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二宮和也、人生“迷子”の経験なし「総合的にめちゃくちゃいい人生」【インタビュー】

 歌手で俳優の二宮和也(39)が主演する映画『TANG タング』が11日公開を迎える。記憶をなくしたポンコツロボット“タング”と冒険を繰り広げる主人公・春日井健を演じている。“人生迷子”になるキャラクターながら、自身はその経験がないといい「総合的にめちゃくちゃいい人生」と胸を張る。そんな二宮の同作への役作り、そして、現在の仕事論に迫る。

映画『TANG タング』場面写真(C) 2022映画「TANG」製作委員会

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 同作はベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた、イギリスのハートウォーミング小説『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を実写化。ゲーム三昧で妻に家を追い出されたダメ男・健は、自宅の庭先で記憶をなくした迷子のロボット・タングと出会う。タングを調べてもらおうと考えた健はまず福岡へ。タングと旅をするうちに、タングの秘密が徐々に明かされていき、健自身も避け続けてきた現実と対面することとなる。ポンコツ同士のふたりが人生の宝物を探す感動ファンタジーだ。

■“ダメ男”を“愛すべきダメ男”へと変える絶妙なさじ加減

 の活動休止以来、初の映画出演となる同作オファーがあったのは2020年。「2020年は全部嵐のためにと思い、新しいオファーをすべてお断りしていたんです。ですが、今作を含めいくつかの作品で『待ちます』という話をいただきました。さすがに恐れ多いな、と思いましたが『待っているので気にせずに走りきって下さい』と、おっしゃっていただいて…。もしかしたら、ここに座っていたのは違う人だったかも(笑)感謝しかありません」と制作陣の熱い思いが結実し、二宮主演によって無事、完成した。

 “ダメ男”という役柄は自身とは「真逆」だという。「僕は合理的に、コストをかけずにいこうとずっと考えている人間。『うじうじしてるな〜(笑)』みたいに共感しながら観る方には、自分にも当てはまることがだいたいあるのかも?だからこそ、なかなか自分では言いにくい“嫌な部分”を可視化して、観てくださる方の多くの共感を、つかまなければいけない」。そこはさすがの二宮。そんな“ダメ男”も、絶妙なさじ加減でどこか憎めなさのある、“愛すべきダメ男”に仕上げている。

映画『TANG タング』場面写真(C) 2022映画「TANG」製作委員会

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 ロボットのタングはCGによって命を吹き込まれるが“実体”とも共演。意外にも「楽でした」という理由について「僕は自由に演らせていただきましたし、動物と演じる方が大変だと思います。ロボットはゲームと同じで右ボタンを押せば右に動くし、左を押せば左に動く。しかし、人間と演じるのはそうもいかない。あっちにも感情があって、こっちにも感情がある。稽古でどれだけぶつけるか、受け止めるか、それを常に考えることのほうが大変です」とする。

 「一人で演じるときは『僕はこういう動きをしているつもりで観ています』と、スタッフと共有しながら演じていました。でもやっぱり、京本(大我)くんや、奈緒ちゃんに会ったりするとやっぱり人間と話すのは楽しいなと思いました。『あ、今日は人間がいる日だ』って(笑)」と生身の役者との共演は良い気分転換にもなったようだ。

■“完成”や“反響”、“新しい仕事”…現在のモチベーションとなるもの

映画『TANG タング』場面写真(C) 2022映画「TANG」製作委員会

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 これまでの宣伝活動で、自身の人生の宝物は「仕事」だと答えてきた二宮。現在の原動力を聞くと「僕自身は“ひとりでも多くの人に届ける”というよりも、観てくれた人全員に満足してもらいたいんです。それがブレずにできていることが1番大きい。一般のお仕事と違うのは、観ていただけることと、観ていただいた方が満足した時に感想をどこかで言ってもらえること。YouTubeチャンネルなら、コメント欄はモチベーションになります。いいも悪いも含めて、反響を感じられる職業だったので助かっている」と明かす。

 「一般的なお仕事だったらどこまでモチベーションを感じられたのか、やりがいという点で僕は難しいんじゃないかなと思う。お芝居や例えば『24時間テレビ』が決まることもモチベーションになります。普通の人なら毎日、仕事があるのに、僕は新しい仕事が決まること自体も仕事になっている。“すごい”と“じゃあ、頑張ろう”が勝手に湧き出てくる。そこがモチベーションにつながっている」。

 一方で「映画などは僕自身が作っているわけでない、コマの一つとして現場にいる。大工さんみたいな気持ちなんです。出来上がった外側だけ、見れば満足。大工さんが住んでいる人に感想を聞かないのと同じで作ったらそこまで、ハイ、ここからは違う人のものだよって。ドラマとかバラエティーも同じかもしれません。責任者に、責任を持って仕上げてもらったものは、僕がコマのひとつとして、楽しんでくれたらいいな、という気持ちはありますけど、そこまで気にしてはいなかった。街を移動している時に『タング』の看板をみると誇らしくなる、みたいな感じです」と立場によって異なる原動力を得ている。

■夢をかなえる秘けつは“言い続けること”「一緒にかなえてくれる人が見つかるかも」

映画『TANG タング』場面写真(C) 2022映画「TANG」製作委員会

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 自分の進むべき道を見失い、妻からの信頼もなくなった健は“人生迷子”状態。「僕はありがたいことにいろんな方々にいろんなところに連れていってもらったので、悩んだり迷うことはなかったと思います。一人で生きていけないことは、十分染みてわかっているし、2020年にグループ休止するまで、グループの総意で動いていたので仮に誰かが悩んだり迷うことがあってもみんなで下した決断で進んで行った。そういう仕事をさせてくれる環境にいさせてもらったことは感謝です」とこれまでを振り返る。

 嵐として、個人としてたくさんの夢をかなえてきたが「言い続けることはいいこと。それこそ、スポーツ選手が金メダルを目指す時、それを見ていたどこかの人が『この人に金メダルを獲らせたい』とトレーニング場や器具を提供することもゼロではない。自分が働きかけなければいけない。自分がもし、夢をかなえようという人間だったら声高にさけんでいれば、一緒にかなえてくれる人が見つかるかもしれない」と力を込める。

 「僕はそこまで大きく夢を語ったことはないですが、かなう夢もかなわない夢もあった。だけど、総合的にめちゃめちゃいい人生。お前のかなわなかったという夢はすごい夢だったんだぞ、と。夢がかなったこと、うれしいことも、もちろん悲しいこともあったけれど、いい人生だったな、と感じます」。

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  • 映画『TANG タング』場面写真(C) 2022映画「TANG」製作委員会
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