海外旅行ガイドブックのパイオニア「地球の歩き方」シリーズ。渡航経験がある人であれば、クリーム色の表紙に名所のイラストが描かれた同書を、一度は手にしたことがあるのではないだろうか。新型コロナウイルス感染拡大で、海外旅行はおろか国内旅行も難しくなった20年春、旅行ガイドブックの売上は一気に減少した。それは同書も例外ではなく、売上はコロナ前の9割減にまで落ち込むピンチを迎えていた。そんな中で刊行した『世界244の国と地域』(20年7月)、『地球の歩き方 東京』(20年9月)がスマッシュヒット。その後も、図鑑シリーズにコラボ本と次々に話題作を連発する快進撃を見せている。鮮やかな発想の転換と、遊び心で逆境を乗り切る編集室は、コロナ禍をいかに歩いてきたのか。
■かつてない情報量のガイドブック誕生 『地球の歩き方 日本』で日本再発見
まさに満を持してと言うべきか。79年の創刊以来、約160の国と地域を網羅してきた「地球の歩き方」が、今年9月に『地球の歩き方 日本』を発売した。47都道府県を網羅するという、あるようでなかった本書は、シリーズ最多の1056ページ、重さは956グラムと、ガイドブックとしてはおよそ持ち歩きには適さないサイズなのだが、各地の地理から歴史、文化もしっかりおさえた内容から、“日本を再発見できる読み物”として、旅好き、歴史好きの心をがっちりつかみ大反響を呼んでいる。発売から1ヶ月に満たない中で、500通を超える読者アンケートが編集室に寄せられたのはその証だ。
巻頭の企画ページは、歌川広重の浮世絵とともに東海道の今と昔をたどる「東海道五拾三次」と、日本を鉄道で縦断する16泊17日プラン「西大山から稚内へ」を掲載。後者は現在の鉄道ダイヤで実現できる行程とともに、各地の歴史や文化が紹介された、制作者の“本気”がうかがえる内容に仕上がっている。そのほかにも、温泉や城、古墳、焼き物などを、他のガイドブックではあまり目にすることのない切り口で紹介したテーマ特集も組まれている。
本文の都道府県別ページのボリュームはほぼ均等で、イベントや名物グルメ、旅のモデルルートから方言に至るまで、実に多様な情報が紹介されている。これぞ「地球の歩き方」の真骨頂といった構成となっており、担当プロデューサーの清水裕里子氏曰く「日本事典のような内容になった」というのもうなずける。しかし、やはりページには限りがある。「載せたいものはたくさんあり、情報をそぎ落としていく作業が本当に大変でした。さまざまなご意見があると思いますが、なぜこれを取り上げたのか、いろいろ想像しながら突っ込みを入れつつ楽しんで読んでほしい」と語る。
同社では通常、ガイドブック1冊を1人で担当する。しかし、本書の制作にあたっては、尋常ではないページ数ということもあり、メイン担当はいるものの編集室のスタッフ全員が制作に参加。これも、これまでありそうでなかった経験であり「編集室にとっても新鮮で思い出深いガイドブックになった」と清水氏は感慨深げだ。
そう思うのには訳がある。コロナ真っただ中の20年11月、「地球の歩き方」は同シリーズを発行してきた「ダイヤモンド・ビッグ社」から他社への譲渡を言い渡されたのだ。引き継いだのは「学研」グループで、翌21年1月には新会社「地球の歩き方」として始動することになる。その間にスタッフは半数以下の12名となり、再起を図るには厳しい船出となった。
まず急ピッチで行ったのが、自分たちの強みを再確認する作業だったと、清水氏は当時を振り返る。「もちろん皆、理解していましたが、言語化することによって改めて全員にしっかり浸透したと思います」。同年3月からは“地球の歩き方らしく”を念頭に「旅の図鑑シリーズ」の拡充をスタート。世界のグルメや奇岩・巨岩、巨像など、テーマを横串に通して、網羅的にまとめたシリーズで、前年7月に「東京2020」に合わせて刊行した『世界244の国と地域』のヒットに手ごたえを感じてのことであった。
