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【インタビュー】 MORISAKI WIN、アニメ出演と歌手活動で広がる新たな世界 「音楽はすべての壁を越えられるもの」

 ミャンマー出身で、小学4年生のときに来日し、中学2年生で芸能活動を始め、2018年にはスティーヴン・スピルバーグに認められハリウッドデビューを果たした森崎ウィン。俳優として映画やテレビドラマに出演する一方で、2020年にはアジアから世界に発信するエンターテイナー“MORISAKI WIN”としてメジャーデビュー。アーティストとしても幅広く活躍している。1月7日にリリースした新曲「Back to Back」が、テレビアニメ『異世界の沙汰は社畜次第』(AT-X、TOKYO MXほか)のエンディング主題歌に起用されたMORISAKIにアーティスト活動について話を聞いた。

1月7日に新曲「Back to Back」をリリースしたMORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

1月7日に新曲「Back to Back」をリリースしたMORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

――新曲「Back to Back」はテレビアニメ『異世界の沙汰は社畜次第』エンディング主題歌で、MORISAKIさんは同アニメにもシーロ役の声優として出演されています。まずはアニメの話から聞かせてください。

MORISAKI今作は、サラリーマン近藤(誠一郎)くんと、氷の貴公子・アレシュくんという2人の恋愛も絡んだストーリーになっていまして、その中で僕が演じる医者のシーロは、アレシュと長年の知り合いで2人の恋愛を一歩外から見守りつつ、異世界に転移してきてしまった近藤くんを医者として守っていくという役柄です。

 シーロ自体がすごくカッコよくて、医者としての知識も豊富で、頭の良いクールなキャラクターでありながら、アレシュの前でしか見せないちょっとユルい天然なかわいらしさもあって。そういったところを、いろいろと演じ分けながら自分なりに頑張っています。これまでもアニメ声優出演の経験はありますが、レギュラーでのお仕事は初めてで、他の声優さんたちと一緒にブースに入って台詞を録るということも今回が初めてなので、ものすごく緊張しましたし、改めて声のお芝居の難しさや、奥深さを実感しました。

――しかもエンディング主題歌を歌うということで、「Back to Back」に対する思い入れも強かったのでは?

MORISAKI楽曲自体が甘くて柔らかくて、本当に聴き心地がいい楽曲ですので、それを僕が歌で表現するにあたっては、とにかく自分の声の柔らかい成分をいかにマイクに乗せていくか、そこを何回もトライして。ところどころは計算しつつも、感情に任せるということを意識してレコーディングしました。あと個人的には、僕はドゥーワップが大好きなので、6/8拍子の曲を“MORISAKI WIN”のプロジェクトで歌えるということがすごく嬉しくて。そもそも今回、エンディング主題歌のお話を持ってきてくださったのが、僕がスーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の主題歌を歌った時のコロムビア・チームさんで、前回の制作時で培った信頼感がものすごくありましたので、大船に乗ったつもりで、自分の持つすべての力を注ぎ込みました。僕自身も声優として出演している作品ではありますが、本当に素敵な楽曲なので、音楽単体でも羽ばたけるようなストーリーを膨らませる歌い方ができたらと思ってレコーディングに臨みました。

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

――MORISAKIさん自身が気に入っているフレーズや、歌い回しに苦労したような点は?

MORISAKI作詞・作曲をしてくださった園田(健太郎)さんとは現場でお会いしたんですけど、本当に天才的な曲を書く人で、曲全体のバランスや、ピアノの後ろで鳴っているリフの付け方だったりが、本当に素敵なんです。ですから、刺さるフレーズは本当にたくさんあるんですけど、今回のレコーディングですと、「I love you」というフレーズですね。ここでバックの音がスッと消えて、声だけを残すんですが、セリフっぽいんですけど、もちろんリズムとピッチをそこの尺にぴったり当てはめなければいけないというのが一番難しかったです。それと、サビの「You're my everything」というフレーズは、すごくキャッチーだし、一度聴いたら耳に残ると思います。

――6/8拍子のグルーヴもとても心地よいですね。

MORISAKI50年代のドゥーワップ的な感じがいいですよね。改めて今の時代にドゥーワップで、しかもそこへの日本語の乗せ方がとても秀逸で。歌っていても無理がないですし、とても気持ちよくて、それがまた素敵だなと思いました。実はキーを少し高めに設定しているんですよ。もちろん、僕のキーの範囲ではあるんですけど、それの上の方で。そのメロディを簡単に歌っているように聴こえたらいいなという気持ちで歌いました。

――キーを高くした理由は?

