館で映画を観る日常が戻ってきてくれた。とはいえ、全世界でコロナ禍前の8割程度。収益を出せるかわかりません」と、懸念を口にした。
「なぜこんなことを言うかというと、『アバター』は最も高いレベルのリスクを負いながら作っているんですね。ご覧になればわかると思いますが、私たちは勧善懲悪の無難な選択をせず、伝えたいストーリーを伝えることを優先しています。経済的にものすごいプレッシャーがありがながらも、そういったことをした。皆さんが気に入ってくださって、この映画が収益を出すことができるよう、私と一緒に祈ってもらいたいです」
『アバター』の世界は、キャメロンが長い間温めてきたものだ。もともと初期草稿を書いたのは1994年。その当時はまだ彼のビジョンを実現させるのに必要な方法は存在すらしていなかった。それから、『タイタニック』、『ターミネーター』、『ターミネーター2』『エイリアン2』『トゥルーライズ』、そして『アビス』といったヒット作を生み出し、2005年より『アバター』の製作に着手。革新的なテクノロジーの開発から関わり、モーション・キャプチャーをパフォーマンス・キャプチャーへと変貌させ、視覚効果技術を驚異的なレベルにまで押し上げて、前作『アバター』は全世界興行収入歴代1位の作品になった。
■5作目まで監督を務める意向「最善を尽くします」
映画監督として頂点を極めたキャメロンには、もう一つ、探検家の顔もある。海洋学者・スキューバーダイバーとしても知られ、前作『アバター』の後は、ナショナル ジオグラフィックとタッグを組み、探検家として深海調査やエネルギー問題について、精力的に活動した。
「もともとは、これまで誰も見たことがない世界を見せたい、ただそれだけで作った『アバター』でしたが、全世界興収1位になったことで、僕の中でもちょっとした変化がありました。『アバター』が多くの人とコミュニケーションをはかる手段になると気づいたし、その責任も負っていると。サステナブル(持続可能)な社会のためにできることがあるのならやらない手はない。それで続編を作ろうと思ったんです。
また、私の作家としての脳が、キャラクターたちのその後を思いついてしまったというのもあります。ジェイクやネイティリがどんな人生の旅をしていくのか、どんな危機に直面して、どう乗り越えていくのか。観客もキャラクターに楽しさや面白さといった感情を抱き、精神性、物語性を感じてくれる。人の心に深く入ることができるんですね。それは映画作家としては、とても魅力的なことです」
公開中の『ウェイ・オブ・ウォーター』を含め、続編となる4本すべての脚本を完成させた上で製作を開始。
「すべてのストーリーを緻密に計画しておいた方が、演者たちのパフォーマンス・キャプチャー撮影、実写撮影、そしてポストプロダクションの各段階において効率化が図れ、経済的なメリットもあります。『アバター3』は、完全に撮影が終わっていて、ポストプロダクション中。2年後に公開予定です。『アバター4』、『アバター5』まで、『スター・ウォーズ』のように2年に1本のペースで公開していきたい。頭の中に前作が残っているうちに、新作をお届けして、ずっと『アバター』の世界から忘れられないようにする、そういうもくろみです」
『アバター5』まで、すべてキャメロン自ら監督を務める意向だ。「『4』の脚本が一番のお気に入りで、5本目がそれに近い2位。家族の誰かが病気になったり、私自身が病気になったりして、日々の作業ができなくなることも考えておかなければいけないけれど、物語の完結まですべてやりたいと思っています。私は、すべてのスタッフ、キャストにとにかく最善を尽くしなさい、と求めてきました。なので、私も最善を尽くします」
日本では10日に記者会見、舞台あいさつを行い、その合間にメディアの取材を受けて…と、一日中フル稼働。ジェームズ・キャメロン監督(68)へのインタビューでは、「この映画をより多くの皆さんに映画館で観てもらうこと。興行を成功させて収益を出さないと、さらなる続編が作れない。皆さんの助けが必要だ」「収益を出せるよう、一緒に祈って」と、正直すぎる発言もあり、親近感を抱かずにいられなかった。