巻を重ねていくうちに、編集室の取組みの変化に気づいた読者が、「顧客の大部分を失った『地球の歩き方』が本気で生き残ろうとしている」とSNSに投稿。それを契機に「図鑑シリーズ」は一気に注目を集め、『世界のグルメ図鑑』(21年7月)はあっという間に重版がかかるヒットにつながった。
■会心の一撃『地球の歩き方ムー(異世界の歩き方)』異色のコラボ本が大好評
そんなチャレンジを続ける中で、編集室は会心の一撃を放つ。それが、ミステリー・マガジン『月刊ムー』とのコラボ本『地球の歩き方ムー(異世界の歩き方)』(22年2月)である。共に79年創刊のロングセラーブランドが、双方の視点で世界中の謎と不思議に満ちたスポットをめぐるという、パラレルワールド(同時並行世界)のガイドブックである。
例えば、エジプトの3大ピラミッドは、「地球の歩き方」目線では紀元前2500年頃に当時の王たちによって造られたものだが、「ムー」目線では、そのルーツは1万2000年以上前の海底に沈んだ幻のアトランティス大陸や宇宙にあると紹介。その強烈なギャップを1冊にまとめた大胆さが読者の好奇心をそそり、“リアルはもちろんだが妄想トリップも楽しめる”と発売当初から完売が続出。すでに8刷13万部を突破する人気ぶりだ。
このコラボ企画は、新たに「地球の歩き方」社に就任した新井邦弘社長が、『月刊ムー』編集部に在籍経験があったこともあり、トントン拍子に進んだという。「これは運命だと思った」とは、もともとムー的なミステリーに関心があった担当プロデューサーの池田祐子氏。
「取材の過程で各地の不思議な面白い話を耳にしても、ガイドブックに盛り込めないことも多かったので、それが紹介できるとあって、私はもちろんですが、編集室のスタッフも一気にムー民化。自由なガイドブックを作ることができました」
お土産ページに掲載されている、世界の不思議グッズは全てスタッフの私物だという。そういった熱量の高さは同書のすみずみからうかがえ、かつての読者の掘り起こしに成功しただけでなく、小学生や20代女性といった両ブランドにとって新たな読者層の獲得にもつながった。
「発売の半年くらい前からSNSを使って告知し、表紙候補の投票を行ったり、不思議体験談を募集したりしていました。参加された双方の読者が本を購入し、SNSで感想を投稿してくださったことで、新たな読者層にもリーチしたようです。もともと『ムー』に興味があった人も、『地球の歩き方』というオブラートに包まれているので、安心して購入できるのかもしれません」(池田氏)
シリーズ化を熱望する声も挙がっており、現在、池田氏の目は国内のパラレルワールドに向けられているようだ。
■「ジョジョ」ファンだけでなく旅人からも大反響『地球の歩き方JOJOジョジョの奇妙な冒険』快進撃
今年7月には新たなコラボ本『地球の歩き方JOJOジョジョの奇妙な冒険』が発売された。“ジョジョ”というあだ名をもつ主人公と仲間たちの冒険を描いた、大ヒットコミック『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦/集英社)の35周年を記念して制作された同書は、発売から3ヶ月余りで17万部を売り上げる快進撃となっている。
物語の舞台となった場所、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、そして日本(杜王町のモデル・宮城県仙台市)を、「地球の歩き方」が徹底的に紹介。ストーリー内での旅の足跡をたどりながら、コマとセリフの引用によって作中に登場する名所を解説する、究極の「ジョジョの聖地巡礼ガイド」である。
「子供の頃から同コミックのファンだった」という担当プロデューサーの由良暁世氏は、「コミックには、実在する世界の名所やスポットがたくさん登場しています。そういった場所を『地球の歩き方』らしく、歴史や文化も交えて紹介すれば、より『ジョジョ』の世界に浸れ、かつ奥行きも増すのではないかと考えました」と企画意図を語る。
