人気グループ・KAT-TUNの元メンバーの田中聖容疑者(36)が24日、覚せい剤取締法違反の疑いで愛知県警に逮捕された。今回の事件の焦点、今後予想される展開について、レイ法律事務所の河西邦剛弁護士に聞いた。
愛知県警の発表によると、1月30日、名古屋市中区にある宿泊施設の客室内において、覚醒剤約0.164グラムを所持した疑いがある。報道によると、同日にライブ出演のためにホテルの客室に滞在。チェックアウト後に従業員が部屋にあった白い結晶を発見、通報した。田中容疑者は「わからない」と否認している。
河西弁護士は、田中容疑者が“明確な否認”に転じた場合「『自分のものではなく前の宿泊者のものである』という弁解がなされる可能性は十分にある」と指摘。一方で「県警が2017年の大麻取締法違反容疑で逮捕された際に田中容疑者の指紋やDNAを採取していると考えられる」とし、「今回発見された覚せい剤に田中容疑者のDNAが付着していないか、またパケ(覚せい剤の入った袋)に指紋が付着していないかは確実に捜査をしていると思われ、ここから田中容疑者の情報が検出されていれば、田中容疑者の弁解を覆すかなり精度の高い証拠と言える」と説明する。
また今回の事件では、田中容疑者が客室内に覚せい剤を置き忘れた可能性があると報じられている。河西弁護士は「違法薬物の痕跡を部屋に置き忘れるというのは、合理的な行動とはいえない。薬物の影響により通常の判断ができない状態になっていたということは十分に考えられる」と推察する。所持していた量は複数回使用可能な量に相当するが、「パケや注射器などの転売用の道具は少なくとも現場からは見つかっておらず、また多量とも言えないことから営利目的よりは自己使用目的であったと考えられる」と語る。
今後の展開について「起訴、不起訴になるかは、今回発見された覚せい剤が田中容疑者のものであると立証できるかどうかが直結してくる」と強調。裁判所から逮捕令状が発付されていることから「ある程度の証拠について既に警察は確保していると考えられ、起訴される可能性は十分にあるであろう」とする。
きょう26日には、尿検査の結果、覚せい剤の陽性反応が出たと報じられた。河西弁護士は「体内に摂取した覚せい剤の量、使用頻度、体格により、どれくらいの期間において尿検査の陽性反応がでるかは変わってくる」と前置きした上で「2〜3日前までに接種したと考えられるのが通常」と解説。再逮捕もあり得るとし、「1月30日の『所持罪』に加え、『使用罪』でも起訴される可能性は十分ある」と加えた。
前回の逮捕歴は今回の量刑に影響しないとし、有罪となった場合「懲役1年6月から2年、執行猶予3年位の判決になると見込まれる」と説明。最後まで否認し続けた場合は「『不合理な弁解に終始している』『反省が認められない』として半月程度量刑が重くなることはあり得るがそれでも執行猶予は付くであろう」としている。
■河西邦剛弁護士プロフィール
「レイ法律事務所」芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。芸能エンタメ関係の法律問題について数多くのメディアから取材を受ける。「清く楽しく美しい推し活 ~推しから愛される術(東京法令出版)」著者。
愛知県警の発表によると、1月30日、名古屋市中区にある宿泊施設の客室内において、覚醒剤約0.164グラムを所持した疑いがある。報道によると、同日にライブ出演のためにホテルの客室に滞在。チェックアウト後に従業員が部屋にあった白い結晶を発見、通報した。田中容疑者は「わからない」と否認している。
河西弁護士は、田中容疑者が“明確な否認”に転じた場合「『自分のものではなく前の宿泊者のものである』という弁解がなされる可能性は十分にある」と指摘。一方で「県警が2017年の大麻取締法違反容疑で逮捕された際に田中容疑者の指紋やDNAを採取していると考えられる」とし、「今回発見された覚せい剤に田中容疑者のDNAが付着していないか、またパケ(覚せい剤の入った袋)に指紋が付着していないかは確実に捜査をしていると思われ、ここから田中容疑者の情報が検出されていれば、田中容疑者の弁解を覆すかなり精度の高い証拠と言える」と説明する。
また今回の事件では、田中容疑者が客室内に覚せい剤を置き忘れた可能性があると報じられている。河西弁護士は「違法薬物の痕跡を部屋に置き忘れるというのは、合理的な行動とはいえない。薬物の影響により通常の判断ができない状態になっていたということは十分に考えられる」と推察する。所持していた量は複数回使用可能な量に相当するが、「パケや注射器などの転売用の道具は少なくとも現場からは見つかっておらず、また多量とも言えないことから営利目的よりは自己使用目的であったと考えられる」と語る。
今後の展開について「起訴、不起訴になるかは、今回発見された覚せい剤が田中容疑者のものであると立証できるかどうかが直結してくる」と強調。裁判所から逮捕令状が発付されていることから「ある程度の証拠について既に警察は確保していると考えられ、起訴される可能性は十分にあるであろう」とする。
きょう26日には、尿検査の結果、覚せい剤の陽性反応が出たと報じられた。河西弁護士は「体内に摂取した覚せい剤の量、使用頻度、体格により、どれくらいの期間において尿検査の陽性反応がでるかは変わってくる」と前置きした上で「2〜3日前までに接種したと考えられるのが通常」と解説。再逮捕もあり得るとし、「1月30日の『所持罪』に加え、『使用罪』でも起訴される可能性は十分ある」と加えた。
前回の逮捕歴は今回の量刑に影響しないとし、有罪となった場合「懲役1年6月から2年、執行猶予3年位の判決になると見込まれる」と説明。最後まで否認し続けた場合は「『不合理な弁解に終始している』『反省が認められない』として半月程度量刑が重くなることはあり得るがそれでも執行猶予は付くであろう」としている。
■河西邦剛弁護士プロフィール
「レイ法律事務所」芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。芸能エンタメ関係の法律問題について数多くのメディアから取材を受ける。「清く楽しく美しい推し活 ~推しから愛される術(東京法令出版)」著者。
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2022/02/26