今年3月の「大阪アジアン映画祭」で「来るべき才能賞」を受賞した飯塚花笑監督の映画『世界は僕らに気づかない』が、来年(2023年)1月13日より公開される。フィリピン人の母親と日本人の父親を持つ主人公の高校生が、自身のセクシャリティとアイデンティティの危機に対峙し、自らの未来を切り開こうとする物語。
トランスジェンダーである自らの経験を元に制作した『僕らの未来』(2011年)が国内外で注目を集め、2022年公開の『フタリノセカイ』で商業デビューを果たした飯塚監督が、レプロエンタテインメント主催の映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」で製作したオリジナル長編第5作となる。
8年の構想期間を経て結実した本作の主人公・純悟を任されたのは、『東京リベンジャーズ』(21年)でのパーちん役で存在感を示した堀家一希。複雑なバックグラウンドを抱える難しい役柄かつ映画初主演という重圧もある中、悶々として自分の本当の感情を吐露できない純悟を演じきった。
息子である純悟への深い愛情を抱きつつ、感情的に厳しい態度もとってしまう母親・レイナを演じるのは、スコットランド人の父親とフィリピン人の母親を持つガウ。本格的な演技は初挑戦ながら、観客の視線を釘付けにするパワフルな演技を披露している。
ポスターは、フィリピン人の母親・レイナと、フィリピンダブルの息子・純悟が真横を向き遠くを見つめるショットが大きく映し出されている。日本語タイトルのほかに英題「Angry Son」が大きく入っており、さらに、「世界で一番嫌いな人 世界で一番愛する人」とコピーが添えられ、思春期という多感な時期にいろいろな問題がない交ぜになった環境の中、素直になれない息子の複雑で煮えくり返った怒りを表現している。
予告編では、出勤前の支度をしながら営業電話をするフィリピンパブ嬢の母・レイナの様子をカメラに収める息子・純悟。そこにナレーションで「子どもは親を選べない。親も子どもを選ぶことはできない」と純悟の声が重なる。「ジャッピーノ。僕らのようなフィリピンハーフの子をそう呼ぶらしい」「だって俺フィリピン人で、フィリピンパブ嬢の子なんで」と自身の境遇を嘆くせりふが続く。
さらに恋人からの決別宣言、母親が「再婚する」といきなり知らない男を家に連れてきたり、かつて「カマちゃん」と自身がゲイであることを理由にいじめをしていた同級生と出くわしてしまったり、彼を取り巻く苦々しい環境がつまびらかにされる。そこから自由になりたくてもがき苦しみ父親探しを始めるのだが…。痛いほど純悟の苦しみと怒りが感じられる予告編となっている。
飯塚監督は、「この世界の片隅で、ある種の生きづらさを抱える人たちの存在がどうしても気になってしまう。おそらくトランスジェンダーである自分自身のアイデンティティがそうさせて来たのだろう。今回の映画の主人公は、フィリピン人の母と日本人の父親を持つ青年だ。意外にも知られていないがこの国には、出稼ぎでやって来たたくさんのフィリピン人女性が、日常に溶け込んで暮らしている。そしてその子どもたちもまた、この国の中で暮らしている。この映画で描くのは、異なる文化を持った母親への息子の眼差しであり、“愛の問題”についての物語である。この映画を観て、身近にあった愛に気づく人がいるならば…私はとても幸せに思います」と、コメントを寄せている。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
トランスジェンダーである自らの経験を元に制作した『僕らの未来』(2011年)が国内外で注目を集め、2022年公開の『フタリノセカイ』で商業デビューを果たした飯塚監督が、レプロエンタテインメント主催の映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」で製作したオリジナル長編第5作となる。
8年の構想期間を経て結実した本作の主人公・純悟を任されたのは、『東京リベンジャーズ』(21年)でのパーちん役で存在感を示した堀家一希。複雑なバックグラウンドを抱える難しい役柄かつ映画初主演という重圧もある中、悶々として自分の本当の感情を吐露できない純悟を演じきった。
息子である純悟への深い愛情を抱きつつ、感情的に厳しい態度もとってしまう母親・レイナを演じるのは、スコットランド人の父親とフィリピン人の母親を持つガウ。本格的な演技は初挑戦ながら、観客の視線を釘付けにするパワフルな演技を披露している。
ポスターは、フィリピン人の母親・レイナと、フィリピンダブルの息子・純悟が真横を向き遠くを見つめるショットが大きく映し出されている。日本語タイトルのほかに英題「Angry Son」が大きく入っており、さらに、「世界で一番嫌いな人 世界で一番愛する人」とコピーが添えられ、思春期という多感な時期にいろいろな問題がない交ぜになった環境の中、素直になれない息子の複雑で煮えくり返った怒りを表現している。
予告編では、出勤前の支度をしながら営業電話をするフィリピンパブ嬢の母・レイナの様子をカメラに収める息子・純悟。そこにナレーションで「子どもは親を選べない。親も子どもを選ぶことはできない」と純悟の声が重なる。「ジャッピーノ。僕らのようなフィリピンハーフの子をそう呼ぶらしい」「だって俺フィリピン人で、フィリピンパブ嬢の子なんで」と自身の境遇を嘆くせりふが続く。
さらに恋人からの決別宣言、母親が「再婚する」といきなり知らない男を家に連れてきたり、かつて「カマちゃん」と自身がゲイであることを理由にいじめをしていた同級生と出くわしてしまったり、彼を取り巻く苦々しい環境がつまびらかにされる。そこから自由になりたくてもがき苦しみ父親探しを始めるのだが…。痛いほど純悟の苦しみと怒りが感じられる予告編となっている。
飯塚監督は、「この世界の片隅で、ある種の生きづらさを抱える人たちの存在がどうしても気になってしまう。おそらくトランスジェンダーである自分自身のアイデンティティがそうさせて来たのだろう。今回の映画の主人公は、フィリピン人の母と日本人の父親を持つ青年だ。意外にも知られていないがこの国には、出稼ぎでやって来たたくさんのフィリピン人女性が、日常に溶け込んで暮らしている。そしてその子どもたちもまた、この国の中で暮らしている。この映画で描くのは、異なる文化を持った母親への息子の眼差しであり、“愛の問題”についての物語である。この映画を観て、身近にあった愛に気づく人がいるならば…私はとても幸せに思います」と、コメントを寄せている。
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2022/11/04