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【東京国際映画祭】C・イーストウッドからコメント 『クライ・マッチョ』オープニング上映

 俳優・監督・プロデューサーとして半世紀にわたって映画業界をけん引してきたクリント・イーストウッド(91)の監督デビュー50周年記念作品『クライ・マッチョ』が、30日に開幕した「第34回東京国際映画祭」のオープニング作品として上映されるのに際し、イーストウッドから特別メッセージが寄せられた。

『クライ・マッチョ』イーストウッドコメント

『クライ・マッチョ』イーストウッドコメント

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 半世紀以上に渡り一線で活躍を続ける名優にして、『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』で監督として2度のアカデミー賞に輝くクリント・イーストウッド。監督デビューから50年・40作目となるアニバーサリー作品『クライ・マッチョ』は、彼が監督・主演を兼任する新たなマスターピースだ。落ちぶれた元カウボーイと少年の旅を通して語られる“人生”とは。喜びや悲しみを背負い、なお人生を歩み続ける、生きる上で必要な“強さ”とは何かを温かく、時にユーモラスに時に切なく語りかける。40年前から検討されていた原作の映画化に、イーストウッドが満を持して向き合った本作は、まさに彼の集大成にして新境地といえる作品だ。

 イーストウッドからのコメントでは、オープニング作品選出の喜びとセレモニーに参加できない悔しさをにじませる内容につづき、「この映画を通して、私が信じる"本当の強さ"を感じてもらえるとうれしいです。」 「『クライ・マッチョ』はコロナ禍に撮影されたものです。私は本作が映画業界に、勇気と強さをもたらす作品の一つになればと思っています」と作品に込めたメッセージが語られている。

 さらに、スティーブン・スピルバーグメル・ギブソンらがイーストウッドの功績を讃える特別映像も解禁となった。西部劇の傑作『アウトロー』(1976年)、アカデミー賞5部門受賞の『許されざる者』(92年)、“マッチョ”な役柄を演じた『ダーティファイター』(78年)など、イースウッド監督作品の名シーンでその軌跡を振り返ることができる。

 「イーストウッドはアメリカンヒーローの神髄。私たちが在りたいと思う人物像だ」と語るのはプロデューサーのアルバート・S・ラディ。続いて、『父親たちの星条旗』(2006年)、『硫黄島からの手紙』(06年)、『ヒア アフター』(10年)などを製作したスティーヴン・スピルバーグが「クリントはアメリカを象徴する監督だ」とコメントを寄せる。メル・ギブソンは「アメリカの琴線に触れる感情を描く。アメリカの心と通じている」と、その演出力と演技力の双方を讃えた。そして、アカデミー賞4部門に輝いた『ミリオンダラー・ベイビー』(04年)で主演女優賞を受けたヒラリー・スワンクが「長年の経験から直感を信じて映画をつくる」と続ける。

 製作のティム・ムーアは、イーストウッドから『クライ・マッチョ』の脚本があると伝えられた。主人公のマイクは、元ロデオスターで本物のカウボーイを体現するイーストウッドらしい役だ。マイクは、元雇い主の依頼でメキシコで暮らす14歳の少年ラフォを誘拐して連れ戻す旅に出る。「昔はマッチョだったんだろ?」と問いかけられ、「昔の俺は凄かった。だが今は違う」と自らの老いを認める落ちぶれたカウボーイだ。

 さらにムーアは、本作では「人間関係のきらめきも描かれる」と語る。マイクは旅の途中で食堂を営む女性マルタと出会う。互いに自己紹介した 2人には、どんなきらめきが待っているのか。『マディソン郡の橋』(1995年)を思い出させるダンスシーンが印象的だ。

 『クライ・マッチョ』は、「とても感動的で、イーストウッド映画で見られる“象徴的な瞬間”が含まれている」と語るティム・ムーアは、「彼には夕日に向かって、馬に乗って行ってほしいと思う」と語る。『スリー・ビルボード』(2017年)の名カメラマン、ベン・デイビスがとらえた美しいメキシコの荒野の風景を走るマイクの姿に重ねて、「人生には決め時ってもんがある、今がその時だ」の名台詞が刻まれる内容となっている。

■クリント・イーストウッドからのコメント(日本語訳)

日本の皆さんへ
 最新作『クライ・マッチョ』が、第34回東京国際映画祭オープニング作品に選ばれたことをとても光栄に思います。
 本当にオープニングセレモニーに参加したかったです。この映画を通して、私が信じる"本当の強さ"を感じてもらえるとうれしいです。
 『クライ・マッチョ』はコロナ禍に撮影されたものです。私は本作が映画業界に、勇気と強さをもたらす作品の一つになればと思っています。
 どうぞ楽しんでご覧ください。

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