物語に登場する場所だけでなく、周辺の観光地や名物、旅の雑学に加え、荒木氏が描く上で実際に訪れた取材旅行の思い出なども掲載されている。制作する過程で、物語と旅情報の配分に悩んだということだが、驚くほどの濃い内容に、ジョジョファンには「もう一度マンガを読み直したくなる」、読んだことがない人からは「マンガを読んでみたくなった」という声が挙がっており、コラボ本ならではの相乗効果を肌で感じているという。
また、コロナが収まったら本書を手に旅に出てほしいという思いから、由良氏は土地勘が得られるようにと交通の所要時間や地図にもこだわった。「第3部の香港からエジプトまでのルートを今に再現した『スターダストクルセイダース旅プラン』はどうしても入れたいページでした。物語に登場する場所を楽しみながら、最短何日で行けるのか、どんなルートになるか試したものなので、是非、参考にしてほしい」。旅のモデルプランは「地球の歩き方」の定番だが、コロナ禍の今、実現可能なプランを策定しているのは、まさに旅のプロの面目躍如といったところだろう。
■ガイドブックながら人間味も感じられる「地球の歩き方」の温もり
上記3冊を含め、同社の出版物には、徹底して「地球の歩き方」らしさが貫かれている。それは、可能な限り多くのスポットやモノを、歴史や文化も交えて網羅的に紹介すること。そして、トレンドに左右されず、古くから愛されているものを取り上げる、というもの。異国を旅するということは、その国・地域を理解することでもある。旅の実用書として、44年にわたって多くの旅人に寄り添ってきたブランドの根幹と言うべきものだ。
加えてそこに、長年培われてきた同書の“遊び心”が加わると、俄然「地球の歩き方」らしさが増してくる。それは、同書の十八番と言うべき、雑学や口コミの数々であり、文章からそこはかとなくにじみ出る、温もりのある表現とでも言えばいいだろうか。旅行ガイドブックではあるものの、読んでいてそんな人間味も感じられる「地球の歩き方」だからこそ、親しみを覚えている読者も多いようだ。それが、コロナ禍の編集室に対する応援につながり、果てはヒット作の創出を後押ししたのではないだろうか。
旅図鑑シリーズは今年中に約30冊を刊行する予定となっており、ガイドブックは今後国内シリーズを拡充。それと並行して、海外ガイドブックの改訂も始まっており、8月には2年ぶりにハワイとニューヨーク、9月にオーストラリアを発売。1年で40〜50冊の刊行を目指しているという。この2年余り、ピンチをチャンスに変えて、走り続けてきた「地球の歩き方」。次はどんな旅を提案してくれるのか、楽しみに待ちたい。
文・葛城博子
■かつてない情報量のガイドブック誕生 『地球の歩き方 日本』で日本再発見
まさに満を持してと言うべきか。79年の創刊以来、約160の国と地域を網羅してきた「地球の歩き方」が、今年9月に『地球の歩き方 日本』を発売した。47都道府県を網羅するという、あるようでなかった本書は、シリーズ最多の1056ページ、重さは956グラムと、ガイドブックとしてはおよそ持ち歩きには適さないサイズなのだが、各地の地理から歴史、文化もしっかりおさえた内容から、“日本を再発見できる読み物”として、旅好き、歴史好きの心をがっちりつかみ大反響を呼んでいる。発売から1ヶ月に満たない中で、500通を超える読者アンケートが編集室に寄せられたのはその証だ。
巻頭の企画ページは、歌川広重の浮世絵とともに東海道の今と昔をたどる「東海道五拾三次」と、日本を鉄道で縦断する16泊17日プラン「西大山から稚内へ」を掲載。後者は現在の鉄道ダイヤで実現できる行程とともに、各地の歴史や文化が紹介された、制作者の“本気”がうかがえる内容に仕上がっている。そのほかにも、温泉や城、古墳、焼き物などを、他のガイドブックではあまり目にすることのない切り口で紹介したテーマ特集も組まれている。
