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「ガリガリすぎる」瀕死の子猫、行き倒れ寸前の老猫…「逝くな!」の声に奇跡の復活、幸せな姿に涙があふれる

 多頭飼育崩壊に病気、ケガ…。様々な要因で弱った猫の保護依頼が舞い込むNPO法人『ねこけん』。なかには、本当にギリギリの状態で運び込まれることも多いという。そうした猫たちも、適切な治療やボランティアメンバーの懸命なケアで、何度も命を救われ、幸せに巣立っていった。同法人の溝上奈緒子代表に聞いた、猫たちの九死に一生の物語を紹介する。

“差し押さえ物件”から保護されたときの『ミラクル太郎』(写真:ねこけんブログより)

“差し押さえ物件”から保護されたときの『ミラクル太郎』(写真:ねこけんブログより)

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■瀕死の状態から奇跡の復活、彼岸から引き戻した子猫の名は『ミラクル太郎』

 『ねこけん』に連絡をくれたのは、“差し押さえ”にあった物件から荷物などを預かる、強制執行補助業者だった。なんでも、翌日に取り壊しが迫った建物の中に、多くの猫たちがいるという。現地に向かうと、荒れ果てた建物の天井は落ち、床はベトベト。物が山のように折り重なる中で、多くの猫たちがうずくまっていた。その数、11匹の子猫、6匹の大人の猫。なかでも緊急を要したのが、目のつぶれそうな子猫たちだ。すでに前日には4匹の子猫が息を引き取っており、「この日に保護された子猫も、本当に死ぬ寸前の状態」だったという。

 そんな瀕死の子猫たちを保護し、車で事務所へと移動しながら応急処置を行う。目が塞がり失明の恐れがあるため、目薬を差して目の周りを消毒。なかでもとくに危険な状態だったのが、1匹の茶虎の子猫だ。

 「あまりにガリガリで軽く、毛はカッサカサに乾いていて…。正直、死んでいるようにしか見えませんでした。呼吸も浅く、鳴く力もなく、明らかに危険な状態。とにかく、『まだ逝くな! 逝かないで!』と声をかけ続け、ブドウ糖を飲ませて点滴もして。万が一肺に入ると死んでしまうため、ミルクはカテーテルで飲ませなくてはなりません。そのため、そのまま私が預かることになりました」

 これらの処置がなければ、「確実に三途の川を渡っていた」と思われた瀕死の子猫。代表の寝ずの看護の甲斐もあり、翌日にはなんと奇跡の復活を遂げた。そのエピソードにちなみ、子猫は『ミラクル太郎』と名付けられた。

 代表の家で暮らす様子は、ガリガリ、カサカサで瀕死だったときとは見違えるほど、ふわふわで可愛らしい。

 「本当に、奇跡の子と言えると思います。あの危険な状態から回復できた、それだけ生命力が強かったのだと思いますし、強運なのだと感じます」

ドロドロに汚れ、肉球を痛めていたピッピ(写真:ねこけんブログより)

ドロドロに汚れ、肉球を痛めていたピッピ(写真:ねこけんブログより)

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 もう一例、ドロドロに汚れきった状態で保護されたピッピは、10歳超えの高齢猫。だが、ピッピは出会った人たちに忘れられない幸せを残していった。ピッピを発見したのは、『ねこけん』とも縁の深い人。「うずくまって動けない猫がいる」と連絡をくれ、メンバーが保護に向かった。

 動けない猫の様子を見てみると、毛はボサボサでガリガリに痩せている。口からはヨダレをたらし、お尻のあたりはウンチやオシッコ、何かよくわからないもので大層汚れていた。

 「猫は本来きれい好きなんです。それがここまで汚れきってしまったのは、この猫の肉球が大変なことになっていたからだと思われます」

 実際、すぐに動物病院で診察してみると、肉球が破裂したようなひどい状態になっていることが判明。おそらく、アレルギー性のものだろうということだった。これでは、痛くて動けず、汚れてうずくまることしかできなかったこともうなづける。また、ヨダレをたらしていたのは、口腔内や唇が腫れあがり、歯もないから。ゴハンも痛くて飲み込むことができず、ガリガリに痩せてしまったのだろう。

 「肉球の状態は実はよくある症状。ビブラマイシンという薬を4週間ほど服用すれば、だいたいよくなります。ピッピはよく人馴れしていたので、飼い猫だったのかもしれません。もしかしたら、症状が出たせいで捨てられてしまった可能性もあります。薬さえ飲めば治ること、飼い主さんには知ってほしかったですね」

 こうして健康を取り戻し、ピッピと名付けられた猫。高齢ではあるものの、優しい家族とも出会うことができた。

 そんなピッピは、腎臓が悪くなり、5月に虹の橋へと旅立っていったという。つらい思いをしたこともあったピッピだが、最期は温かい人たちに囲まれ、幸せを感じていたことだろう。ピッピの家族は、「ピッピと出会わせていただき、ありがとうございました」と、「ピッピの猫生を託してくれてありがとうございます」と、感謝の言葉を告げたという。『ねこけん』ブログにも、「幸せになることに、年齢は関係ない!」と、思いが綴られていた。

関連写真

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