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早川千絵監督『PLAN 75』、カンヌ国際映画祭で表彰 カメラドール スペシャル・メンション

 フランス現地時間28日に授賞式が行われた「第75回カンヌ国際映画祭」より、うれしい知らせが届いた。「ある視点」部門への正式出品された、倍賞千恵子主演、早川千絵監督の『PLAN 75』(6月17日公開)が、カメラドール スペシャル・メンションとして表彰されたのだ。緊張の面持ちで授賞式の舞台に上がった早川監督は「誰にとっても最初の一本目というのは思入れが深く、特別なものだと思うのですが、私にとっての特別で大切な一本目の映画をカンヌに呼んでいただき、評価してくださって本当にありがとうございます」と、感謝の言葉を伝えた。

「第75回カンヌ国際映画祭」レッドカーペット(左から)早川千絵監督、磯村勇斗(C) Kazuko WAKAYAMA

「第75回カンヌ国際映画祭」レッドカーペット(左から)早川千絵監督、磯村勇斗(C) Kazuko WAKAYAMA

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 カンヌ映画祭のカメラドールは、最も優れた処女作に贈られる、いわば新人監督賞に相当するもの。日本映画においては、1997年に河瀬直美監督が『萌の朱雀』でカメラドールを日本人監督として初受賞。次点に当たるスペシャルメンション(特別表彰)は早川監督が初めてで、25年ぶりに日本人の新人女性監督の作品がカンヌで注目を集めた。なお、今回、カメラドールを受賞したのは、エルヴィス・プレスリーの孫でもあるライリー・キーオ監督の『WAR PONY(原題)』。

 『PLAN 75』は、映画監督・是枝裕和が初めて総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇を新たに構築、キャストを一新して完成させた、早川監督のオリジナル脚本による、自身初の長編映画。少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本を舞台に、超高齢化社会に対応すべく、75歳以上が自ら生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻ろうされる人々の姿を描いた衝撃作。

 主演の倍賞、早川監督とともにカンヌ入りし、公式行事などに参加した磯村勇斗河合優実からの祝福のコメントは以下のとおり、

■倍賞千恵子(角谷ミチ役)のコメント

 おめでとうございます。この作品で「生きるということ」を優しく、力強く撮影していた日々が、昨日のことのように熱く蘇ってきました。サァーこれからもどんどん映画作ってくださいね。本当におめでとうございます。

■磯村勇斗(岡部ヒロム役)のコメント

 早川監督、受賞おめでとうございます! 受賞を聞いて、心が喜びで波打っています。監督に現場で寄り添っていただいた日々が恋しいです。改めて『PLAN 75』に参加させて頂けたことを光栄に思います。早く日本の皆様にも届けたいです。

■河合優実(成宮瑶子役)のコメント

 早川監督、受賞、本当におめでとうございます。 『PLAN 75』がひとりひとりの心に何かを届け、それが今回このような形で残ることを、私も大変嬉しく思います。これからも、早川監督のように心を尽くしてものづくりをされている方に光が当たる世界であることを願っています。

■早川千絵監督のコメント(授賞式の際のスピーチ全文)

 すべての映画監督に最初に撮る一本目の映画があります。誰にとっても最初の一本目というのは思入れが深く、特別なものだと思うのですが、私にとっての特別で大切な一本目の映画をカンヌに呼んでいただき、評価してくださって本当にありがとうございます。

 『PLAN 75』という映画は今を生きる私たちに必要な映画であると言ってくれた方がいました。その言葉が心に深く響いています。

 この映画の立ち上げからずっと一緒にこの作品を育ててくれた、プロデューサーの水野詠子さん、ジェイソングレイさん、フランス、フィリピン、日本のチーム、この作品に関わってくれた全ての人に感謝しています。そして、ミチという主人公に命を吹き込んでくださった倍賞千恵子さんに日本に帰ったら真っ先に報告したいと思います。

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