MORISAKIそのギリギリな感じが、エモさにつながるというか。パワフルに叫ぶ感情表現というよりも、静かに「恋になるのかな? ならないのかな?」という感じの叫びというか。だから、叫んではいるのだけれども、耳に痛くなくて、リスナーの鼓膜を通って心臓の鼓動をドン! と響かせるような、そういう力強さを目指したんです。しかもレコーディング時にはディレクターさんのアイデアで、ブロックごとに録音するのではなく、ワンコーラスを通しで歌ったんです。通して歌うことで、その中から漏れ出てくる感情を録ろうということで挑戦しました。このレコーディングは、面白かったですし、痺れましたね。

――MORISAKIさんにとっても、新しい扉が開いた感覚があったんですね。

MORISAKI高い音程で優しく叫ぶって、声帯の使い方としては意外と難しくて。そこでまた、自分の中で新たな扉が開けたような感じがします。こうやって、ありがたいことにいろんな楽曲を歌わせていただくことで、前は出せなかった声を出せるようになったり、新たな声帯の響かせ方を会得できたりすることが、レコーディングの度にあって。新たなことにチャレンジしていく中で、「なるほど、これだ」とマスターしていく感覚は、今回もありました。

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

――そうやって音楽で得た感覚が、俳優として活かされる場面もあるのですか?

MORISAKIものすごくあります。そもそも俳優をやっているからこそ、音楽の中でも「こういう場面だからこういう声で歌いたい」というスイッチの入れ方ができて、歌の表現を広げられますし、反対に音楽をやっていることで、お芝居の中でも、体内リズムというか、タイミングや間の取り方に、何か音楽をやっている人ならではのものが出てくるように感じています。あとは、役によって声の高低を使い分けてみたりとか。それも音楽をやっているから得られた技術のひとつじゃないかと思っています。

――6/8拍子の歌のグルーヴは、3拍子もとも違いますし、やはり音楽に精通しているMORISAKIさんならでは歌い方だと感じました。

MORISAKI若干レイドバックしてるかと思いきや、ちゃんとハマっている、みたいな感じですよね。6/8拍子ってワルツとは違うので、よりグルーヴィな感じと言いますか。

――先ほど50年代のドゥーワップのお話が出ましたが、ドゥーワップもお好きなんですか?

MORISAKI昔の音楽もとても好きですし、90年代も好きですよ。最近は、改めて2000年代初頭の洋楽って“神期”だったなと感じていて。アリアナ・グランデとか、ビヨンセ、ニーヨ、クリス・ブラウン、あとジャスティン・ビーバーもそうですけど、あの時代のR&Bは、やっぱりカッコいい。この前、久々にアリアナのデビューアルバムを聴いて、やっぱりこの時代が好きだなって改めて感じたんです。

――2000年代の洋楽が音楽的なルーツなんですね。

MORISAKIそうですね。1990年生まれで、2000年代が10代の時ですので。ただ僕はおばあちゃんと住んでいたこともあって、物心がつく前から、もうちょっと古い音楽、たとえばカーペンターズとか、それこそ80年代のマイケル・ジャクソンもそうですが、いろんなジャンルの音楽を自然と耳にしていました。だから古いR&Bも好きですけど、やっぱり中心は、学生の時に好んで聴いていた音楽だったり、お酒を飲める歳になった時に、当時のクラブで流れていたR&Bがものすごく好きで。あとつい先日、その時代のEDMはどんな感じだったかなって車を運転しながら聴き直してみたりもして。サイドチェインが流行り始めた頃のEDMが懐かしくて(笑)。

――かなり幅広くいろんな音楽を聴いているのですね。

MORISAKIただここのところは、ありがたいことに、なかなか音楽を聴く時間が取れないくらいに忙しかったんですが、久々にゆっくり車を運転できる日があったんです。その時、「何か音楽を」と思った時に、ちょっと前のR&Bを聴きたくなって、そういったアルバムを流していたんです。そうしたら偶然、免許を取り立ての頃にレンタカーを借りて走っていた場所を通った時に当時の懐かしい曲が流れてきて。「あの頃、こんなことしてたな」って思い出したりして。音楽って、そういう自分の記憶をたどれる一種のタイムマシンですよね。想い出のフォトアルバムをめくるみたいに。久々にそういう感覚になれて、「やっぱり音楽っていいな」と改めて思いました。

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

――では音楽を生み出す側の目線では、音楽だからこそできるものは何だと考えていますか?

