4月2日より東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほかで公開されるドキュメンタリー映画『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』(配給:テレビマンユニオン )の日本版予告編が解禁となった。
映画業界の最も重要な仕事の一つでありながら、最も知られていない仕事=キャスティング(配役)。本作はハリウッドで長年活躍したキャスティングの先駆者マリオン・ドハティ(1923-2011年)を中心に、キャスティングという仕事に迫ったドキュメンタリー。
マリオン・ドハティは、大学卒業後にTVの配役アシスタントに就き頭角を現す。『裸の街』『ルート66』を手がけ、1964年『マリアンの友だち』で長編映画へ。代表作『俺たちに明日はない』『明日に向かって撃て!』『真夜中のカーボーイ』『ダーティハリー』『スティング』『レニー・ブルース』『レッズ』『グリース』『ガープの世界』『キリング・フィールド』『リーサル・ウェポン』『フルメタル・ジャケット』『バットマン』など。2011年マンハッタンの自宅で死去。享年88歳。全米キャスティング協会は彼女の功績を称え、毎年授与する栄誉賞の一つに彼女の名を冠している。
絶妙なセンスと直感的な先見の明を頼りに、白人男性至上主義が根強く、役者を単純にタイプ分けしていた古いスタジオの配役方法から、ユニークで多彩なアンサンブルキャストへ移行する道筋をつけ、革新的なアメリカン・ニューシネマの到来を告げたマリオン。驚きと笑いにあふれたエピソードの数々、そして切なくも感動的なラストまで…その人生を通して映画史に新たな光を当てる。
キャスティングは俳優たちのキャリアにも大きく影響する。スターたちが自ら語るキャリアを変えた“あの役”、そしてアメリカ映画が輝き出した時代が鮮明に蘇る貴重な証言の数々も見どころだ。
主な出演者に、マーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウディ・アレン、アル・パチーノ、ロバート・レッドフォード、クリント・イーストウッド、メル・ギブソン、ダニー・グローヴァー、ダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト、グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、ベット・ミドラー、ジョン・トラボルタ、バック・ヘンリー、リチャード・ドナー、ジョン・セイルズ、テイラー・ハックフォード、ノーマン・ジュイソン、ピーター・ボグダノビッチ、デヴィッド・ピッカーほか。そして現在活躍する後進のキャスティング・ディレクターたちも登場する。
2012年に米国で公開されキャスティングへの再評価と、その後にアカデミー賞が取り組む変革(2024年の第96回以降は作品賞候補に“インクルージョン(包摂性)”が評価条件に加わる等)にも重要な役割を果たしたと評価された注目作。19年に英国アカデミー賞がキャスティング部門を新設したことも話題となっており、今回が日本初公開となる。
■ドキュメンタリー映画製作の経緯
監督・製作はトム・ドナヒュー。「この映画を作るまで、私はキャスティング・ディレクターというものを全く理解していなかったし、その裏にこんな深い物語があるとは想像もしていませんでした。しかし取材を始めてすぐに、キャスティング・ディレクターがハリウッドの中心的役割を担っていることを知りました。役に命を吹き込む俳優を見つけ、彼らの背中をおしてやるキャスティング・ディレクターが、映画スターたちを最初に発掘し、素晴らしい役へ推薦してきたのだと。彼らは、映画の中の生き生きとしたアンサンブル(そして作品の本質)の創造に貢献し続けていたのです」と、語っている。
映画製作に至った経緯については次のように説明している。「この映画のきっかけは、ロサンゼルスの友人ジョアナ・コルベアに尋ねられた何気ない質問でした。『ねぇ、マリオン・ドハティって知ってる?』 私は何年も映画を学び、この業界で働いてきたのに、それは初めて聞く名前でした。ロスからニューヨークへ戻ると直ぐに、あらゆる方法で彼女について調べ、オクラホマ大学の教授による彼女のインタビュー記事にたどり着きました。そこには、彼女が見出した伝説級の名優らの名前と、彼女が配役をした映画史に残る数々の役名が並んでいましたが、彼女に関する情報はこの資料のほかには見つかりませんでした」
