■『湘南美容クリニック presents RIZIN.35』第9試合　RIZINフェザー級タイトルマッチ
　昨年10月以来の再戦となった王者・牛久絢太郎VS挑戦者・斎藤裕のタイトルマッチは、チャンピオンの牛久が判定3-0で勝利し、見事に初防衛に成功した。

【写真】その他の写真を見る

　王者と挑戦者の立場が入れ替わって行われた半年ぶりの再戦。前回は斎藤の流血によるドクターストップという決着で、「まだやれる！」と叫ぶも無情に試合のゴングが鳴らされ、ベルトは牛久の腰に渡った。

　今回は赤コーナーで入場した牛久。第1ラウンドはお互いに打撃で相手の出方を伺う静かな立ち上がり。3分半すぎに斎藤が牛久に組み付いてコーナーに押し込んだがアクションを起こせず、終了間際に牛久が斎藤を倒したところで終了した。

　第2ラウンドは、斎藤がパンチを仕掛けて圧を強める展開となったが、牛久がカウンターで左ハイキックをヒットさせると、斎藤は腰から崩れる。すぐに牛久がギロチンチョークの体制に入ったが、斎藤もしのぎきりガードポジションの体制でダメージ回復を図りながら打撃を落とす。攻めようとする斎藤をコントロールするように牛久が組み付いて距離を作らせず、この体制のままこのラウンドも終了。

　運命の第3ラウンド、斎藤が劣勢を挽回すべく前に出るが、牛久はどこまでも冷静に対応。プレッシャーを受けると組み付いてコーナーに押し込み、終盤の打撃戦も有効打はもらわず。判定フルマークで防衛に成功した。

　試合後にマイクを握ると「前回のRIZIN初参戦でタイトルマッチで、たまたま勝ったという声が多くて、半年で死ぬほど追い込んで、それが結果になってうれしく思います…」と話したところで、こらえきれずに男泣き。

　「半年の間にSNS頑張ったりYouTube頑張ったり、RIZINという舞台が大好きで、ファンの熱い気持ちが大好きで、もっと盛り上げたい気持ちがあって始めました。すごく不器用なんですけど、皆さんを大好きな気持ちは変わらないので、第2代王者の牛久絢太郎を信じてついてきてくれないですか」と語りかけると、会場から大きな拍手が巻き起こった。　

　「皆さんと一緒になら不可能はないと思っているので、試合を通して体現していきたいです。それにはみなさんと一緒に強くなりたいです」とファンとの共闘を何度も呼びかけ、「これからは第2代RIZINフェザー級チャンピオンの牛久絢太郎の応援をお願いします。僕は皆さんを裏切ったりしないので」と王者らしく宣言した。

　試合前のインタビューでは「試合を通して勇気だったり何かを感じてもらえて、日常生活の自分の活力にしてもらえたらうれしいです」と語っていたが、言葉通りの全力ファイトで、見た人に大きな勇気を与える最高の試合となった。