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「テレビが増えても、ネタが最優先」一夜で環境が激変したコント王者・空気階段が、絶対に変えない“柱”

 “コント日本一”を決める『キングオブコント2021』で、圧倒的なレベルのネタを披露し、見事に14代目キングに輝いた空気階段。ネタの構成力とともに演技力の高さも注目を集めているが、岡山県玉野市と吉本興業がタッグを組み玉野市の魅力を発信する映画『たまの映像詩集 渚のバイセコー』(11月12日公開)でも、その実力を発揮している。

空気階段(左から)鈴木もぐら、水川かたまり 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

空気階段(左から)鈴木もぐら、水川かたまり 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

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 ハートフルな全3話のオムニバス作品で、2人は第3話「氷と油」に出演。岡山出身の水川かたまりは玉野市で生まれ育った青年を等身大で演じ、都会からの“移住者”として鈴木もぐらがストーリーに波乱を呼び込む。『キングオブコント』で、歴代最高得点(※5人体制以降)となる486点を叩き出したネタ「火事」では、審査員の山内健司(かまいたち)から「映画1本を見たくらいの充実感」と絶賛された2人が、映画で何を見せてくれるのか。王者になって以降の反響も含めて、いま一番ホットな芸人に迫る。

■“フルタク”で王者を実感 次の目標は単独ライブの全国ツアー

――『キングオブコント』優勝おめでとうございます。約1ヶ月が経ちますが、環境は変わりましたでしょうか?

【かたまり】ありがとうございます。優勝直後からお仕事をたくさんいただいて、めちゃめちゃタクシーに乗ってますね。それまでは基本は電車移動で、マネージャーさんが「いいですよ」という時しかタクシーに乗れなかったので。最近はありがたいことに、タクシーに乗らないと間に合わないほどのスケジュールになっています。

【もぐら】フルタクです(笑)。快適ですね〜! シートがいいですよね、白い布がかぶせてあって高級感があって。コスパとかいろいろ考えたときに、この世で一番高いサービスってタクシーじゃないですか。ちょっと移動するだけで何千円もかかったりとか。それにたくさん乗れるということで、「これが王者なのか」と実感しております。

――次の目標は、自分で車を運転して移動でしょうか?

【もぐら】僕は原チャリの免許しか持ってないですから、まずは車の免許を取るところからです。でも奥さんが免許を持っているので、奥さんを運転手にして移動するかもしれないですね(笑)。

【かたまり】僕も免許を持ってないので、少し前に教習所に入ろうと思って入学金を払ったのですが、今の状況ではまったく行ける気がしないです……。入校式をしてから9ヶ月以内に取らなきゃいけないので、いつ入校するかを考えていますが、いずれは自分の車で移動したいと思っています。

――たくさんの方から優勝を祝福されたと思いますが、特にうれしかった言葉は?

【かたまり】どなたからの言葉もすごくうれしかったのですが、あえて挙げるなら両親かな。これまで心配をかけたという思いもありましたし、やっと安心させられたという気持ちが大きいです。

【もぐら】普段「おめでとう」なんて言われることないですから、誰から言われてもありがたいですね。嫁の言葉もうれしかったけど、地元の千葉県旭市の議員さんから電報もいただいたので、1個コネができましたね。地元の議員に口をきけるってカッコいいじゃないですか。地元の友達がなにかで困ってたら「しょうがねぇなあ、俺がちょっと議員に聞いといてやるよ」って言えるかな、と(笑)。

――『キングオブコント』を優勝し、次なる具体的な目標は?

【もぐら】まずは単独ライブでの全国ツアーですね。

【かたまり】発表時期はまだ決まっていないのですが、具体的な計画も進めています。新ネタ作りは僕たちの大事な柱なので、テレビなどのお仕事をたくさんいただけたとしても、ネタが最優先というのはブレずに続けていきます。

――これまでは「注目の若手コンビ」でしたが、優勝したことで「コント王者」としてネタを見られることになります。優勝後に舞台に立たれて、観客からの視線に違いを感じますか?

【もぐら】今はまだ吉本の劇場だと「おめでとう」「よく頑張ったね」という雰囲気で見られています。

【かたまり】僕はすごく感じていて、下手に滑れないぞという感じがあります。お客さんの「これが優勝コンビなんだな」という見方は絶対にあると思うので、それをプレッシャーに感じるというより期待を超えたいという気持ちです。

■かたまり「岡山の仕事をもっとやりたい」もぐら「僕も地元の千葉の仕事を!」

――映画についても伺います。岡山出身のかたまりさんから見て、玉野市とはどんな街ですか?