続編4本の“同時撮影”が始まったのは、2017年9月。本作は、当初2020年に公開を予定していた。コロナ危機の影響についてキャメロン監督は「映画館が閉まっているのに、この映画を完成させる意味があるのか、と考えました。相当な製作費がかかっているこの映画をストリーミングで観るしかない状況になったら、それはもう悲劇的。どうなるかわからなかったけれど作業を続け、幸いなことに映画館で映画を観る日常が戻ってきてくれた。とはいえ、全世界でコロナ禍前の8割程度。収益を出せるかわかりません」と、懸念を口にした。
「なぜこんなことを言うかというと、『アバター』は最も高いレベルのリスクを負いながら作っているんですね。ご覧になればわかると思いますが、私たちは勧善懲悪の無難な選択をせず、伝えたいストーリーを伝えることを優先しています。経済的にものすごいプレッシャーがありがながらも、そういったことをした。皆さんが気に入ってくださって、この映画が収益を出すことができるよう、私と一緒に祈ってもらいたいです」
『アバター』の世界は、キャメロンが長い間温めてきたものだ。もともと初期草稿を書いたのは1994年。その当時はまだ彼のビジョンを実現させるのに必要な方法は存在すらしていなかった。それから、『タイタニック』、『ターミネーター』、『ターミネーター2』『エイリアン2』『トゥルーライズ』、そして『アビス』といったヒット作を生み出し、2005年より『アバター』の製作に着手。革新的なテクノロジーの開発から関わり、モーション・キャプチャーをパフォーマンス・キャプチャーへと変貌させ、視覚効果技術を驚異的なレベルにまで押し上げて、前作『アバター』は全世界興行収入歴代1位の作品になった。
■5作目まで監督を務める意向「最善を尽くします」
映画監督として頂点を極めたキャメロンには、もう一つ、探検家の顔もある。海洋学者・スキューバーダイバーとしても知られ、前作『アバター』の後は、ナショナル ジオグラフィックとタッグを組み、探検家として深海調査やエネルギー問題について、精力的に活動した。
「もともとは、これまで誰も見たことがない世界を見せたい、ただそれだけで作った『アバター』でしたが、全世界興収1位になったことで、僕の中でもちょっとした変化がありました。『アバター』が多くの人とコミュニケーションをはかる手段になると気づいたし、その責任も負っていると。サステナブル(持続可能)な社会のためにできることがあるのならやらない手はない。それで続編を作ろうと思ったんです。
また、私の作家としての脳が、キャラクターたちのその後を思いついてしまったというのもあります。ジェイクやネイティリがどんな人生の旅をしていくのか、どんな危機に直面して、どう乗り越えていくのか。観客もキャラクターに楽しさや面白さといった感情を抱き、精神性、物語性を感じてくれる。人の心に深く入ることができるんですね。それは映画作家としては、とても魅力的なことです」
公開中の『ウェイ・オブ・ウォーター』を含め、続編となる4本すべての脚本を完成させた上で製作を開始。
「すべてのストーリーを緻密に計画しておいた方が、演者たちのパフォーマンス・キャプチャー撮影、実写撮影、そしてポストプロダクションの各段階において効率化が図れ、経済的なメリットもあります。『アバター3』は、完全に撮影が終わっていて、ポストプロダクション中。2年後に公開予定です。『アバター4』、『アバター5』まで、『スター・ウォーズ』のように2年に1本のペースで公開していきたい。頭の中に前作が残っているうちに、新作をお届けして、ずっと『アバター』の世界から忘れられないようにする、そういうもくろみです」
『アバター5』まで、すべてキャメロン自ら監督を務める意向だ。「『4』の脚本が一番のお気に入りで、5本目がそれに近い2位。家族の誰かが病気になったり、私自身が病気になったりして、日々の作業ができなくなることも考えておかなければいけないけれど、物語の完結まですべてやりたいと思っています。私は、すべてのスタッフ、キャストにとにかく最善を尽くしなさい、と求めてきました。なので、私も最善を尽くします」
2022/12/18