『グレイテスト・ショーマン』「X-メン」シリーズなどで、日本でも人気のハリウッド俳優ヒュー・ジャックマンが主演するワーナー・ブラザース映画『レミニセンス』が17日により全国公開される。本作の脚本・監督は、HBO放送の『ウエストワールド』(2016年〜)のヒットで脚本家・監督・プロデューサーとしての類まれなる才能を世に知らしめたリサ・ジョイ。彼女の私生活でのパートナー(夫)であるジョナサン・ノーラン(クリストファー・ノーランの実弟)もプロデューサーとして本作に参加している。ORICON NEWSでは、米ロサンゼルスにいるリサ・ジョイ監督にオンラインインタビューを実施した。
■ヒュー・ジャックマンしかいない、と思っていた
――本作は、『ウエストワールド』でブレイクする前、第一子を妊娠中につわりに苦しみながら脚本を書き始めたと聞きました。何か運命的なものを感じていますか?
【リサ・ジョイ】この映画は、私が妊娠していなかったら存在していなかったと思うわ。妊娠は、私に奇妙なギフトを与えてくれたの。妊娠中の女性に、テレビドラマの仕事を任せてもらえるかといったら、それは難しいことだわ。しばらく仕事は見つからないと思っていた。失業して、とても不安だった。「あなたは脚本を書くことから引退したんですね」って言われたこともあったわ。
もともと私は物語を書くことが大好きで、書くことに幸せを感じるの。つわりはとてもつらかったけど、ほかに何もすることがなかったし、自分が書きたいと思ったものを書くことにしたの。それは、私にとって初めてオリジナル作品を書く機会になりました。もし、妊娠して、失業していなかったら、思い切ったことはしなかったと思う(笑)。だから、私の幼いベイビーが、私自身の声を見つけようとする勇気を与えてくれたことに感謝しているの。
――主人公ニック役にヒュー・ジャックマンさんをキャスティングした理由は? 彼と仕事をした感想は?
【リサ・ジョイ】彼は本当に素晴らしかったわ。脚本を書いている時から、ニックを演じるのはヒュー・ジャックマンしかいない、と思っていたのよ。彼以外の選択肢はなかったわ。私は一人の映画ファンとして、ヒュー・ジャックマンの魅力を知っていた。彼はとてもハンサムで、映画スターで、アクションもできるわ。彼が演じるキャラクターには説得力がある。ヒューは、ニックを演じるために、全力を注いでくれる。高い演技スキルを持っている上に、どんな苦労もいとわずに取り組んでくれる。彼のような才能とカリスマ性を持ち合わせた役者はほかにいないってことはわかっていたの。だから私は彼と仕事をしたかったのよ。
そして、撮影している間、彼は本当に素晴らしかった。すべてのシーンで私を助けてくれた。彼は効率よく撮影が進むように、ずっと現場にいてくれたの。出番がないからといって自分の支度部屋に戻ることをせず、私たちがほかの撮影をしている間にその辺で着替えていました。大物俳優にありがちなエゴもなく、とても謙虚で、寛大で、献身的でした。私はいままで以上に彼のことが大好きになりました。
現場で私は彼に「クロサワ(黒澤明)は、ミフネ(三船敏郎)と組んで数々の名作を生んだ。私はもちろんクロサワじゃないけど、あなたは私のトシロー・ミフネになるかもしれない」と、よく言っていたの(笑)。「あなたと何度も何度も一緒に仕事をしたい。あなたをおいてほかに誰がいるというの? あなたは本当に素晴らしい。今後もずっと私と一緒にやりましょう」って、しつこく言って、彼を悩ませていたわ。
■「過去の記憶を再体験する」アイデアについて
――本作の<レミニセンス(記憶潜入)>というテーマはどこから来たのですか?
【リサ・ジョイ】祖父が亡くなり、遺品の整理を手伝っていた時に、人には、胸の奥にしまい込んだ“一生の思い出”があるんだな、ということに気づいたんです。何度となく思い返し、生きる糧にしている。誰にも打ち明けることのない思い出だけに、本人がこの世から消えたら、一緒に消えてしまう。人はみな、最後は“思い出話”になるのかもしれません。だとしたら、面白いエピソードを残せるように今を生きるべきではないか、そして、自分が得た以上の感動を構成に残すべきできではないかと思っていきました。
また、人生の中で、たった一瞬の出来事や人とのつながりが、どれだけ影響力のあるものなのか、ということも考えました。生まれて間もない娘をあやし、赤ちゃん特有の頭の匂いを嗅いでいる時に、「この瞬間を封じ込めて保管したい」と思いました。娘はすぐに抱けないほど大きく育ち、赤ちゃん特有の匂いもしなくなってしまうことがわかっていましたから。育児に疲れながらも、この日常の瞬間が、どれだけ特別なものなのか。このような私の個人的な出来事が、「人生に影響力がある過去の記憶を再体験することができたら」と言う本作のコンセプトにつながっていきました。
――劇中に登場する装置を使って再体験したい記憶は何ですか?
