俳優の高橋英樹が、テレビ朝日系木曜ミステリー『遺留捜査』（毎週木曜　後8：00）第9話、最終話（9話：9月8日　最終話：15日）に出演することが決定した。主演の上川隆也とは、ドラマ初共演をはたす。

　最終章で糸村聡（上川）たちが挑むのは、神崎莉緒（栗山千明）と親交の深い後輩で、京都府警組織犯罪対策二課の刑事・氷室翔太（崎山つばさ）が殺害された事件。氷室は、インサイダー情報を不正売買しているダークウェブサイトの組織“土竜（もぐら）”を追っていたことが判明。さらに氷室は過去の“ある事件”の捜査資料を頻繁に閲覧していたこともわかる。2つの事件には、いったいどんな関わりがあるのか。そんな中、糸村は氷室が所持していた“金のチェーン”が気にかかるも、それが何なのか見当もつかず…。

　高橋が演じるのは、捜査の途中で浮かび上がってきた病院長・物部泰弘。大病院を束ねる要職にありながらどんな患者にもやさしく接する人格者だが、時折見せる険しい顔は何かを隠しているよう。まさに底の知れない、物語の鍵を握る最重要人物を熱演する。

　芸歴60年超の高橋は、テレビ朝日で『遠山の金さん』シリーズ（1982年〜86年）、『三匹が斬る！』シリーズ（87年〜95年）などの時代劇や人気シリーズ『西村京太郎トラベルミステリー』で主演を務め、木曜ドラマ『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜』（2018年）でも、その存在感を大いに示してきたが、『木曜ミステリー』への登場は初めて。

　歴史ある枠のファイナルを飾る『遺留捜査』最終章のオファーに、高橋は「『やっと来ましたか！』と思いました（笑）」と、笑顔で快諾。「ぜひ、出演をと思い、『何とかお役に立てれば！』と一生懸命演じました」と、歴代作品へのリスペクトを胸に演じたことを明かした。

　上川とドラマで初めて共演した高橋は以前、自身のブログで『大地の子』（95年　NHK）の上川の熱演に感動したことをつづっており、「前々から、彼の活躍を拝見しておりました」と上川に注目していたといい、今回念願の芝居合戦に臨み、「長いセリフをスラスラとしっかり覚えて、スッと演じ切る。すごい役者です！」と瞠目（どうもく）していた。

　上川とは話も弾んだようで、「一緒に時代劇の撮影をしていた懐かしい仲間たちとも再会して、酷暑の中、撮影所の入り口で立ったまま撮影ギリギリまで楽しく話すことができました。途中で上川くんも参加して盛り上がりました！」と、スタッフを交えてドラマ、映画への思いを熱く語り合ったエピソードを語った。

　本作で演じる役柄について高橋は「私も初体験の役どころです！　どんでん、どんでんの犯人探しも面白い！」と語り、「充分にお楽しみになってください！」とメッセージを寄せた。

　一方、上川は「高橋さん御出演の一報を伺った時は、正直耳を疑いました」と感激しつつ、「演じて頂く役柄と照らし合わせた時“高橋さんがなさったなら、どれだけ面白くなるのだろう”とさまざまに思いをめぐらせました」と心境を告白。撮影では「高橋さんのたたずまいは。僕ごときの妄想をはるかに超えて、重厚な存在感の陰に憂いを隠した、繊細な『物部泰弘』氏を創出して下さいました。深い胸をお借りして思い切りお芝居ができた経験は大変勉強になりましたし、実に幸せな時間でした」と語った。

　また、上川は最終章に向けて、「いつもながらの『遺留捜査』として描きながらも、より複雑に絡まる因果関係が徐々に紐解かれていく『ミステリーの醍醐味』を一際味わって頂けると思います」とみどころをアピールした。