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並行世界を描いた小説をアニメ映画化『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』同日公開


 TikTokで話題になり累計発行部数28万部を突破した、乙野四文字(おとの・よもじ)の小説が原作の劇場アニメーション『僕が愛したすべての君へ』、『君を愛したひとりの僕へ』が、10月7日より、2作同日公開されることが発表された(配給:東映)。

アニメ映画化された『僕が愛したすべての君へ』、『君を愛したひとりの僕へ』10月7日より同日公開 (C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会

アニメ映画化された『僕が愛したすべての君へ』、『君を愛したひとりの僕へ』10月7日より同日公開 (C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会

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 2016年6月に刊行された原作小説は、“並行世界”を行き来することができる世界の同じ名前のふたりの少年が、それぞれの世界でひとりの少女と恋に落ちるラブストーリー。

 この2作品は前後編でもなく、サイドストーリーでもなく、それぞれの物語が独立しているが、2作読むとふたつの世界が絡み合い交差して、お互いがお互いの世界を支え合っていることに気づく、斬新な設定が隠されていた。この内容がTikTokで紹介され、話題となったことでアニメーション映画化が決定。アニメーション制作は、別々の制作スタジオが担当する。

 『僕が愛したすべての君へ』(僕愛)は、日清食品のプロモーション映像「HUNGRY DAYS アオハルかよ。」での新しいアニメーション表現が話題になった、タツノコプロ内で立ち上げた新スタジオレーベル「BAKKEN RECORD」が制作。

 一方、『君を愛したひとりの僕へ』(君愛)は、2013年に『ルパン三世VS名探偵コナンTHE MOVIE』で、原作者の異なる2作品を見事にMIXさせた世界観を構築し、興収42.6億円を記録するヒットを記録したトムス・エンタテインメント。

 数々のヒット作品を生み出してきた2社のスタジオが描く物語がどう絡み合っていくのか。石黒研三プロデューサーは「この作品は、ど真ん中の純愛映画です。人生の選択を起点にした2つの物語を“並行世界”という切り口で、それぞれの世界を2作品の中で描いています。そして、その2つの物語は『観る順番で観た後の感動が変わる』という、今までにない仕掛けを体験いただけます」「どっちから観るか? みなさんのお好みに合わせて見る順番を決めていただき、今までにない新しい映画体験を劇場で体感してください!」と、コメントしている。

■〈ふたつの世界〉の〈ひとつの物語〉

乙野四文字「僕が愛したすべての君へ」原作書影(ハヤカワ文庫)

乙野四文字「僕が愛したすべての君へ」原作書影(ハヤカワ文庫)

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 『僕愛』は、両親が離婚し、母親と暮らす高校生の高崎暦(たかさき・こよみ)。ある日、クラスメイトの瀧川和音(たきがわ・かずね)に声をかけられる。85番目の並行世界から移動してきたという彼女は、その世界で2人が恋人同士であると告げる…。

乙野四文字「君を愛したひとりの僕へ」原作書影(ハヤカワ文庫)

乙野四文字「君を愛したひとりの僕へ」原作書影(ハヤカワ文庫)

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 『君愛』は、両親が離婚し、父親と暮らす小学生の日高暦(ひだか・こよみ)。ある日、父の勤務先で佐藤栞(さとう・しおり)という少女と出会う。お互いに恋心を抱くようになる暦と栞だったが、親同士が再婚することを知らされる。ふたりは兄妹にならない運命が約束された並行世界への駆け落ちを決断するが…。

 前出の石黒プロデューサーは、本作のテーマについて「この物語では恋愛だけを描いているわけではありません。“愛情=相手を思いやること”という観点から描く、たくさんの愛情に満ち溢れた作品となっています。その“相手を思う気持ちの尊さ”を、この作品から受け取っていただきたいと思っております」と語っている。

■原作者・乙野四文字のコメント

この物語は、中学二年の頃の自分の妄想から生まれています。
無限に存在する並行世界の中で、その妄想が辿りついた最も幸せな未来の一つが、今回の映画化になります。
二作同時公開のこの映画は、どちらから観てもよい作りになっており、観た順番で感じ方が大きく変わると思います。
どちらから観るか、一度しかできない選択をぜひ楽しんでください。そして、あなたとは逆の順番で観た、並行世界のあなたのことを想像してみてください。
逆の順番で観た人と感想を語り合ったりするのも面白いかもしれません。
この夏、再び生まれる新しい並行世界の物語を、どうか見届けてあげてください。

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