世界最強のテニスプレーヤー姉妹、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズの破天荒な実父リチャードの驚きの実話を映画化した『ドリームプラン』(23日公開)。テニス未経験のリチャードが、2人の娘が生まれる前から独学で作った唯一無二の「計画書=ドリームプラン」と、その計画を信じ続け、本当に2人の世界チャンピオンが誕生した、その知らざる秘密が描かれる。
本作には、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズが製作に名を連ねているだけでなく、彼女たちの姉であるイーシャ・プライスやリンドレア・プライスも深く関わった。自分たちの家族の話である。当然といえば、当然だ。
全米公開前の昨年11月7日(現地時間)にオンラインで行われたプレスカンファレンスにも、製作&主演のウィル・スミスらメインキャストとともに、ビーナス、セリーナ、イーシャの3人が顔をそろえ、この映画が実現するまでに「時間がかかった」ことや、ウィリアムズ一家が「毎日、すべての過程に関わる」ことが条件で、それが実行されたことを明かした。
■ビーナス&セリーナ、映画化されて「正直、すごくシュール」
自分の家族の物語が映画になり、しかも、ウィル・スミスが父リチャードを演じたことをどう思っているのか。ビーナスは「脚本も読んでいたのに、映画を観るたびに涙が出そうになる」と話す。撮影現場にも足を運んでいた彼女は「撮影現場に家族の雰囲気があふれているのも素敵でした。それにデミ(・シングルトン)とサナイヤ(・シドニー)は本当にセリーナと私みたいでした。カメラが回っていない時でも手を握りあっているところとか。本当に感動しました。みんなが達成してくれたことを、私は誇りに思っています。正直、すごくシュール。彼らは私たちの家族を真から理解してくれて、本当に私たちらしく描いてくれました。そこを誇りに感じています」と、映画にお墨付きを与えた。
続いてセリーナも「シュールという言葉以上に私の気持ちを良く表すものがないです。この優れた女優さんたちと、その背後にいるすべての人たちが、これを作り上げてくれました。私たちのお父さんの話を語ってくれました。私と姉は、『ワオ、本当に?』って感じでした。すごくシュールでした。しかも、お父さんを演じてくれたのはウィル。ウィルは完全にリチャード・ウィリアムズになりきってくれました。彼のおかげでこの映画は一層レベルの高いものになったと思います。この映画は大きな感動をくれる、とてもよくできた作品。優れた作品です」と大いに気に入った様子だった。
製作のティモシー・ホワイト、トレバー・ホワイトが、リチャード・ウィリアムズについての映画企画を立ち上げたのは2013〜14年頃。30人ちかい脚本家にアタックし、ザック・ベイリンが書き上げた脚本を、ウィル・スミスとイーシャ・プライスに送ったそう。「そこからこのプロジェクトは息吹を持ち始めた」(ティモシー)。
製作陣営が「自分の家族について正しく語ってくれる」と信頼するに足る人たちであるかどうか、イーシャは注意深く対応し、「(この映画を作るプロセスは)ひとつの旅だった」と振り返る。その“旅”はとても“長い旅”だった。
「彼らは私たちの父の話を語りたいと願っていました。悪く言うためじゃなくて、リチャードが父親としてどんな人だったのか、何をしたかったのか、人々にわかってもらうための話にしたい、と。そこに家族がどう協力したのか。彼らの狙いがそこにあるとわかって、私は安心しましたが、その段階での脚本はまだ初期のもので、もっと良くできる余地、正しくできる余地がありました。私たちには、ウィルもいてくれました。私たちはウィルをすごく尊敬しているし、彼も正しく演じたいと思ってくれていました。私たち家族が納得できる、忠実な形でやるのでなければ、彼はやらないという態度でした。それには時間がかかりました」(イーシャ)
「父のことを悪く言う人はまだいました。私たちは、このフィルムメーカー、このチーム、みんなが正しいことをしてくれると信頼できなければいけませんでした。スポーツがまさにそうだけれど、チャンスは1回しかない。一発で決めないとだめなんです。だからこの映画は正しい話を、正しく、公正で、正直に語るものでなければなりませんでした。家族みんなでそこに行き着くには少し時間がかかりました」(イーシャ)
■映画化にあたりファミリーが出した条件とは?