そこで「マリオン・ドハティの映画を作らなくてはいけない」と、決意したという。「プロデューサーのケイト・レーシーと共に、マリオンと仕事をした人々へ連絡をとりはじめ、その数はどんどん膨れ上がり、数年かけて取材した相手は200人を超えていきました。あらゆる映画の場面を検証し、大学や図書館や個人が所有する資料と膨大な映像をかき集めると、その全てがマリオン・ドハティという女性が途方もないインパクトをアメリカ映画に与えた事実と、キャスティングという重要な仕事が何十年も、いかに軽んじられてきたかを証明していました」。
本作に込めた思いを「マリオン・ドハティは映画の世界を革新し発展させた先駆者(パイオニア)の一人であり、彼女が築いた道を継承する現代のキャスティング・ディレクターたちは(いろいろな壁にぶつかりながらも)マリオンがしてきたように俳優たちを鼓舞し続けるでしょう。この映画でキャスティング・ディレクターへの理解が深まり、長年阻まれてきた正当な評価を受ける一助になることを心から願います。どんな素晴らしい役も脚本に記されただけでは動きださず、有能なキャスティング・ディレクターと制作者と俳優の共同作業で息を吹き込まれるということを、どうか忘れずにいて下さい」と語っている。
■マリオンへのショートメッセージ
映画監督の仕事の9割は、キャスティングの質で決まってしまう。――マーティン・スコセッシ
俳優を続ける中で好きになった言葉の一つが“励まし”だが、マリオン・ドハティは“励まし”そのもののような人だった。そんな人を私は彼女以外には知らない。――アル・パチーノ
自分自身ですら気づいていない何かを見つけてくれる、彼女のような人の前で私は自然と謙虚でいられた。――ダニー・グローヴァー
マリオン・ドハティのようなキャスティング・ディレクターの仕事はとても特別で、いつも映画の質にそのまま繋がっていた。――グレン・クローズ
彼女は明らかに映画界の水準を引き上げた。私自身も、いろいろな役に挑戦できたのは彼女のお陰だった。――ロバート・レッドフォード
マリオンのような人と仕事をするとき、私たちはキャスティングが高度な技術だと実感した。――ノーマン・リア
彼女は唯一無二、のとても特別な人だった。――クリント・イーストウッド
「マリオン・ドハティはアカデミー協会の功労賞を受賞すべき」と主張した多くの俳優や監督たちに、私は100%同感だった。――リン・スタルマスター
※1991年、彼女をよく知る映画人たちがアカデミー協会栄誉賞授与のキャンペーンを起こした経緯は今作に描かれている。
ハリウッドで活躍したマリオン・ドハティのドキュメンタリー映画『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』4月2日より全国順次公開 (C)Casting By 2012
映画業界の最も重要な仕事の一つでありながら、最も知られていない仕事=キャスティング(配役)。本作はハリウッドで長年活躍したキャスティングの先駆者マリオン・ドハティ(1923-2011年)を中心に、キャスティングという仕事に迫ったドキュメンタリー。
マリオン・ドハティは、大学卒業後にTVの配役アシスタントに就き頭角を現す。『裸の街』『ルート66』を手がけ、1964年『マリアンの友だち』で長編映画へ。代表作『俺たちに明日はない』『明日に向かって撃て!』『真夜中のカーボーイ』『ダーティハリー』『スティング』『レニー・ブルース』『レッズ』『グリース』『ガープの世界』『キリング・フィールド』『リーサル・ウェポン』『フルメタル・ジャケット』『バットマン』など。2011年マンハッタンの自宅で死去。享年88歳。全米キャスティング協会は彼女の功績を称え、毎年授与する栄誉賞の一つに彼女の名を冠している。
絶妙なセンスと直感的な先見の明を頼りに、白人男性至上主義が根強く、役者を単純にタイプ分けしていた古いスタジオの配役方法から、ユニークで多彩なアンサンブルキャストへ移行する道筋をつけ、革新的なアメリカン・ニューシネマの到来を告げたマリオン。驚きと笑いにあふれたエピソードの数々、そして切なくも感動的なラストまで…その人生を通して映画史に新たな光を当てる。
キャスティングは俳優たちのキャリアにも大きく影響する。スターたちが自ら語るキャリアを変えた“あの役”、そしてアメリカ映画が輝き出した時代が鮮明に蘇る貴重な証言の数々も見どころだ。
