米カリフォルニア州アナハイム・コンベンション・センターで現地時間9日から開催中のディズニーファンイベント「D23 Expo」で、恒例の「ディズニー・レジェンド・アワード」授賞式が行われた。ディズニーのレガシーに多大な貢献をした人物を表彰するもの。今回、2020年8月に43歳の若さで亡くなった、マーベル・スタジオ映画『ブラックパンサー』で知られるチャドウィック・ボーズマンがディズニー・レジェンド入りを果たした。

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　授賞式には、チャドウィックに代わり、兄で牧師のデリック・ボーズマンが登壇。会場には、両親、デリック氏の妻と息子の一人、従姉妹が２人、チャドウィックさんの妻シモーネ・レッドワードも勢ぞろいして、セレモニーを見届けた。

　デリックは授賞式のスピーチで、「私の弟と、彼に授けられるこの名誉のことを考えると、まず彼がまだ生きていたらよかったのにと思います。彼がここに居ないということは、私の家族全員にとって計り知れない心痛になっています」と追悼。

　「最後の契約書を除いて、署名した契約書は全て履行してきたということに思いを馳せるのです。しかし、彼は、血と汗と涙をもってそのような事を守っていたのです。彼は、キモセラピーを受けながらあのような役を演じていたのです。彼が演じた役の中には、身体を使う役もありました」と、生前のチャドウィックを振り返った。

　チャドウィックは、映画『42〜世界を変えた男』（2013年）で大リーグのジャッキー・ロビンソン選手を演じて一躍名をあげ、その後ディズニー配給のMCU（マーベル・シネマティック・ユニバース）映画『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』（16年）で、ブラックパンサー役に抜てき。主演した映画『ブラックパンサー』（18年）は当時、米国内の興行収入記録で歴代3位に昇るヒットとなり、マーベル初の作品賞ノミネートを含め、7つのアカデミー賞ノミネートを受けた。『アベンジャーズ／エンドゲーム』（19年）にも出演。『ブラックパンサー』の続編への出演も決まっていた（その続編は代役を立てず、『ブラックパンサー／ワカンダ・フォーエバー』として今年11月11日に日米同時公開される）。

　また、今月3日に発表された、クリエイティブ・アーツ・エミー賞でも、チャドウィックが声の出演をしたDisney+（ディズニープラス）オリジナル、マーベル・スタジオのアニメシリーズ『What If…?』（21年）が、ボイスオーバー・パフォーマンス賞を受賞している。

　ほかに、映画『21ブリッジ』（19年）が最後の劇場公開主演&プロデュース作品となり、Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』（20年）で「第93回アカデミー賞」主演男優賞にノミネートされた。

　さらに、デリックは「チャドは素晴らしい人でした。彼が表彰されるということには全く驚きませんでした。子どもの時から亡くなるまでずっと、高く評価され表彰されてきた人でしたから。彼は、彼の妻にも尊敬の念を抱いていました。彼は、最後の日々においてさえ非常に強靭で、亡くなる6日前に、自分の約束を守って彼女と結婚したのです」と、チャドウィックさんとシモーネの結婚エピソードにも言及。

　「私の弟を表彰してくださって、ありがとうございます。チャドはこれからもずっと皆さんのことを愛していくでしょう」と、感謝の言葉を語っていた。

　今回の「ディズニー・レジェンド・アワード」では、チャドウィックさんのほかに、アンソニー・アンダーソン、クリスティン・ベル、ロブ・コルトリン、パトリック・デンプシー、ロバート・プライス “ボブ”・フォスター、ジョナサン・グロフ、ドン・ハーン、ジョシュ・ギャッド、ドリス・ハードーン、イディナ・メンゼル、クリス・モンタン、エレン・ポンピオ、トレイシー・エリス・ロスの計14人が受賞した。