俳優の生田斗真が、富士山の銭湯壁画を背に、湯につかっている写真が公開された。自身が主演する映画『湯道』（2023年2月23日公開）の場面写真で、熱湯風呂に耐えているシーンを切り取ったもの。なお同映画は、「第42回ハワイ国際映画祭」（11月3日〜20日）でワールドプレミアを飾ることも発表された。

　日本の文化「お風呂」について精神や様式を突き詰める新たな道「湯道」を提唱した放送作家・小山薫堂が、構想約7年の歳月を経て、執筆した完全オリジナル脚本を、『HERO』『マスカレード』シリーズの鈴木雅之監督が映画化。

　亡き父の遺した古びた銭湯「まるきん温泉」を巡って反発し合う兄弟、事情を抱えつつ明るく働くヒロイン、まるで湯気のように立ち上り、湯のように流れていく常連客たち、そして、湯を通して人生の豊かさを見出す「湯道会館」の人々。お風呂を通してさまざまな人間模様を描く。

　そんな日本の文化「お風呂」を題材とした映画が、日本からの観光客や移住者も多いハワイで初上映されることに。ハワイ国際映画祭は、アジア、太平洋、北米地域間の新しい才能の発掘、キャリア開発の促進、そして映画芸術を通した文化的交流を目的に1981年に始まり、今年で42回目。世界中から5万人以上の映画ファンを集める、米国でも有数の映画祭の一つ。今年はリアルとオンラインの両方で開催され、オアフ島では11月3日〜13日、ハワイ島、マウイ島、カウアイ島では17日〜20日に開催される予定だ。

　『湯道』は、日本発の注目作を集めた「Spotlight on Japan部門」で正式上映されることが決定。ほかに、『シン・ウルトラマン』『余命10年』『Plan 75』など、計16作品が上映予定となっている。過去に、鈴木監督の『マスカレード・ホテル』（2019年）が上映されたことがある。

　ハワイ国際映画祭での公式上映決定に、主演の生田は、「アロハ〜！　映画『湯道』がハワイ国際映画祭にて上映される事となりました。あったか〜い場所でこの映画を観て、さらにあったか〜くなっていただける事とても楽しみです！　映画を通して海外の皆さんにもお風呂の魅力を知っていただきたいです。っていうかハワイ行きたいな。ハワイでお風呂入って、ココナッツミルクグビグビ飲みたいな。」と、コメントを寄せている。

　ハワイ映画祭プログラムディレクターのAnna Page氏による、選出理由を含むコメントは以下のとおり。

　「映画『湯道 YUDO』は日本の銭湯への愛情を込めて作られた讃歌です。お風呂といえばシャワーで済ませる事しか知らない人には広々とした浴槽に全身を委ねる心地よさは想像を遥かに越えたものとなるでしょう。

　熟練の手によりコメディとドラマが融合されたストーリーは鈴木雅之監督による演出で（オールスターキャストの）人と人とのつながりが豊かなコミュニティを形成する、単なるお風呂大好き映画を超越し心の通う領域にまで到達しているかの様です。

　ハワイがようやく新型コロナの感染拡大から収束への道を歩みだし、再出発を図ろうとするこの時期に、本作の軽快で心地よい雰囲気は、私たちがもう少しゆったりと暮らす事、「家」と呼べる場所がある事に感謝する事、の大切さを改めて想起させてくれます」

■ハワイ国際映画祭スケジュール（現地時間）
11月3日（木）後7：00　Consolidated Ward 16＠オアフ島（Opening Night Filmとして上映）
11月7日（月）後8:15　Consolidated Theater Kahara＠オアフ島
11月18日（金）後6:00　Waimea Theater＠カウアイ島
11月20日（日）後7:30　Hiro Place Theater＠ハワイ島