俳優の阿部寛（57）、安田顕（48）、瀬々敬久監督が15日、都内の劇場で映画『とんび』公開御礼舞台あいさつを行った。

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　途切れても必ずつながってゆく親子の絆を描いた、重松清の名作小説を映画化。主人公の不器用で破天荒ながら愛すべき父・ヤス役を阿部、ヤスの幼なじみ照雲役を安田が演じている。2人は『下町ロケット』などドラマ・映画で5作目の共演。

　安田は「阿部さんとご一緒できることが私のモチベーション。2年に1回はなんとかやってほしい」とラブコールを送ると、阿部も「（作品ごとに）それぞれ演じるキャラクターが違うので、今回はどういう役でくるのか、すごく楽しみな俳優さん」と、相思相愛。

　今回は幼なじみという間柄だが「同年代の役が多い。不服かもしれないでしょうけど」と9歳の年の差に言及し、「僕は（撮影中）違和感はなかったんですけど、なんか最近ちょっと若い感じがして。少し、僕から離れていったな、と思っていた。急に若返った」と変化を指摘した。

　阿部から「若返った」と言われて、安田は「うれしいですね」と素直に喜び、「阿部さんが本当に若々しくていらっしゃるので、（同年代の役も演じやすくて）助かっています」と返した。

　すると瀬々監督が、「最近、安田さんが若返っている理由がわかりました」と切り出し、「木村（拓哉）さんと共演してるから」と、きのう14日からテレビ朝日系で放送が始まったドラマ『未来への10カウント』のことを持ち出すと、安田はとっさに「書かないでくださいよ」とリアクション。しかし、悪い話ではなかったことに気づいて、「書いてくれてもいいけど」とすぐに訂正し、「そんなわけないじゃないですか！　僕はいつでもどんな方と共演してもそれはもう、あれですよ、何を言ってるんですか」としどろもどろになって笑いを誘っていた。

　瀬々監督は、「次の共演作では2人で指揮者の座を巡って競い合ってほしい」とその場で思いついたアイデアを挙げると、阿部は「親友はやってるし、教師、刑事と犯人もやったし…」と思いを巡らした。安田は「阿部さんとご一緒できるなら何でもいいです。阿部さんのご自宅のそばに住もうと思っていますから」とへつらうようなこといいながら、「勝手に思っていたのは、阿部さんに良寛さんをやってほしいな」と、江戸時代後期に無一物に徹して清貧の思想を貫いた僧侶の名前を出すと、今度は阿部がびっくり。「名前の“寛”は良寛から取ったとおじいさんから聞いたことがあるんです」と、安田の神通力に驚いていた。

　その後、阿部が挙げたのは、「フランケンシュタインを実写でやってみたいというのがあって、安田さんが怪物を作った科学者役で僕がフランケンシュタイン役で」というもの。瀬々監督は「頑張ります」とまたその場しのぎのように言っていたが、会場からは阿部と安田の共演を期待する拍手がわき起こっていた。