『ポセイドン・アドベンチャー』ほか数々の名作を生みだした小説家ポール・ギャリコの「ハリスおばさんパリへ行く」を、アカデミー賞ノミネート女優レスリー・マンヴィル主演で映画化した『ミセス・ハリス、パリへ行く』が11月18日より公開される。原作を以前に読んだことがあったという俳優の大竹しのぶのコメントが入った、同作の一端を垣間見ることができる映像が解禁となった。

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　舞台は 1950 年代、ロンドン。戦争で夫を亡くした家政婦ミセス・ハリス（レスリー・マンヴィル）は、ある日働き先で1枚の美しいドレスに出会う。それは、これまで聞いたこともなかった、ディオールのドレス。500ポンドもするというそのドレスに心を奪われた彼女はパリへディオールのドレスを買いに行くことを決意。新しい街、新しい出会い、そして新しい恋？　夢をあきらめなかった彼女に起きる、すてきな奇跡。いくつになっても夢を忘れない―見た人誰もがミセス・ハリスから勇気をもらえるハッピーストーリー。

　解禁となったのは、家政婦をしているハリスがディオールのドレスに心奪われる瞬間や、ファッションショーで美しいドレスに見惚れる場面、「ミス　ディオール」と呼ばれるドレスからインスピレーションを受けて作られた「ヴィーナス」という鮮やかなグリーンのドレスに身を包み、まるで少女のように喜ぶ微笑ましい姿など、見ているだけで幸せな気分にさせてくれるシーンとともに、大竹による「いくつになっても夢をあきらめないミセス・ハリスの姿が、もうほんとに可愛いらしいんです！　元気が出ます！」とナレーションが入る。短めの尺ながらもミセス・ハリスの飾り気の無いチャーミングな魅力が詰めこまれている。

　原作者のポール・ギャリコは世界中に多くのファンを持つ作家だが、大竹は原作本を山田洋次監督に薦められて20代のころに読んでおり、監督・脚本のアンソニー・ファビアンもファンでもあるそう。監督自身も少年時代をパリで過ごし、イギリスの寄宿学校で学んでことが、物語の中心にある両方の文化をスクリーンで表現することに大いに役立ったと言える。

　半世紀以上の時を経てポール・ギャリコによる1958年の小説「ハリスおばさんパリへ行く」が復刊し、角川文庫より発売された。原作ファンにとっても、当時の気持ちまで楽しめる映画となっている。

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