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佐久間宣行、令和の作り手に必要なバランス感覚と“面白さの原液” 千鳥とタッグ『トークサバイバー!』の手応え語る

 お笑いコンビ・千鳥がMC&参加者として出演する、Netflixコメディシリーズ『トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』(全8話)。千鳥と企画・演出を手がけた佐久間宣行氏とのタッグ、豪華な出演者が織りなす物語が好評を博し、Netflixの日本デイリーTOP10で総合1位、ウィークリーでも2週連続、シリーズで1位という快挙を成し遂げている(3月29日時点)。そんな“熱量の高い”作品を生み出した佐久間氏にインタビューを行った。

Netflixコメディシリーズ『トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』配信中

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 ドラマや映画で活躍する俳優たちが脇を固める本格ドラマに、千鳥・大悟と若手からベテランまでセンス抜群の話芸を極める芸人たちが参戦。ドラマの台本の一部には、せりふが書かれていないフリートークゾーンがあり、「傷ついた話」から「誰にも言えない秘密」「とっておきのタレコミ」「人から言われてショックだった言葉」「理不尽な悪に叫びをあげる」など、突然降りかかるお題に出演者たちが身を削ってトークを繰り広げる。

 そこで語られる本人のリアルエピソードが面白くないと判断されれば即脱落、ドラマ降板。果たして、誰のエピソードが最も面白いのか? 出演者が次々に脱落していく中、最後まで勝ち残るのは誰なのか。

■撮影現場の緊張感 出演者たちの中にあった「千鳥のためだったら頑張りたい」という空気

――作品が全世界に配信されますが?

めちゃくちゃ世界を意識しているわけではないですけど。Netflixさんからバラエティーやりませんかとお話をいただいて、提案した中で、一番チャレンジングな企画を選んでいただいたので、さすがだなと思いながら。これをやるなら千鳥とやりたいなと思って、オファーして出ていただいたという経緯からいうと、まず千鳥とNetflixの番組ができたという喜びが大きいですね。現役最強の芸人でもありますし。僕自身、昨年4月に独立して、本気のものを作るのであれば、お2人と組みたいというのがありました。

――撮影現場の雰囲気

やっぱり、みんなけっこうピリピリしていました。トークの面白さによって落とされるっていうのはシビアですから。ジャッジは、僕とノブさんとスタッフで行っていました。リアルタイムにトークをチェックして、収録が終わって、ドラマパートに入る時に休けい時間を作って、その時間を使ってジャッジをしていました。これがとても難しかったのですが、見ていただいた方には、なんとなく納得いただく形になっているのではないかなと。

――トークパートの面白さと並行して、ドラマパートのクオリティーの高さもあります

『ゴッドタン マジ歌選手権(マジ歌)』のように、本気でやるからこそ面白いっていうことをやりたくて、それをベースに作りたいと監督とお話をしました。だから、台本に書かれていることも「大ぶりで派手に、ボケじゃなくてマジ」というのをテーマに、台本の打ち合わせをしていきました。

――高校生という設定について

見ていただくみなさんをびっくりさせることはしたいなと思っていたのですが、あくまで芸人のめちゃくちゃ面白いトークが、より面白くなるように「そこから渡すんかい!」という大喜利だと思って、高校生という設定にしました。

Netflixコメディシリーズ『トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』配信中

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――千鳥さんのモチベーションについて

まず、僕と面白そうなことができるというので乗ってくれたことがあって。それで、企画を聞けば聞くほど、大悟さんは自分の負担がすごいことになるということに気づいて(笑)。「これは大悟さんが背負ってくれた方が、筋が通ると思うので、お願いします」と伝えたのですが、本当に全部やってくださって、かっこよかったですね。ノブさんは戦いを見守る立場だったのですが、実は、すべて把握しているのは僕とノブさんだけなんです。だから、現場で一番楽しんでいたのはノブさんだったかなと(笑)。

――撮り終えた後、千鳥さんとはどういった話をしましたか

「こんな規模でお笑いができるなんて」という充実感はあったと思います。いろんな要素がありますが、すべてはお笑いのフリという。これだけ大きくしてくれて、あくまで最後はシンプルなトークで勝負できるという仕組みが、やりがいがあったとおっしゃってくれたのがうれしかったです。芸人たちが、戦いを進めるうちに部活動の仲間みたいになっていって…。それは千鳥の人望ゆえで「千鳥のためだったら頑張りたい」という空気が流れていました。

