映画『ひかりのおと』『新しき民』の山崎樹一郎監督(※崎はたつさき)最新作『やまぶき』(2022年秋公開)が、今月26日から2月6日までオランダで開催される「第51回ロッテルダム国際映画祭」のメイン部門タイガー・コンペティションに正式出品されることになった。
ロッテルダム国際映画祭は、毎年約200作品が上映され、カンヌ、ベルリンなどと並び最も重要な国際映画祭のひとつ。世界の16作品が選ばれるタイガー・コンペティションは長編第3作までを対象とする映画祭のメイン部門で、クリストファー・ノーランやケリー・ライカート、ホン・サンス、クレベール・メンドンサ・フィリオなどの巨匠を見出したことで知られている。
山崎監督は、2011年に長編1作目『ひかりのおと』を同映画祭ブライト・フューチャー部門に出品。今回、タイガー・コンペティションへ出品するのは日本映画としては7年ぶりとなる。
同映画は、『やまぶき』は、岡山県真庭市の山間で農業に携わりながら、地方に生きる人々に光をあてて映画製作を続ける山崎監督の長編3作目。再び地元でロケをし、初めて16ミリフィルムで撮影に挑んだ。
物語の舞台は現代。かつては韓国の乗馬競技のホープだったチャンスは、父親の会社の倒産で多額の負債を背負った。岡山県真庭市に流れ着き、今はベトナム人労働者たちとともに採石場で働いている。一方で、刑事の父と二人暮らしの女子高生・山吹は、交差点でひとりサイレントスタンディングを始める。二人とその周囲の人々の運命は、本人たちの知らぬ間に静かに交錯し始める。陽の当たりづらい場所にしか咲かぬ野生の花「山吹」をモチーフに、日本社会と家族制度の歪みに潜む悲劇と希望を描きだす群像劇。
チャンス役を演じるのは、イギリスで演劇を学び、今回初めての日本映画に出演した、韓国の俳優カン・ユンス。山吹役は、『Dressing Up』『左様なら』『サマーフィルムにのって』など作家性の高い作品への出演が続く祷キララ。そして、川瀬陽太、和田光沙、三浦誠己、松浦祐也、青木崇高らが、田舎町に暮らす人々のほとばしる生を体現している。
『やまぶき』は、フランスのSurvivance(シュルヴィヴァンス)との国際共同製作によって完成。『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』でアヌシー国際アニメーション映画祭で2冠を得たセバスチャン・ローデンバックがアニメーションパートを、オリヴィエ・ドゥパリが音楽を担当。また、フランソワ・トリュフォーやモーリス・ピアラ、フィリップ・ガレルなどの巨匠監督の作品を手がけた、フランス映画の伝説的な編集マンであるヤン・ドゥデが編集協力しており、地方に生きる人々の慎ましい抵抗を、国際的な視座で描いた野心作だ。
■カン・ユンス(チャンス役)のコメント
先ずは、撮影からだけ考えても2年という長い時間を『やまぶき』の世界に自分を監禁し、コツコツとその世界を完成させてきた山崎樹一郎監督に、尊敬と感謝の気持ちをいっぱい込めてお祝いの言葉を! 初めて台本をもらった時は、チャンスやみんなの話がどう転がっていくのかドキドキしながらページをめくりました。今は『やまぶき』の話が世界のどこまで航海していき、そこで出会う人々とどんな物語を続けていくのかをワクワクと楽しみにしています。
■祷キララ(山吹役)のコメント
山崎監督の信念が呼び寄せた結果だと思います。ロッテルダム映画祭への選出、おめでとうございます。16ミリフィルムに刻まれた岡山での日々がたくさんの方々の支えを得て作品となり、国境を越えるのだ思うと胸が熱くなります。撮影中、俳優という仕事を支えてくださっている監督、スタッフの皆さんの存在の大きさを改めて感じました。一体、どんな映画になっているんだろう。スクリーンで観られる日をとても楽しみにしています。
■山崎樹一郎(監督)のコメント
切り開かれた山道の斜面で強かに順応し生きる山吹の花を見て、いつか映画にしようと決めていました。真庭に集まってくれた最高のキャストとスタッフ、多くの支援者の皆様とつくった『やまぶき』をあの素晴らしいロッテルダム映画祭のタイガー・コンペティションに選んでいただいたことをとてもうれしく思っています。