MORISAKIたとえば1曲が3分だとすると、音楽は、人が今抱えているすべての壁を3分で越えられるものだと思っています。人種の壁、言葉の壁、国籍の壁、文化の壁。音楽があれば、3分ですべてをつなげられるし、すべての架け橋になれる。それが音楽の強さなのではないでしょうか。たとえば、僕のことを誰も知らない国に突然行って「森崎ウィンです」と言っても、「きみ、誰?」ってなりますよね。そもそも言葉すら通じない。でも、そこで僕が「We Are The World」を歌えば、「いいね! その曲知ってるよ!」って、すぐに仲良くなれるんです。それが音楽の魅力的なところですし、偉大な力だと思います。

――一方で、俳優だからこそ得られる喜びは?

MORISAKI普通に“森崎ウィン”として生きていては経験できないような、いろんな人生の疑似体験ができることです。たとえば、自分が血を吐いて死んでしまうとか、悪役になって人をナイフで刺すとかって、現実にはできないことですよね。でも俳優なら、役としてそういう人生も生きられる。そこが俳優の醍醐味だと思います。いろんな役を演じることで、いろんな人に出会えたり、いろんな服を着ることができたり、いろんな物を見たり触れたりできて、自分の価値感をアップデートできる。役を演じる時に、「どうしてこの人はこんな感情になるんだろう?」と考えるんですが、「もしかしたらこうなのかな」とか、「こういう風な人もいるだろうな」と理解できたり…。結果「これはわからない」という時もあるけど、それも含めて、いろんな価値観を知るきっかけをいただけることが俳優の良さだと思っています。しかも、「こういう役にこんな楽曲がついたら」と、演じることで音楽のアイデアが生まれることもあるんです。

――MORISAKIさんの中で、音楽活動と俳優としての活動が良い相乗効果をもたらしているんですね。そういうMORISAKIさんにとって、キャストとして出演もするアニメ作品のエンディング主題歌をリリースするというのは、2026年、最高のスタートとなりそうですね。

MORISAKI“MORISAKI WIN”プロジェクトの中でも、こういったタイプの楽曲は初めてですので、新たな年の幕開けと、僕の新しい世界の幕開けという、すごくいいタイミングだなと思っています。

――では最後に、アニメのファン、ご自身のファンのみなさんに向けて、メッセージをお願いします。

MORISAKIまずは原作のファンのみなさま、アニメ化おめでとうございます。その中で、みなさんが期待するシーロを演じられたかどうかはわかりませんが、僕なりに一生懸命やらせていただきましたので、気に入っていただけたらうれしいです。きっとみなさんがイメージする原作の声があると思うので、それが結構なプレッシャーというか、正直ビビッていますが(笑)、とにかく作品そのものが素敵なものになっていますので、ぜひ最後までご覧いただけたらなと思います。そのエンディング曲として、「Back to Back」もとても素敵な楽曲に仕上がっていると思っているので、「エンディング曲がこれでよかったな」と毎回思ってもらえるような、そんな一曲になれたらいいなと思っています。

――2月に長崎、大阪、横浜で開催されるライブ『Back to Back Billboard Live』も楽しみにしています。

MORISAKI今回は会場がビルボード(長崎は「THE CLUB NAGASAKI」)ですから、ロックな感じにはならないと思いますが、ただ前回(2024年)のビルボードでのライブとも、またちょっと変えたいなと思っていますので、そのあたりもぜひ楽しみにしていてください。

取材・文:布施雄一郎

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

【作品情報】
MORISAKI WIN「Back to Back」
テレビアニメ『異世界の沙汰は社畜次第』(AT-X/TOKYO MXほか)エンディング主題歌
配信リリース:2026年1月7日

MORISAKI WIN「Back to Back」

MORISAKI WIN「Back to Back」

【プロフィール】
森崎ウィン/MORISAKI WIN
1990年、ミャンマー出身。小学4年生のときに来日し、中学2年生より芸能活動を開始。2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』でハリウッドデビューを果たす。2020年、映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主演ドラマ『本気のしるし』はカンヌ国際映画祭に選出されるなど国内外で高い評価を得る。20年、アジアから世界に発信するエンターテイナー“MORISAKI WIN”として歌手デビュー。23年には2ndアルバム『BAGGAGE』をリリースし、アーティストとして幅広い活躍を魅せている。

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

MORISAKI WIN 撮影:田中達晃(パッシュ)

【公式HP】
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スターダストプロモーション(外部サイト)
公式YouTubeチャンネル(外部サイト)

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