ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

山を愛したある登山家の25年の生涯が刻まれたドキュメンタリー『アルピニスト』

 あす8月11日は、国民の祝日「山の日」。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨とした日にあわせて、ある登山家のドキュメンタリー映画を紹介。7月8日より劇場公開中の『アルピニスト』だ。

マーク・アンドレ・ルクレール=ドキュメンタリー映画『アルピニスト』(公開中) (C)2021 Red Bull Media House. All Rights Reserved.

マーク・アンドレ・ルクレール=ドキュメンタリー映画『アルピニスト』(公開中) (C)2021 Red Bull Media House. All Rights Reserved.

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 同映画は、世界でも有数の岩壁や氷壁、数々の断崖絶壁を、命綱もつけず、たった独りで登る無謀なフリーソロという登山スタイルを貫いた天才アルピニスト、マーク・アンドレ・ルクレールの姿を収めたドキュメンタリー。

 百戦錬磨の「フリーソロ」クライマーたちの中でも、マークはひときわ捉えどころのない、異色の存在。誰もがひるむような過酷な岩と氷の絶壁を完登し、世界一過酷なルートといわれるコークスクリュー・ルートを単独で制覇するなど、比類なき快挙を成し遂げながらも、世間の注目を好まず、SNSでのアピールにまったく興味を示さなかったということもあり、その偉業を知る人はごくわずか。

 この登山界の輝ける天才がどのような人物だったのか、世間が知ることとなったのは、2018年3月にアラスカ州ジュノー北部で、マークがわずか25年という若さで生涯を終えた後のことだった。

 マークの訃報が届いた時、本作は完成直前の段階だったという。監督を務めたピーター・モーティマーとニック・ローゼンは、これまで数多くの登山にまつわるドキュメンタリー映画を製作してきた映像クリエーターであり、クライマーでもあった。マークの存在を知り、映画製作を目的とした撮影の許可を取り付け、およそ2年にわたってカメラを向け続けた。時に、撮影陣に知らせることなく、文字通り“単独”でマークが歴史的快挙を達成してしまうこともあったという。

 監督たちは映画制作をあきらめ、マークという青年の輝きに満ちた人生を悼む日々を送っていたという。だが時は過ぎ、マークの良き理解者である母親のミッシェルと恋人でありクライミングパートナーのブレットや周囲の人たちから、アルピニストとして生きた彼の思い出を残してほしいとの声を受けて、映画制作を再開。

 マークの好きなことへの情熱や不屈の精神、そして彼の愛した風景など、彼の遺したレガシーを映画に刻みつけ、それを観客と分かち合うにはどうしたら良いか、ということにも心を砕き、映画を完成させた。

 恋人のブレットも「フィルムに収められた映像記録の数々を見たらきっとエキサイトしたに違いない」とマークの思いを代弁する。そして「映画を観た人がマークのことを知り、彼の魂を感じてくれることを願っている」と期待を寄せていた。

 この機会に、知られざる天才クライマー、マーク・アンドレ・ルクレールの伝説を目撃し、山を愛した彼の生き様に思いを馳せてみてはどうか。

>このニュースの流れをチェック

  1. 1. 命綱なしで岩壁を登る、天才クライマーのドキュメンタリー本編映像解禁
  2. 2. 映画『アルピニスト』猛暑をしばし忘れる 雪山で危険なクライミングを追体験
  3. 3. 孤高のアルピニストがドキュメンタリー制作を許可した理由「夢を与えられれば」
  4. 4. クライミング界に花咲く最強カップル、マーク&ブレットに注目
  5. 5. 『アルピニスト』学校になじめなかったマークを救った母親の決意
  6. 6. フリークライマー“世界のヒラヤマ”平山ユージ氏、ドキュメンタリー映画を撮影中と明かす
  7. 7. 山を愛したある登山家の25年の生涯が刻まれたドキュメンタリー『アルピニスト』

▼ その他の流れをもっと見る

関連写真

  • マーク・アンドレ・ルクレール=ドキュメンタリー映画『アルピニスト』(公開中) (C)2021 Red Bull Media House. All Rights Reserved.
  • ドキュメンタリー映画『アルピニスト』(公開中) (C)2021 Red Bull Media House. All Rights Reserved.

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索