同社では通常、ガイドブック1冊を1人で担当する。しかし、本書の制作にあたっては、尋常ではないページ数ということもあり、メイン担当はいるものの編集室のスタッフ全員が制作に参加。これも、これまでありそうでなかった経験であり「編集室にとっても新鮮で思い出深いガイドブックになった」と清水氏は感慨深げだ。
そう思うのには訳がある。コロナ真っただ中の20年11月、「地球の歩き方」は同シリーズを発行してきた「ダイヤモンド・ビッグ社」から他社への譲渡を言い渡されたのだ。引き継いだのは「学研」グループで、翌21年1月には新会社「地球の歩き方」として始動することになる。その間にスタッフは半数以下の12名となり、再起を図るには厳しい船出となった。
まず急ピッチで行ったのが、自分たちの強みを再確認する作業だったと、清水氏は当時を振り返る。「もちろん皆、理解していましたが、言語化することによって改めて全員にしっかり浸透したと思います」。同年3月からは“地球の歩き方らしく”を念頭に「旅の図鑑シリーズ」の拡充をスタート。世界のグルメや奇岩・巨岩、巨像など、テーマを横串に通して、網羅的にまとめたシリーズで、前年7月に「東京2020」に合わせて刊行した『世界244の国と地域』のヒットに手ごたえを感じてのことであった。
巻を重ねていくうちに、編集室の取組みの変化に気づいた読者が、「顧客の大部分を失った『地球の歩き方』が本気で生き残ろうとしている」とSNSに投稿。それを契機に「図鑑シリーズ」は一気に注目を集め、『世界のグルメ図鑑』(21年7月)はあっという間に重版がかかるヒットにつながった。
■会心の一撃『地球の歩き方ムー(異世界の歩き方)』異色のコラボ本が大好評
そんなチャレンジを続ける中で、編集室は会心の一撃を放つ。それが、ミステリー・マガジン『月刊ムー』とのコラボ本『地球の歩き方ムー(異世界の歩き方)』(22年2月)である。共に79年創刊のロングセラーブランドが、双方の視点で世界中の謎と不思議に満ちたスポットをめぐるという、パラレルワールド(同時並行世界)のガイドブックである。
例えば、エジプトの3大ピラミッドは、「地球の歩き方」目線では紀元前2500年頃に当時の王たちによって造られたものだが、「ムー」目線では、そのルーツは1万2000年以上前の海底に沈んだ幻のアトランティス大陸や宇宙にあると紹介。その強烈なギャップを1冊にまとめた大胆さが読者の好奇心をそそり、“リアルはもちろんだが妄想トリップも楽しめる”と発売当初から完売が続出。すでに8刷13万部を突破する人気ぶりだ。
このコラボ企画は、新たに「地球の歩き方」社に就任した新井邦弘社長が、『月刊ムー』編集部に在籍経験があったこともあり、トントン拍子に進んだという。「これは運命だと思った」とは、もともとムー的なミステリーに関心があった担当プロデューサーの池田祐子氏。
「取材の過程で各地の不思議な面白い話を耳にしても、ガイドブックに盛り込めないことも多かったので、それが紹介できるとあって、私はもちろんですが、編集室のスタッフも一気にムー民化。自由なガイドブックを作ることができました」
お土産ページに掲載されている、世界の不思議グッズは全てスタッフの私物だという。そういった熱量の高さは同書のすみずみからうかがえ、かつての読者の掘り起こしに成功しただけでなく、小学生や20代女性といった両ブランドにとって新たな読者層の獲得にもつながった。
「発売の半年くらい前からSNSを使って告知し、表紙候補の投票を行ったり、不思議体験談を募集したりしていました。参加された双方の読者が本を購入し、SNSで感想を投稿してくださったことで、新たな読者層にもリーチしたようです。もともと『ムー』に興味があった人も、『地球の歩き方』というオブラートに包まれているので、安心して購入できるのかもしれません」(池田氏)
シリーズ化を熱望する声も挙がっており、現在、池田氏の目は国内のパラレルワールドに向けられているようだ。
■「ジョジョ」ファンだけでなく旅人からも大反響『地球の歩き方JOJOジョジョの奇妙な冒険』快進撃
