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橋本愛、中途半端な評価にジレンマ 「下手だね」とはっきり言われ「開き直れた」

 俳優の橋本愛が10月31日、都内で開催中の「第35回東京国際映画祭」交流ラウンジに登場。同映画祭フェスティバルアンバサダーとして9月に行われた記者会見で、俳優として撮影現場のハラスメントや労働環境の問題に言及し、反響を呼んだ。こうした言動の背景に、「お芝居、本当に下手だね」とガツンと言われたことで変わることができたと語った。

「第35回東京国際映画祭」交流ラウンジに登場した橋本愛 (C)ORICON NewS inc.

「第35回東京国際映画祭」交流ラウンジに登場した橋本愛 (C)ORICON NewS inc.

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 交流ラウンジは、是枝裕和監督を中心とする検討会議メンバーの企画のもと、アジア、そして世界各国・地域から集う映画人と第一線で活躍する日本の映画人が語り合い、映画ファンも共有できる場を作ろうと設けられたもの。この日、是枝監督と対談した橋本は、9月の記者会見での発言を振り返り、「すごく緊張したんですが、とても良い反響があって有意義だった」とホッとした表情を見せていた。

 是枝監督は、橋本が自らの意見を公の場で主張するに至った背景を丁寧に聞き出していった。橋本によると、「以前は、自分のお芝居のことしか考えられなかったが、周りを見る余裕を持てるようになった」。その中で、撮影現場で自分が優遇されているという自覚を強め、「恵まれている分だけ社会に還元しないといけない」と考えるようになったという。

「第35回東京国際映画祭」交流ラウンジに登場した(左から)是枝裕和監督、橋本愛 (C)ORICON NewS inc.

「第35回東京国際映画祭」交流ラウンジに登場した(左から)是枝裕和監督、橋本愛 (C)ORICON NewS inc.

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 きっかけは、成島出監督の『グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜』(2020年)の現場だった。橋本は「成島監督から『本当に、下手だね』と言われて。『やっぱり、そうですよね』と、自分の感覚と外の意見が一致して、やっと開き直れた」と打ち明けた。

 映画『告白』(2010年)の学級委員役で注目され、連続テレビ小説『あまちゃん』(13年)でヒロインの親友ユイ役を演じて人気急上昇。ドラマに、映画に、順調にキャリアを築いてきた。しかし、「満島ひかりさん、深津絵里さん、樹木希林さんのようなお芝居、本質的な表現をするのが理想なのに、どう頑張ってもできなかった。でも、中途半端に評価され続けてきたから、一から学び直したいと言い出せず、出来る顔をしていないといけないのかな、と思っていた」と、周りの評価と実際の自分とのギャップの大きさに人知れず悩んでいたという。

 しかし、成島監督にガツンとはっきり「下手」と言われたことで吹っ切れ、さらに「改めて、一からお芝居の仕方を教えてもらったんです。それまで、こうじゃない、こうじゃないと思いながらも人から教わることもなく、研究はしていたけど、ずっと自己流だったので。お芝居というものを改めて教わって、すごくやりやすくなったんです。自分には才能がなかったんだな、というのを知ると同時に、才能がなくても知識と経験を蓄えればできることなんだ、というがわかったことで、自信がどんどん培われていった」。それが、現場で周りを見る余裕につながった。

 橋本の話を聞いて是枝監督は「監督としては『下手だね』とは言いにくいけど、時に開眼につながることもあるんだね」と、感心。橋本は「下手と言われたくない人はそこまで。私はずっと言われたかった」と話していた。

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  • 「第35回東京国際映画祭」交流ラウンジに登場した橋本愛 (C)ORICON NewS inc.
  • 「第35回東京国際映画祭」交流ラウンジに登場した(左から)是枝裕和監督、橋本愛 (C)ORICON NewS inc.
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