【かたまり】玉野市は宿泊研修で岡山県の小学生はみんな行くと思うんですけど、海の近くに宿舎があって、そこに泊まって水族館に行ったり、海でボートを漕いだり、岡山県民にはおなじみの場所です。僕はサッカーをやっていたので毎年、玉野市の宇野港からフェリーに乗って直島に行ってましたが、まさか役者として帰ってくるとは思っていませんでした(笑)。

【もぐら】僕は今回のロケで岡山に初めて行ったのですが、玉野市は海があって、僕の地元も海沿いで懐かしさがあったし、競輪場もあってうらやましいですよね。レース場が近くにあると、それだけで毎日の楽しみがあるじゃないですか。ちょっと時間があったらレース場に行って、「今日は誰が勝ってるんだ」とか見たりできるし、それが大自然の近くにあるから最高ですよ。ぜひ住んでみたいです(笑)。

――もぐらさんの競輪場での演技はとてもナチュラルでした。

【もぐら】僕の役がそんなにギャンブルに詳しくないふりをしてるけど、実は大好きという設定だったので、冷静にレースを見ながらも好きだという本音が垣間見えるように意識しました。普段の僕だったら、もっと全開で応援してますね。「ありがとー!!」って叫んだり(笑)。

――作品では1人の女性を巡って三角関係のようにもなりますが、2人の女性の好みは似ていますか?

【もぐら】他のコンビの芸人と話すことがあっても、そんなことコンビで話したことがないからなぁ(笑)。

【かたまり】大人になってからそんな話をすることないですよね(笑)。

【もぐら】僕は昔から広末涼子さんと深田恭子さんが好きです。

【かたまり】僕はずっと深津絵里さんと言っております。

――劇中で使われている岡山弁というと、かたまりさんの有名なエピソード(※)がありますが……。(※)かたまりが慶應義塾大学に入学直後、語尾に「じゃが」と付ける岡山弁で話していたところ、新歓クラスコンパで内部進学の“ゴルフが上手い日焼けした同級生”に「お前はじゃがいも星人なのか」とバカにされ、それがきっかけで大学を3ヶ月で中退した。

【かたまり】僕はその1件以来、ずっと岡山弁をひた隠しにしてきましたが、岡山に帰ってくるとみんな「じゃがじゃが」言ってて、エキストラに参加してくれた方も言ってて、住んでた頃の感覚が戻ってきたというか、安心感はありましたね。家族や地元の友達とは岡山弁のほうが話しやすいんですけど、東京で知り合った岡山出身の人と岡山弁で話すと、なぜかちょっと違和感があるんです(笑)。

――コントでの演技力が高く評価されており、今回の作品でも発揮されていますが、特別なトレーニングはしていますか?

【もぐら】いやいや、まったくないです。

【かたまり】舞台に立った経験だけです。お客さんの反応を見て、よかったら続ける、悪かったら直すという経験の積み重ねですね。

【もぐら】ユニットコントやったりとか、先輩芸人の方に「こういうときは、こうしたらいい」って教えてもらったりとか、積み重ねだけです。コントで培ってきたものなので、普通の俳優さんの演技とぜんぜん違いますから、一緒にお芝居をさせていただくと難しいですよ。

――今作以外にもドラマや映画に出演されていますが、今後の映像作品への意欲は?

【かたまり】もちろんお話をいただけたら、やらせていただきたいです。

【もぐら】なんでもやりますよ。だって僕ら、少し前まで山奥で冬眠から目覚めたばかりの熊を探しに行くような仕事をやってましたから。それに比べたら、演技するお仕事なんて最高じゃないですか!

――かたまりさんはドラマ『でっけぇ風呂場で待ってます』で脚本も担当されました。そういった分野にも挑戦したい?

【かたまり】自分たちのコントを最優先しつつ、お話をいただけて無理なく楽しくできるようになったら、いろんなことはやっていきたいです。

――今作はコント王者になった直後という最高のタイミングでの公開となりますが、今後も岡山を盛り上げる仕事をやっていきたい?

【かたまり】めちゃめちゃありますね。これは太字で書いてほしいんですけど、僕は岡山の仕事をもっとやりたいですし、地元の盛り上げに貢献できたらうれしいです。

【もぐら】僕も地元の千葉の仕事をやりたいですよ! これも太字で書いておいてください(笑)。千葉テレビさん、なんでもやりますのでお待ちしております!

◆空気階段(くうきかいだん)
NSC東京校17期生の鈴木もぐらと水川かたまりが2012年に結成。16年&17年に「マイナビ Laughter Night」を2連覇。19年に『キングオブコント』決勝初出場、21年に3度目の決勝で優勝を果たす。レギュラー番組はテレビ朝日『空気階段の空気観察』、TBSラジオ『空気階段の踊り場』。

■映画『たまの映像詩集 渚のバイセコー』11月12日全国公開
出演:三宅伸((一社)日本競輪選手会岡山支部所属) 渚(尼神インター) ゆりやんレトリィバァ
江西あきよし ネゴシックス ハロー植田 鈴井優 ジミー大西 鈴木もぐら(空気階段) 水川かたまり(空気階段) 園都
監督:蔦哲一朗  脚本:河村匡哉 蔦哲一朗

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  • 空気階段(左から)鈴木もぐら、水川かたまり 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.
  • 空気階段(上から)水川かたまり、鈴木もぐら 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.
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  • 空気階段・鈴木もぐら 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.
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