俳優でモデルの嵐莉菜、俳優の奥平大兼、川和田恵真監督が20日、東京・日比谷の日本外国特派員協会で行われた、映画『マイスモールランド』（5月6日公開）のベルリン国際映画祭でのアムネスティ国際映画賞のスペシャル・メンション（特別表彰）授与に関する凱旋会見に参加した。

【写真】その他の写真を見る

　アムネスティ国際映画賞のスペシャル・メンション（特別表彰）を授与されたのは日本初の快挙。冒頭、グリーンが映えるノースリーブのドレス姿の嵐は「私は嵐莉菜と申します。今夜はお集まりいただき、誠にありがとうございます。この場に来られたことが信じられないですが、とてもうれしい気持ちです」と英語でスピーチ。

　奥平も「こんばんは。奥平大兼と申します。この作品を通じて僕自身も多くを学んだ。今、クルド人の方々が置かれている状況を、より多くの方に知ってもらいたい。この映画が、そのきっかけになればいいなと思います」と、こちらも流暢な英語で話していた。

　外国特派員協会ということもあり、作品のテーマである在日クルド人についての話題が続いた。そんな中で、ある記者から「信ぴょう性のある作品。青春物語で芽生えつつある恋を2人は演じられている。気まずい雰囲気も含めて、非常によく演じられた。恋愛シーンを演じるにあたり、現場では、どういう雰囲気が」という質問が出た。

　思わぬ角度の質問に2人は苦笑い。奥平は「特別、こういうことをしたというのはない。撮影当時は学生だった。少なからず恋愛をした身として、ちょっと過去の恋愛を思い出しながらやっていました」と打ち明ける。

　奥平のストレートな回答に嵐は「恥ずかしい」と手で顔を覆って赤面。「私も意識したことはなかったんですけど、ワークショップとかで、お花見というかピクニックをする機会をいただけた。仲は深める時間はあった。趣味の話とかしたり、仲は深まって聡太とサーリャのような友だちみたいに仲良くなった」と振り返る。そして「付き合う前のよくわからない関係はドキドキしたことはあります」と正直に告白していた。

　また、本作では、嵐の本物の家族が家族役で出演している。父、弟、妹と共演した嵐は「家族全員で出演したんですけど家族一人ひとりがオーディションで受かっていた」と明かすと、会場には驚きの声が。「まず最初に私が受かってから父親、兄弟役と。まさか私も監督も家族全員が集合するとは思わなかった。本作にびっくり」と笑いつつ「シーンによってリアルな家族だから出せる雰囲気もあったと思う。完成した作品を見て思う。私の家族の宝物になっています」と笑顔を見せた。

　本作は、在日クルド人の少女が、在留資格を失ったことをきっかけに“自分の居場所”に葛藤し、成長してく姿を描く。5ヶ国のマルチルーツを持つ嵐が、埼玉に住む在日クルド人の高校生・サーリャを演じ、東京に住む少年・聡太役を奥平が務めた。