ロッテルダム国際映画祭は、毎年約200作品が上映され、カンヌ、ベルリンなどと並び最も重要な国際映画祭のひとつ。世界の16作品が選ばれるタイガー・コンペティションは長編第3作までを対象とする映画祭のメイン部門で、クリストファー・ノーランやケリー・ライカート、ホン・サンス、クレベール・メンドンサ・フィリオなどの巨匠を見出したことで知られている。
山崎監督は、2011年に長編1作目『ひかりのおと』を同映画祭ブライト・フューチャー部門に出品。今回、タイガー・コンペティションへ出品するのは日本映画としては7年ぶりとなる。
同映画は、『やまぶき』は、岡山県真庭市の山間で農業に携わりながら、地方に生きる人々に光をあてて映画製作を続ける山崎監督の長編3作目。再び地元でロケをし、初めて16ミリフィルムで撮影に挑んだ。
物語の舞台は現代。かつては韓国の乗馬競技のホープだったチャンスは、父親の会社の倒産で多額の負債を背負った。岡山県真庭市に流れ着き、今はベトナム人労働者たちとともに採石場で働いている。一方で、刑事の父と二人暮らしの女子高生・山吹は、交差点でひとりサイレントスタンディングを始める。二人とその周囲の人々の運命は、本人たちの知らぬ間に静かに交錯し始める。陽の当たりづらい場所にしか咲かぬ野生の花「山吹」をモチーフに、日本社会と家族制度の歪みに潜む悲劇と希望を描きだす群像劇。
チャンス役を演じるのは、イギリスで演劇を学び、今回初めての日本映画に出演した、韓国の俳優カン・ユンス。山吹役は、『Dressing Up』『左様なら』『サマーフィルムにのって』など作家性の高い作品への出演が続く祷キララ。そして、川瀬陽太、和田光沙、三浦誠己、松浦祐也、青木崇高らが、田舎町に暮らす人々のほとばしる生を体現している。
『やまぶき』は、フランスのSurvivance(シュルヴィヴァンス)との国際共同製作によって完成。『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』でアヌシー国際アニメーション映画祭で2冠を得たセバスチャン・ローデンバックがアニメーションパートを、オリヴィエ・ドゥパリが音楽を担当。また、フランソワ・トリュフォーやモーリス・ピアラ、フィリップ・ガレルなどの巨匠監督の作品を手がけた、フランス映画の伝説的な編集マンであるヤン・ドゥデが編集協力しており、地方に生きる人々の慎ましい抵抗を、国際的な視座で描いた野心作だ。
■カン・ユンス(チャンス役)のコメント
先ずは、撮影からだけ考えても2年という長い時間を『やまぶき』の世界に自分を監禁し、コツコツとその世界を完成させてきた山崎樹一郎監督に、尊敬と感謝の気持ちをいっぱい込めてお祝いの言葉を! 初めて台本をもらった時は、チャンスやみんなの話がどう転がっていくのかドキドキしながらページをめくりました。今は『やまぶき』の話が世界のどこまで航海していき、そこで出会う人々とどんな物語を続けていくのかをワクワクと楽しみにしています。
■祷キララ(山吹役)のコメント
山崎監督の信念が呼び寄せた結果だと思います。ロッテルダム映画祭への選出、おめでとうございます。16ミリフィルムに刻まれた岡山での日々がたくさんの方々の支えを得て作品となり、国境を越えるのだ思うと胸が熱くなります。撮影中、俳優という仕事を支えてくださっている監督、スタッフの皆さんの存在の大きさを改めて感じました。一体、どんな映画になっているんだろう。スクリーンで観られる日をとても楽しみにしています。
■山崎樹一郎(監督)のコメント
切り開かれた山道の斜面で強かに順応し生きる山吹の花を見て、いつか映画にしようと決めていました。真庭に集まってくれた最高のキャストとスタッフ、多くの支援者の皆様とつくった『やまぶき』をあの素晴らしいロッテルダム映画祭のタイガー・コンペティションに選んでいただいたことをとてもうれしく思っています。
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2022/01/07