【リサ・ジョイ】私がもっとも再体験したいと思う出来事は…そうね、この映画の撮影初日、撮影が始まる直前の記憶を再体験したいわ。自分で書いたオリジナル脚本の映画化が実現するなんて、信じられなかった。それは、私にとってずっとかなえたかった夢だったのよ。私はいつも現場に誰よりも早く行くようにしているんだけど、その日も一番乗りで、日の出を見たわ。それから、私が大好きなクルーたちが、やってきて準備を始めるところを見ていた。敬愛するすべての役者たちにあいさつした後、私は現場に置いてあったピアノで「ハレルヤ」(レナード・コーエンの曲)を弾いたの。私は撮影現場を見回して、この映画のために集まってくれた人たちを見ながらピアノを弾き、ものすごい感謝の気持ちでいっぱいになった。とても美しい、活気にあふれていたあの時を再体験したいわ。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
■ヒュー・ジャックマンしかいない、と思っていた
――本作は、『ウエストワールド』でブレイクする前、第一子を妊娠中につわりに苦しみながら脚本を書き始めたと聞きました。何か運命的なものを感じていますか?
【リサ・ジョイ】この映画は、私が妊娠していなかったら存在していなかったと思うわ。妊娠は、私に奇妙なギフトを与えてくれたの。妊娠中の女性に、テレビドラマの仕事を任せてもらえるかといったら、それは難しいことだわ。しばらく仕事は見つからないと思っていた。失業して、とても不安だった。「あなたは脚本を書くことから引退したんですね」って言われたこともあったわ。
もともと私は物語を書くことが大好きで、書くことに幸せを感じるの。つわりはとてもつらかったけど、ほかに何もすることがなかったし、自分が書きたいと思ったものを書くことにしたの。それは、私にとって初めてオリジナル作品を書く機会になりました。もし、妊娠して、失業していなかったら、思い切ったことはしなかったと思う(笑)。だから、私の幼いベイビーが、私自身の声を見つけようとする勇気を与えてくれたことに感謝しているの。
――主人公ニック役にヒュー・ジャックマンさんをキャスティングした理由は? 彼と仕事をした感想は?
【リサ・ジョイ】彼は本当に素晴らしかったわ。脚本を書いている時から、ニックを演じるのはヒュー・ジャックマンしかいない、と思っていたのよ。彼以外の選択肢はなかったわ。私は一人の映画ファンとして、ヒュー・ジャックマンの魅力を知っていた。彼はとてもハンサムで、映画スターで、アクションもできるわ。彼が演じるキャラクターには説得力がある。ヒューは、ニックを演じるために、全力を注いでくれる。高い演技スキルを持っている上に、どんな苦労もいとわずに取り組んでくれる。彼のような才能とカリスマ性を持ち合わせた役者はほかにいないってことはわかっていたの。だから私は彼と仕事をしたかったのよ。
そして、撮影している間、彼は本当に素晴らしかった。すべてのシーンで私を助けてくれた。彼は効率よく撮影が進むように、ずっと現場にいてくれたの。出番がないからといって自分の支度部屋に戻ることをせず、私たちがほかの撮影をしている間にその辺で着替えていました。大物俳優にありがちなエゴもなく、とても謙虚で、寛大で、献身的でした。私はいままで以上に彼のことが大好きになりました。
現場で私は彼に「クロサワ(黒澤明)は、ミフネ(三船敏郎)と組んで数々の名作を生んだ。私はもちろんクロサワじゃないけど、あなたは私のトシロー・ミフネになるかもしれない」と、よく言っていたの(笑)。「あなたと何度も何度も一緒に仕事をしたい。あなたをおいてほかに誰がいるというの? あなたは本当に素晴らしい。今後もずっと私と一緒にやりましょう」って、しつこく言って、彼を悩ませていたわ。
■「過去の記憶を再体験する」アイデアについて
――本作の<レミニセンス(記憶潜入)>というテーマはどこから来たのですか?
【リサ・ジョイ】祖父が亡くなり、遺品の整理を手伝っていた時に、人には、胸の奥にしまい込んだ“一生の思い出”があるんだな、ということに気づいたんです。何度となく思い返し、生きる糧にしている。誰にも打ち明けることのない思い出だけに、本人がこの世から消えたら、一緒に消えてしまう。人はみな、最後は“思い出話”になるのかもしれません。だとしたら、面白いエピソードを残せるように今を生きるべきではないか、そして、自分が得た以上の感動を構成に残すべきできではないかと思っていきました。
また、人生の中で、たった一瞬の出来事や人とのつながりが、どれだけ影響力のあるものなのか、ということも考えました。生まれて間もない娘をあやし、赤ちゃん特有の頭の匂いを嗅いでいる時に、「この瞬間を封じ込めて保管したい」と思いました。娘はすぐに抱けないほど大きく育ち、赤ちゃん特有の匂いもしなくなってしまうことがわかっていましたから。育児に疲れながらも、この日常の瞬間が、どれだけ特別なものなのか。このような私の個人的な出来事が、「人生に影響力がある過去の記憶を再体験することができたら」と言う本作のコンセプトにつながっていきました。
――劇中に登場する装置を使って再体験したい記憶は何ですか?
【リサ・ジョイ】私がもっとも再体験したいと思う出来事は…そうね、この映画の撮影初日、撮影が始まる直前の記憶を再体験したいわ。自分で書いたオリジナル脚本の映画化が実現するなんて、信じられなかった。それは、私にとってずっとかなえたかった夢だったのよ。私はいつも現場に誰よりも早く行くようにしているんだけど、その日も一番乗りで、日の出を見たわ。それから、私が大好きなクルーたちが、やってきて準備を始めるところを見ていた。敬愛するすべての役者たちにあいさつした後、私は現場に置いてあったピアノで「ハレルヤ」(レナード・コーエンの曲)を弾いたの。私は撮影現場を見回して、この映画のために集まってくれた人たちを見ながらピアノを弾き、ものすごい感謝の気持ちでいっぱいになった。とても美しい、活気にあふれていたあの時を再体験したいわ。
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2021/09/12