彼女たちには、メディアの過剰取材や周囲の人々の心無いうわさや中傷、偏見など、長きにわたって積もりに積もった不信感があった。
「ビーナスはすごく長いこと世間の目に晒されてきました。彼女についての記事が初めて書かれたのは、彼女が9歳の時。『コンプトン・ガゼット』です。その年から記事に書かれてきたけれど、人は私たちの家族を理解しませんでした。リンドレアや私に『家族は本当に仲が良いんですか?』『喧嘩したりしますか?』と聞いてくる人もいました。そういうことが続くと、不信感が強まっていくんです」。
不信の壁を乗り越えて、本作が実現したのは、「毎日、すべての過程に関わらせてもらえるならということで、私たちは信頼するに至ったんです」とイーシャ。本作を監督したレイナルド・マーカス・グリーンが「イシャやリンドレアが毎日現場にいて『彼女たちはこんなふうにラケットを握らないよ』とか『こんな色は絶対に着ない』とか言ってくれたことは貴重でした」と証言しており、ガチで目を光らせていたようだ。
イーシャは「私に苛立った人もいたでしょうけど(笑)、そこは大事なことでした。正しい形で語られるようにするという責任が私にはありました。キャスト全員も、製作チームも、同じことを目標にしていました。だからこういう形で完成したんです」と、家族のために一歩たりとも引かなかったことを明かしている。
また、イーシャは、母として姉妹を支え、妻として夫を叱咤激励するオラシーン役のアーンジャニュー・エリスの功績にも言及。「(必要なのは)ひとつだけじゃない。みんなが正しい形で私たちの父をヒーローとして語ろうとしないといけませんでした。それに、そこには母がいて、母が基盤を作ってくれたのだということも。また、家族のハートもしっかり描かれないといけない。そこはとくにこだわった部分でした。アーンジャニューは、完璧につかんでくれました。彼女は私たちの母の声をしっかり理解してくれて、彼女の存在を感じられるようにしてくれました」。
「第94回アカデミー賞」(授賞式は3月27日)では、ウィル・スミスの主演男優賞と並んで、アーンジャニュー・エリスが助演女優賞にノミネート(ほか作品賞など計6部門)。アーンジャニューは、「ナショナル・ボード・オブ・レビュー」助演女優賞や「パームスプリングス国際映画祭」アンサンブルパフォーマンス賞など数々の賞を受賞しており、自身初のオスカー獲得に期待が高まっている。
■映画を通じて若者たちに伝えたい思い
「つまり、(この映画を作るプロセスは)ひとつの旅だったんです。それも、楽で、真っ直ぐな旅ではありませんでした。でも、多くの人が一生懸命になり、深く掘り下げようとすることから、最高のものが生まれるということはあるんです」(イーシャ)と、当事者たちが達成感たっぷりに語っている本作。「観るたびに涙が出そうになる」というビーナス&セリーナは、映画を通じて未来ある若者たちに伝えたい思いを次のように語っている。
ビーナス「不可能はない、自分を信じて、ということです。疑ってはだめ。疑っても良いことは何もない。疑う時間があるなら自分を信じる時間に使って。それに、努力をすること。そうすることで自信が培われる。また、家族が力を合わせれば、なんだって達成できる。私はこの映画のそこを気に入っています。これは家族の映画。テニスのことが良くわからない人も家族の話ならわかる。最初から家族がいる人もいるし、家族を作っていかなければいけない人もいると思うけど、家族がいてくれることでもっとすごいことができるようになるんです」。
