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2021年の映画概況、邦画は回復傾向 年間1位は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』

 松竹・東宝・東映・KADOKAWAによる日本映画製作者連盟(映連)は25日、毎年恒例の前年(2021年)の映画概況を報告する記者会見を行った。2021年度劇場公開映画の興行収入の1位は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の102.8億円。2位は『名探偵コナン 緋色の弾丸』(76.5億円)、3位は『竜とそばかすの姫』(66億円)と、いずれもアニメ作品だった。

2021年度劇場公開映画興行収入1位となった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(C)カラー

2021年度劇場公開映画興行収入1位となった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(C)カラー

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 【年間興行収入】は、邦画・洋画合わせて1618億9300万円。興行収入を発表するようになった2000年以降、最低記録となった前年(2020年)の1432億8500万円より約186億円の増加(113%)。内訳は、【邦画】が1283億3900万円(前年比117%)で、2000年以降、第3位となる興行収入へと回復したが、【洋画】は335億5400万円(前年比98.7%)と前年をさらに下回る結果となった。

 日本の映画界は2019年に年間の入場人員数、興行収入で最高記録を更新。しかし、20年からの新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、21年も大きな影響を受け、映連では「2年にわたって多くの興行収入が失われた」とコメント。【公開本数】は邦画が前年より16本減の490本、洋画は42本減の469本で、合計959本となり、9年ぶりに公開本数が1000本を下回った。

 そんな中でも、2021年は大きな休業をすることなく興行を続けられ、入場人数は前年を上回る1億1481万8000人(前年比108.2%)となり、平均入場料金は1410円(前年比104.4%)と単価で60円アップ。これは 最近の傾向として、4D、IMAX、DOLBY ATMOS(ドルビーアトモス)といった入場料金が高額になる作品が人気なことと、低料金になるファミリーやシルバーが鑑賞を控えたことの両面があるという。

 前述のとおり、邦画については「順調に回復している」とし、興収10億円以上の作品は32本で898億9000万円を上げ、21本だった前年の790億4000万円より108億円増加となった。50億円を突破した作品は、年間上位3本のみ。ちなみに、20年の作品である『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は21年中に大幅に興行収入を伸ばしたことも付け加えておきたい(最終興行収入404.3億円)。

 また21年はアニメだけでなく、実写のヒット作品も多かった。年間4位から9位は実写作品が占め、『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』(45.5億円※上映中)、『東京リベンジャーズ』(45億円)、『るろうに剣心 最終章 The Final』(43.5億円)、『新解釈・三國志』(40.3億円)、『花束みたいな恋をした』(38.1億円)、『マスカレード・ナイト』(38.1億円)が好成績を収めた。

 映画業界にとって痛手だったのは、洋画の落ち込みだ。10億円以上を上げたのは、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(36.7億円※年間10位)、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(27.2億円)、『ゴジラvsコング』(19億円)、『映画 モンスターハンター』(12.5億円)、『エターナルズ』(12億円)の5本で、20年の4本より1本多かったが、興行収入としては54億円の減少。50億円超の作品は、20年は1本(『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』73.2億円)あったが、21年はゼロと、苦戦ぶりは明らかだ。期待していたハリウッドの大作の数々が公開延期となったり(TOHOシネマズの調べでは14本)、配信ストレートになったりしたことも要因とされている。

 2022年は、正月興行で『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』がすでに30億円を突破するヒットとなっており、洋画も、邦画も、「映画のビンテージイヤー(当たり年)」となることを願うばかりだ。

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