韓国で開催されていた「第27回釜山国際映画祭」(10月5日〜14日)のクロージング作品として、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝らが出演する日本映画『ある男』が上映され、約5000人の観客から拍手喝采を受けた。 14日夜のクロージング上映に先立ち、釜山市内で韓国メディアに向けた記者会見で石川慶監督は「釜山(映画祭)は我々アジアのフィルムメーカーにとって夢のような場所。そのクロージングに選んでいただけて光栄」とコメント。 今回で映画祭への参加が3回目となる妻夫木は、「釜山の人たちはいつも温かく迎えてくれ、そして映画をとても愛していると肌で感じます」と印象を語った。 その後、4人は映画祭メイン会場に移動。レッドカーペットに迎えられた。クロージングセレモニー(閉幕式)で、各部門の表彰が行われた後、クロージング作品として『ある男』が紹介され、キャストと監督が舞台上に登壇。妻夫木は、「こんにちは、妻夫木聡です。お会いできてうれしいです」と、韓国語であいさつすると、会場からは大きな拍手と歓声が上がった。 クロージング作品に選ばれた気持ちを問われると、「言葉が通じなくても映画というもので世界はひとつになれるという素晴らしさを教えてくれたのが釜山(映画祭)でした。今回、『ある男』でまたここに来れたことをとてもうれしく思います」と、妻夫木。これから本編が上映される会場に向けて安藤は「釜山の皆さんがどのように受け止めるのか、興味深く楽しみです」と期待を述べ、窪田も「少しでもたくさんの人に、皆さんの胸に、届いてくれたうれしいです」と語った。 最後に監督が「本作は日本社会が抱える問題を描いていますが、同時に世界にも共通するテーマだと思うので、映画を楽しんでいただきたい」と締めくくり、会場からは再び大きな拍手が沸き上がった。 映画『ある男』は、平野啓一郎の同名小説が原作。弁護士の城戸(妻夫木)が、「大祐」(窪田)と名乗っていた“ある男”の正体を追う物語。離婚を経て、子どもを連れて故郷に戻り、「大祐」と再婚した里枝(安藤)は、新たに生まれた子どもと4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日「大祐」が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみ暮れる中、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が法要に訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。愛したはずの夫「大祐」は、名前もわからないまったくの別人だったのだ…。里枝は亡くなった夫「大祐」の身元調査を城戸に依頼。城戸は“真実”に近づくにつれ、別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく――。同映画は、11月18日より全国公開される。
2022/10/15
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