今年7月には新たなコラボ本『地球の歩き方JOJOジョジョの奇妙な冒険』が発売された。“ジョジョ”というあだ名をもつ主人公と仲間たちの冒険を描いた、大ヒットコミック『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦/集英社)の35周年を記念して制作された同書は、発売から3ヶ月余りで17万部を売り上げる快進撃となっている。
物語の舞台となった場所、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、そして日本(杜王町のモデル・宮城県仙台市)を、「地球の歩き方」が徹底的に紹介。ストーリー内での旅の足跡をたどりながら、コマとセリフの引用によって作中に登場する名所を解説する、究極の「ジョジョの聖地巡礼ガイド」である。
「子供の頃から同コミックのファンだった」という担当プロデューサーの由良暁世氏は、「コミックには、実在する世界の名所やスポットがたくさん登場しています。そういった場所を『地球の歩き方』らしく、歴史や文化も交えて紹介すれば、より『ジョジョ』の世界に浸れ、かつ奥行きも増すのではないかと考えました」と企画意図を語る。
物語に登場する場所だけでなく、周辺の観光地や名物、旅の雑学に加え、荒木氏が描く上で実際に訪れた取材旅行の思い出なども掲載されている。制作する過程で、物語と旅情報の配分に悩んだということだが、驚くほどの濃い内容に、ジョジョファンには「もう一度マンガを読み直したくなる」、読んだことがない人からは「マンガを読んでみたくなった」という声が挙がっており、コラボ本ならではの相乗効果を肌で感じているという。
また、コロナが収まったら本書を手に旅に出てほしいという思いから、由良氏は土地勘が得られるようにと交通の所要時間や地図にもこだわった。「第3部の香港からエジプトまでのルートを今に再現した『スターダストクルセイダース旅プラン』はどうしても入れたいページでした。物語に登場する場所を楽しみながら、最短何日で行けるのか、どんなルートになるか試したものなので、是非、参考にしてほしい」。旅のモデルプランは「地球の歩き方」の定番だが、コロナ禍の今、実現可能なプランを策定しているのは、まさに旅のプロの面目躍如といったところだろう。
■ガイドブックながら人間味も感じられる「地球の歩き方」の温もり
上記3冊を含め、同社の出版物には、徹底して「地球の歩き方」らしさが貫かれている。それは、可能な限り多くのスポットやモノを、歴史や文化も交えて網羅的に紹介すること。そして、トレンドに左右されず、古くから愛されているものを取り上げる、というもの。異国を旅するということは、その国・地域を理解することでもある。旅の実用書として、44年にわたって多くの旅人に寄り添ってきたブランドの根幹と言うべきものだ。
加えてそこに、長年培われてきた同書の“遊び心”が加わると、俄然「地球の歩き方」らしさが増してくる。それは、同書の十八番と言うべき、雑学や口コミの数々であり、文章からそこはかとなくにじみ出る、温もりのある表現とでも言えばいいだろうか。旅行ガイドブックではあるものの、読んでいてそんな人間味も感じられる「地球の歩き方」だからこそ、親しみを覚えている読者も多いようだ。それが、コロナ禍の編集室に対する応援につながり、果てはヒット作の創出を後押ししたのではないだろうか。
旅図鑑シリーズは今年中に約30冊を刊行する予定となっており、ガイドブックは今後国内シリーズを拡充。それと並行して、海外ガイドブックの改訂も始まっており、8月には2年ぶりにハワイとニューヨーク、9月にオーストラリアを発売。1年で40〜50冊の刊行を目指しているという。この2年余り、ピンチをチャンスに変えて、走り続けてきた「地球の歩き方」。次はどんな旅を提案してくれるのか、楽しみに待ちたい。
文・葛城博子
2022/10/24