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岡田准一&MIYAVI、「興奮」する瞬間 映画『ヘルドッグス』での性を超えた“愛”の表現を語る

 名匠・原田眞人監督と岡田准一(41)が、映画『関ヶ原』『燃えよ剣』に続き3度目のタッグを組んだノンストップ・クライム・エンターテインメント映画『ヘルドッグス』。岡田は主演を務めるだけではなく、技闘デザイン(アクション振り付け)も担当し、各キャストの殺陣の振り付けも行った。なかでも、岡田演じる元警官・兼高昭吾が極秘の潜入捜査として護衛するヤクザ組織の会長・十朱義孝に扮するMIYAVI(40)との関係性は、ミステリアスかつスリリングで、アクションシーンもさまざまな感情を想起させられるほど、手に汗を握る。そんな岡田とMIYAVIが「エキサイティングだった」という撮影を振り返った。

(C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会 配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 

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■兼高と十朱の関係性は、“愛し合うような距離感”だった

 過去2度タッグを組んでいる原田監督から、正式なオファーの前に本作の企画の話を聞いていたという岡田。「まだやりますって言っていなかったんですけれど、なんとなくお話を伺っていたんですよ」と岡田は笑うが、原田監督の熱量は確実に岡田の好奇心をくすぐっていったようだ。

(C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会 配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 

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 岡田は原田監督について「主演としては、監督の理解者でいたいという思いが強いのですが、すべてを理解できるわけではないじゃないですか」とつぶやくと、続けて「原田監督は感覚的な方なんです。その断片的なワードからイメージして、殺陣を作っていく作業は大変なのですが、それがまたおもしろいんです」と病みつきになる楽しさがあると目を輝かせた。

 そんな原田監督から言われていたのが、兼高と十朱の関係性だ。「この作品のキャッチコピーで坂口(健太郎)さん演じる室岡と兼高の相性が98%とありますが、実はMIYAVIさん演じる十朱とは“愛し合うような距離感で”というオーダーがあったんです」と岡田。2人の対峙するシーンは、ある種男女が愛し合うような濃密なアクションシーンが要求されたという。

 非常に難解な関係性とも言えるが、十朱という役でオファーを受けたMIYAVIは「僕自身の印象は、そもそも“ヤクザの親分です!”という感じじゃないじゃないですか。なので、まずはお話だけでもと思って(配給先の)東映に行ったら、会議室に原田監督含めて、お偉いさんがたくさん並んでいた(笑)。いきなり面接のような雰囲気で(笑)。でも、話を聞いているうちに、俗にいうヤクザものの世界観ではなく、美しくも暴力的でアーティスティックな作品にしたいという原田監督の熱量とパッションに僕自身もワクワクさせられて、『ぜひ』とお受けさせていただきました」と経緯を説明する。

(C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会 配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 

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■MIYAVIから見た岡田「音楽番組とはまた違った姿」

 「愛し合うような」というテーマで対峙した岡田とMIYAVI。岡田は「原田監督からMIYAVIさんは蹴りがうまいから、それはしっかり入れてほしいとリクエストがありました」と裏話を披露すると「そのオーダーは物理的なものだったのですが、それ以外に話を聞いていると、原田監督は内臓に手を突っ込み合うような、共鳴し合う愛なのか、敵なのかという紙一重の部分を描きたいという思いがあると感じたんです」と自身の解釈を述べた。

MIYAVIと対峙するシーンでは、こういった監督の意思を反映して殺陣を構築した岡田。実際MIYAVIと顔を突き合わせて芝居をした岡田は「愛が深いシーンでしたし、MIYAVIさんは同世代であり、尊敬できる方なので、ものすごく楽しかった」と興奮気味に話すと、MIYAVIも「僕もアクションに関しては特にいろいろ勉強させていただきました」と胸の内を明かす。

 「岡田くんの役者魂というか、俳優としての職人気質な立ち振る舞いには、現場でかなり影響を受けました。本当に武術家レベルのこだわりがある。以前、音楽番組で共演させてもらったことがあるんですが、そのときとはまた違った顔で。自分もアーティストとして音楽や表現を突き詰めるときの熱量や、姿勢の美しさみたいなものを追求しているのですが、それを彼のなかにも見ることができた。そんな突き詰める姿勢の美しさの融合みたいなものが、僕たちのクライマックスシーンには凝縮されていたような気がします」と撮影を振り返った。

(C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会 配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 

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 またMIYAVIは、原田組や岡田の現場での立ち振る舞いにも共鳴する部分が多かったという。「岡田くんは自分の出番以外でも、ずっと残ってほかの人のアクションをずっと見ていて『こうした方がいい』とアドバイスをしているんですよね。もちろん彼自身がそういった役割を担っているというのもありますが、やっぱりその作品作りに取り組む姿勢は、現場のスタッフや共演者にも伝染しますよね。みんな自然とがんばろうと思える」。

 ハードな男の世界を描きつつも、愛でつながる登場人物たち。ある意味で歪んだ愛情と矛盾に満ち溢れた世界観が、より鑑賞者の感情をくすぐる。岡田とMIYAVIという圧倒的な存在感を持つ俳優たちが、原田監督という名匠のもと、こうした矛盾だらけの愛をどう表現しているのか――じっくりとスクリーンで堪能したい。


取材・文/磯部正和

映画『ヘルドッグス』 9月16日(金)公開 出演:岡田准一 坂口健太郎 松岡茉優 ・ MIYAVI ・ 北村一輝 大竹しのぶ 金田 哲 木竜麻生 中島亜梨沙 杏子 大場泰正 吉原光夫 尾上右近 田中美央 村上 淳 酒向 芳 脚本・監督:原田眞人 (C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会 配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 

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