佐久間宣行氏

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パンサー向井の奮闘に感慨「これをやった意義があった」 50代に向けて「見たことがないものを作ってみたい」

――個人的にはパンサー・向井慧さんの奮闘ぶりに注目して見入ってしまいました。

向井くんが今、ドキュメント性を帯びていて、その分支持する人がたくさんいるのと、本人が言っていることですが、向井くんが面白いとされる芸人にコンプレックスを抱いていたっていうこともあって、去年から今年にかけてのテーマが「自分のファンになる」と言っていたので、捨て身でいったんだと思います。
面白いっていう風にいろんな芸人さんの前で思われることに、ビビっていたというか、自分自身で言い訳をしていたけど、そこを言わずに飛び込んでいったカッコよさが、今回の『トークサバイバー!』の向井くんには出ていると思って、これだけでも、僕はこの企画をやった意義があったなと思いました。いろんな芸人さんの中でのマインドを変えるきっかけのひとつになった。単純に向井くんが面白かったですね。つまんない人はいなくて、キャスティングがすごくよかったのですが。

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――佐久間さんご自身、昨年4月にテレビ東京を退社してフリーになって以降、さまざまなコンテンツで活動した1年になりましたが、それぞれのコンテンツでの相性などを感じることはありますか?

もともとテレビ東京で、ど真ん中じゃないけど、誰かと被っていない企画を作っていたタイプだったので、配信と相性がいいかもしれないと思いました。あとはYouTubeチャンネルを始めた経験も大きかったです。実際何がハマって、ハマらないのかっていうのを肌感でやってみないとわからないので、それを毎回感じながら作れているのは大きかったです。ディレクターとして、別の感覚を身につけることができました。

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――テレビという場所以外にも、さまざまな場所でコンテンツを出せる状況になっていますが、コンテンツの作り手にこれから必要とされるスキルは何だと思いますか

今の社会性とテーマ性の両方を持っている人が、これから必要になってくるのかなと考えています。それはバラエティーを作る上でもそうだし、その作品がある意味というのを作れる人が求められるようになるかなと。あとは、自分の中の面白さの原液みたいなものが濃いというのも必要で。お酒に例えると、カクテルを作る前のスピリッツに個性があるということで、ほかと違う風味がちゃんとあって、それ単体で飲むと濃いけど、そのスピリッツがないと、それぞれの場所に合わせたカクテルが作れないっていう。
だから、はじめから、万人に好かれるような飲み物を作って「僕はこれです」と出しちゃうと、ほかへの応用が効かなくなるなと感じます。「味が濃すぎて、このままだと出せないくらいの原液を持っている人」が、いろんな場所にあった濃度に調整することができるので、若いうちに、自分の原液ってなんだろう、それが人とかぶらないようにするにはどうしたらいいのかいうことを考えることが大切になってくるなと思います。

――テレ東時代の経験が“自分にしかない原液”作りに生きていると感じますか?

そうですね。僕は舞台も映画も音楽もドラマもバラエティーもすべてやらせてもらった上に、ラジオまでやらせてもらって。ちょっとずつ積み重なってできた、人とは違う原液みたいなものが、今に役立っていることもあります。この歳で、もう1回フリーになって、その原液を作り直そうと、いろんな仕事をやっていて。だから、数年後にはまったく違う作品が作れるような気がしています。

――エンタメ包囲網が完成しつつある佐久間さんですが、次なる一手は?

この1年は会社をやめて、いただいたオファーを受けて、すべて全力でやらせてもらって楽しかった。ここから先は、50代に向けて、僕にしか作れないものはなんだろうっていうことを見つめ直して、見たことがないものを作ってみたいです。クリエイターとして、僕の今くらいの年齢(46歳)が転機だなと考えていて。秋元康さんがAKB48をやられたり、糸井重里さんがほぼ日を始めたのも、同じくらいの年齢だったかと思うので。テレビ局だと管理職になる年齢ですが、僕はフリーになってディレクターをやる選択をして、もう一段階別のステージにいきたいという気持ちです。

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