セリーナ「自分を信じれば何だって可能。高すぎる目標は、ない。限界はないんです。だから高すぎる目標を立てることを恐れてはだめです」。
本作には、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズが製作に名を連ねているだけでなく、彼女たちの姉であるイーシャ・プライスやリンドレア・プライスも深く関わった。自分たちの家族の話である。当然といえば、当然だ。
全米公開前の昨年11月7日(現地時間)にオンラインで行われたプレスカンファレンスにも、製作&主演のウィル・スミスらメインキャストとともに、ビーナス、セリーナ、イーシャの3人が顔をそろえ、この映画が実現するまでに「時間がかかった」ことや、ウィリアムズ一家が「毎日、すべての過程に関わる」ことが条件で、それが実行されたことを明かした。
■ビーナス&セリーナ、映画化されて「正直、すごくシュール」
続いてセリーナも「シュールという言葉以上に私の気持ちを良く表すものがないです。この優れた女優さんたちと、その背後にいるすべての人たちが、これを作り上げてくれました。私たちのお父さんの話を語ってくれました。私と姉は、『ワオ、本当に?』って感じでした。すごくシュールでした。しかも、お父さんを演じてくれたのはウィル。ウィルは完全にリチャード・ウィリアムズになりきってくれました。彼のおかげでこの映画は一層レベルの高いものになったと思います。この映画は大きな感動をくれる、とてもよくできた作品。優れた作品です」と大いに気に入った様子だった。
製作のティモシー・ホワイト、トレバー・ホワイトが、リチャード・ウィリアムズについての映画企画を立ち上げたのは2013〜14年頃。30人ちかい脚本家にアタックし、ザック・ベイリンが書き上げた脚本を、ウィル・スミスとイーシャ・プライスに送ったそう。「そこからこのプロジェクトは息吹を持ち始めた」(ティモシー)。
製作陣営が「自分の家族について正しく語ってくれる」と信頼するに足る人たちであるかどうか、イーシャは注意深く対応し、「(この映画を作るプロセスは)ひとつの旅だった」と振り返る。その“旅”はとても“長い旅”だった。
「彼らは私たちの父の話を語りたいと願っていました。悪く言うためじゃなくて、リチャードが父親としてどんな人だったのか、何をしたかったのか、人々にわかってもらうための話にしたい、と。そこに家族がどう協力したのか。彼らの狙いがそこにあるとわかって、私は安心しましたが、その段階での脚本はまだ初期のもので、もっと良くできる余地、正しくできる余地がありました。私たちには、ウィルもいてくれました。私たちはウィルをすごく尊敬しているし、彼も正しく演じたいと思ってくれていました。私たち家族が納得できる、忠実な形でやるのでなければ、彼はやらないという態度でした。それには時間がかかりました」(イーシャ)
「父のことを悪く言う人はまだいました。私たちは、このフィルムメーカー、このチーム、みんなが正しいことをしてくれると信頼できなければいけませんでした。スポーツがまさにそうだけれど、チャンスは1回しかない。一発で決めないとだめなんです。だからこの映画は正しい話を、正しく、公正で、正直に語るものでなければなりませんでした。家族みんなでそこに行き着くには少し時間がかかりました」(イーシャ)
■映画化にあたりファミリーが出した条件とは?
