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生田斗真、白石和彌監督初プロデュース作で主演 河林満『渇水』が30年越し映画化

 俳優の生田斗真が、映画『渇水』(来年公開)に主演することが決定した。『凶悪』(13)、『孤狼の血 シリーズ』(18、21)で知られる白石和彌監督が初プロデュースを担当。1990年文學界新人賞受賞、103回芥川賞候補となり注目を浴びた、河林満氏による名篇を、刊行から30年の時を経て初めて映画化する。生田は水道料金を滞納する家庭の水を停める業務(=停水執行)に就く、市の水道局職員の岩切俊作を演じる。 

映画『渇水』に主演する生田斗真 (C)2022『渇水』製作委員会

映画『渇水』に主演する生田斗真 (C)2022『渇水』製作委員会

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 日照り続きの夏、市内には給水制限が発令されていた。市の水道局に勤める岩切俊作の業務は、水道料金滞納家庭や店舗を回り、料金徴収と、水道を停止すること。貧しい家庭を訪問しては忌み嫌われる日々であった。俊作には妻と子供がいるが別居中で、そんな生活も長く続き、心の渇きが強くなっていた。ある日、停水執行中に育児放棄を受けている幼い姉妹と出会う。自分の子供と重ね合わせてしまう俊作。彼は自分の心の渇きを潤すように、その姉妹に救いの手を差し伸べる。

 すでに8月から9月にかけて群馬県前橋市を中心に撮影を実施。心の渇きにもがくなかで、育児放棄を受ける幼い姉妹との出会いから、ささやかな幸せを求めて本当の自分を取り戻してゆく岩切。難役どころを等身大かつ持ち前の表現力で演じきった生田は「空気や太陽の光はタダなのに、どうして水はタダじゃないんだと、世の不条理に疑問を持ち始める主人公に少しの希望と微かな光を与えることができたらという思いで精いっぱい演じました」と明かす。

 白石監督は「もう生田さん以外にありえないと思ってお願いしました」とオファーに自信。「立ち姿がすばらしいのはもちろんですが、主人公・岩切の抱える悲しみと苦悩を多く語らずとも表現してくれる俳優は生田さんだけではないかと、皆の意見が一致してオファーさせていただきました。スクリーンに映る生田さんは、やはりとてもたくさんのことを感じさせてくれるすばらしい俳優です。生田さんの新しい側面をお見せできると思います」と手応えをみせている。

 また、監督は、岩井俊二監督作品『ラストレター』や、宮藤官九郎監督の数々の作品で助監督を務めた高橋正弥氏が担当。高橋監督は「岩切という主人公が持つ、顔の表情に現れない想いや苦悩などの内面に潜んでいるものを体現できる俳優さんだと思いキャスティングさせていただきました。その内に秘めた感情を表に現す時の生田さんの演技には感服するものがありました。本来は笑顔が似合うチャーミングな方と思っていましたので、今回は演じづらいのかと思いましたが充分にやりきって頂いたと思っています。特に目で感情を語ることができる稀有(けう)な俳優さんだと改めて感じました」と圧倒されたよう。

 生田は「多くの事がシステム化され、疑問を持たずに波風を立てずに日々を過ごすことが上手な生き方なのかもしれません。ただ、なにか違う。このままでいいのかとふと立ち止まり、自分を見つめ直す事も悪くない。そう思わせてくれる作品です。公開を楽しみにしていてください」とメッセージを寄せている。

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