主な出演者に、マーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウディ・アレン、アル・パチーノ、ロバート・レッドフォード、クリント・イーストウッド、メル・ギブソン、ダニー・グローヴァー、ダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト、グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、ベット・ミドラー、ジョン・トラボルタ、バック・ヘンリー、リチャード・ドナー、ジョン・セイルズ、テイラー・ハックフォード、ノーマン・ジュイソン、ピーター・ボグダノビッチ、デヴィッド・ピッカーほか。そして現在活躍する後進のキャスティング・ディレクターたちも登場する。
ハリウッドで活躍したマリオン・ドハティのドキュメンタリー映画『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』4月2日より全国順次公開 (C)Casting By 2012
■ドキュメンタリー映画製作の経緯
ハリウッドで活躍したマリオン・ドハティのドキュメンタリー映画『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』4月2日より全国順次公開 (C)Casting By 2012
映画製作に至った経緯については次のように説明している。「この映画のきっかけは、ロサンゼルスの友人ジョアナ・コルベアに尋ねられた何気ない質問でした。『ねぇ、マリオン・ドハティって知ってる?』 私は何年も映画を学び、この業界で働いてきたのに、それは初めて聞く名前でした。ロスからニューヨークへ戻ると直ぐに、あらゆる方法で彼女について調べ、オクラホマ大学の教授による彼女のインタビュー記事にたどり着きました。そこには、彼女が見出した伝説級の名優らの名前と、彼女が配役をした映画史に残る数々の役名が並んでいましたが、彼女に関する情報はこの資料のほかには見つかりませんでした」
そこで「マリオン・ドハティの映画を作らなくてはいけない」と、決意したという。「プロデューサーのケイト・レーシーと共に、マリオンと仕事をした人々へ連絡をとりはじめ、その数はどんどん膨れ上がり、数年かけて取材した相手は200人を超えていきました。あらゆる映画の場面を検証し、大学や図書館や個人が所有する資料と膨大な映像をかき集めると、その全てがマリオン・ドハティという女性が途方もないインパクトをアメリカ映画に与えた事実と、キャスティングという重要な仕事が何十年も、いかに軽んじられてきたかを証明していました」。
本作に込めた思いを「マリオン・ドハティは映画の世界を革新し発展させた先駆者(パイオニア)の一人であり、彼女が築いた道を継承する現代のキャスティング・ディレクターたちは(いろいろな壁にぶつかりながらも)マリオンがしてきたように俳優たちを鼓舞し続けるでしょう。この映画でキャスティング・ディレクターへの理解が深まり、長年阻まれてきた正当な評価を受ける一助になることを心から願います。どんな素晴らしい役も脚本に記されただけでは動きださず、有能なキャスティング・ディレクターと制作者と俳優の共同作業で息を吹き込まれるということを、どうか忘れずにいて下さい」と語っている。
■マリオンへのショートメッセージ
映画監督の仕事の9割は、キャスティングの質で決まってしまう。――マーティン・スコセッシ
俳優を続ける中で好きになった言葉の一つが“励まし”だが、マリオン・ドハティは“励まし”そのもののような人だった。そんな人を私は彼女以外には知らない。――アル・パチーノ
自分自身ですら気づいていない何かを見つけてくれる、彼女のような人の前で私は自然と謙虚でいられた。――ダニー・グローヴァー
マリオン・ドハティのようなキャスティング・ディレクターの仕事はとても特別で、いつも映画の質にそのまま繋がっていた。――グレン・クローズ
彼女は明らかに映画界の水準を引き上げた。私自身も、いろいろな役に挑戦できたのは彼女のお陰だった。――ロバート・レッドフォード
マリオンのような人と仕事をするとき、私たちはキャスティングが高度な技術だと実感した。――ノーマン・リア
彼女は唯一無二、のとても特別な人だった。――クリント・イーストウッド
「マリオン・ドハティはアカデミー協会の功労賞を受賞すべき」と主張した多くの俳優や監督たちに、私は100%同感だった。――リン・スタルマスター
※1991年、彼女をよく知る映画人たちがアカデミー協会栄誉賞授与のキャンペーンを起こした経緯は今作に描かれている。
2022/03/13