彼女たちには、メディアの過剰取材や周囲の人々の心無いうわさや中傷、偏見など、長きにわたって積もりに積もった不信感があった。
「ビーナスはすごく長いこと世間の目に晒されてきました。彼女についての記事が初めて書かれたのは、彼女が9歳の時。『コンプトン・ガゼット』です。その年から記事に書かれてきたけれど、人は私たちの家族を理解しませんでした。リンドレアや私に『家族は本当に仲が良いんですか?』『喧嘩したりしますか?』と聞いてくる人もいました。そういうことが続くと、不信感が強まっていくんです」。
不信の壁を乗り越えて、本作が実現したのは、「毎日、すべての過程に関わらせてもらえるならということで、私たちは信頼するに至ったんです」とイーシャ。本作を監督したレイナルド・マーカス・グリーンが「イシャやリンドレアが毎日現場にいて『彼女たちはこんなふうにラケットを握らないよ』とか『こんな色は絶対に着ない』とか言ってくれたことは貴重でした」と証言しており、ガチで目を光らせていたようだ。
イーシャは「私に苛立った人もいたでしょうけど(笑)、そこは大事なことでした。正しい形で語られるようにするという責任が私にはありました。キャスト全員も、製作チームも、同じことを目標にしていました。だからこういう形で完成したんです」と、家族のために一歩たりとも引かなかったことを明かしている。
姉妹を支えた母オラシーンを演じたアーンジャニュー・エリス(左)が助演女優賞で初のオスカーノミネート (C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
「第94回アカデミー賞」(授賞式は3月27日)では、ウィル・スミスの主演男優賞と並んで、アーンジャニュー・エリスが助演女優賞にノミネート(ほか作品賞など計6部門)。アーンジャニューは、「ナショナル・ボード・オブ・レビュー」助演女優賞や「パームスプリングス国際映画祭」アンサンブルパフォーマンス賞など数々の賞を受賞しており、自身初のオスカー獲得に期待が高まっている。
■映画を通じて若者たちに伝えたい思い
「つまり、(この映画を作るプロセスは)ひとつの旅だったんです。それも、楽で、真っ直ぐな旅ではありませんでした。でも、多くの人が一生懸命になり、深く掘り下げようとすることから、最高のものが生まれるということはあるんです」(イーシャ)と、当事者たちが達成感たっぷりに語っている本作。「観るたびに涙が出そうになる」というビーナス&セリーナは、映画を通じて未来ある若者たちに伝えたい思いを次のように語っている。
ビーナス「不可能はない、自分を信じて、ということです。疑ってはだめ。疑っても良いことは何もない。疑う時間があるなら自分を信じる時間に使って。それに、努力をすること。そうすることで自信が培われる。また、家族が力を合わせれば、なんだって達成できる。私はこの映画のそこを気に入っています。これは家族の映画。テニスのことが良くわからない人も家族の話ならわかる。最初から家族がいる人もいるし、家族を作っていかなければいけない人もいると思うけど、家族がいてくれることでもっとすごいことができるようになるんです」。
セリーナ「自分を信じれば何だって可能。高すぎる目標は、ない。限界はないんです。だから高すぎる目標を立てることを恐れてはだめです」。
このニュースの流れをチェック
- 1. ウィル・スミス、アカデミー賞への期待高まる『ドリームプラン』日本版予告
- 2. テニス世界最強姉妹の誕生秘話『ドリームプラン』字幕監修は伊達公子
- 3. ウィル・スミスの心を動かした“アメリカン・ドリーム”『ドリームプラン』特別映像
- 4. ウィル・スミス、ゴールデングローブ賞主演男優賞受賞の迫真の演技 『ドリームプラン』本編映像
- 5. ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹、映画『ドリームプラン』撮影現場に現る
- 6. ウィル・スミス主演『ドリームプラン』子育ての信念を熱弁する本編映像
- 7. ウィル・スミス、『ドリームプラン』は「単なるテニス映画とは違う」メイキング&15秒スポット
- 8. 漫画家・蒼木雅彦、ウィル・スミスの“猛烈パパ”ぶりをイラスト解説
- 9. ウィル・スミス主演『ドリームプラン』正解のない子育てに気づきを与えてくれる映画
- 10. テニスの女王ウィリアムズ姉妹の父親を映画化、ファミリーが出した条件は「毎日、すべて」
- 11. ウィル・スミス主演『ドリームプラン』メンタル強っ!押しの一手の本編映像
- 12. 映画『ドリームプラン』子役もモデルになった家族も賞賛するウィル・スミスの“誠実さ”
2022/02/13