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松井玲奈、念願の島本理生作品に主演 「よだかの片想い」映画化

 2018年に「ファーストラヴ」で第159回直木三十五賞を受賞し、これまでにも「ナラタージュ」「Red」などの著作が映画化されてきた作家、島本理生の恋愛小説「よだかの片想い」(集英社文庫)の映画化が決定。映画『わたし達はおとな』に続く、“(not) HEROINE movies”の第二弾作品として、来年公開されることが明らかになった。

2021映画「よだかの片想い」製作委員会

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 新進女優と次世代監督がタッグを組み、「不器用に、でも一生懸命“今”を生きるヒロインたち」をそれぞれの視点で映画化するプロジェクト。本作は、遅い「初恋」を通して成長する女性の内面を瑞々しく描く。

 主演を務めるのは、映画『はらはらなのか。』(17年/酒井麻衣監督)、『今日も嫌がらせ弁当』(19年/塚本連平監督)、『ゾッキ』(21年/竹中直人監督)などに出演し、今年11月には主演映画『幕が下りたら会いましょう』(21年/前田聖来監督)が控える松井玲奈

 小説家としても活躍し、読書好きとしても知られている松井は、かねてより島本作品のファンであることを公言しており、「よだかの片想い」は松井が初めて接した島本作品だった。もし実写化される時は是が非でもヒロインのアイコ役をやりたいと、熱望し続けていたという。

 物語の主人公・前田アイコは理系女子大生。彼女の顔の左側にはアザがある。幼い頃から、からかいや畏怖の対象にされ、恋や遊びはあきらめていた。大学院でも研究一筋の生活を送っていたが、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題となってから、状況は一変。本が映画化されることになり、友人の編集者の手引きで、監督の飛坂逢太と会う。話をするうちに彼の人柄にひかれ、作品にも感動するアイコ。飛坂への片想いを自覚してから、不器用に距離を縮めていくが、相手は仕事が第一で、女性にも不自由しないタイプ。アイコは飛坂への思いを募らせながら、自分のコンプレックスとも正面から向き合うことになる。

 アイコが思いを寄せる飛坂役で中島歩が共演。中島は、2015年に公開された初主演映画『グッド・ストライプス』(岨手由貴子監督)で「第7回TAMA映画賞」最優秀新進男優賞を受賞し、「第71回ベルリン国際映画祭」銀熊賞を受賞した『偶然と想像』(21年/濱口竜介監督)や、「第76回ベネチア国際映画祭」コンペティション部門に選出された『サタデー・フィクション』(公開未定/ロウ・イエ監督)などの出演作の公開が控える。

 監督は、長編映画監督デビュー作の『Dressing Up』(12年)が「第7回大阪アジアン映画祭」にて上映された後、13年の「第14回TAMA NEW WAVE」のグランプリを受賞し、15年に全国で劇場公開され、「第25回日本映画プロフェッショナル大賞」新人監督賞を受賞した新鋭・安川有果

 脚本は、『性の劇薬』、『アルプススタンドのはしの方』(ともに20年)の2作品で「第42回ヨコハマ映画祭」監督賞を受賞し、今年6月には今泉力哉監督(『愛がなんだ』『街の上で』など)とのコラボレーション企画として、互いに脚本を提供し合ってR15+指定のラブストーリーとなる劇場映画を監督する企画「L/R15(えるあーるじゅうご)」を発表するなど、脚本家としても精力的に活動する城定秀夫が手掛けた。き、さまざまなものを抱えて日々を生きる人の心に寄り添っていく。

■松井玲奈のコメント
 「よだかの片想い」は私にとって特別な一冊です。描かれる恋愛模様に心奪われた日から、いつかアイコを演じたいと強く思い、そして今回その夢が叶いました。敬愛する島本理生さんの、中でも特に思い入れの強い作品。その世界を生きることができるなんて、こんなにも嬉しいことはありません。皆さんにご覧いただける日が来ることが、今から楽しみです。

■中島歩のコメント
 安川監督と松井さんとは会ったその日から率直に話し合える風通しの良い関係でした。それぞれが恋愛観を持ち寄り作品に織り込んでいった、気恥ずかしくも創造的な撮影でした。皆様にご覧いただける日が楽しみです。

■安川有果監督のコメント
 「まだ映画にできるかわからないが、感想を聞かせてください」とプロデューサーから薦めていただき、顔のアザによって生まれる不思議な関係性を描いた小説「よだかの片想い」を初めて読みました。私がこれまで読んできた島本さんの小説とは雰囲気の違うライトな読み口が新鮮で、偏った美の価値観が蔓延する社会でアザごと自分を肯定したいと願う主人公アイコの魅力に心を捕まれ、読み終える頃には「ほかの監督の手に渡ってほしくない」と強く感じていました。

 松井さんは、この役を熱望されていただけあって頼もしく、映画全体を引っ張ってくれました。シーンの相談の為に待機場所を訪ねると、びっしりと付箋のついた小説を読み込んでいた姿が今も目に焼き付いています。その覚悟と熱量で「島本作品の主人公を演じる」夢を叶えた松井さんの姿には幾度となく刺激を受けましたし、アイコに魂を吹き込んでくれた松井さんの魅力がそのままこの映画の魅力であると自信を持って言いたいです。

 中島さんはユニークな方で、特に印象に残っているのは、撮影が終わってしばらくしてからアフレコにお越しいただいたときに、あるシーンの自分の演技を見て「この人モテてきた人ですね」とおっしゃったことです。その時は「(撮影時じゃなく)今?」と思いましたが、後になって、意識すると演技に影響が出るからわざと忘れていたんだな、と気がつきました。撮影の時にも準備してきたものを忘れることを意識的にされていた印象があり、安心できないところに身を投げ出す勇敢さに、俳優の凄さを垣間見た気がしました。

 このお二人の間にしか生まれない素敵な瞬間を見つめることのできた撮影は、とても幸福な時間でした。粘り強く何度も脚本を書き直してくださった城定さん、まだ発表されていない素敵なキャストの皆さん、支えてくださった優秀なスタッフの皆さんにも、この場を借りてお礼を言いたいです。皆で作った映画が少しでも誰かの心に残るものになっているなら、こんなに幸せなことはありません。お届けできる日が今から待ち遠しいです。

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