10月1日より同時上映される、古川琴音主演の短編映画『春』と武イリヤ主演の短編映画『リッちゃん、健ちゃんの夏。』の予告編と、『春』の古川バージョンのポスタービジュアル、『リッちゃん、健ちゃんの夏。』の3パターンのポスタービジュアルが解禁となった。両作品の監督を務める大森歩のコメントも紹介する。　

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　『春』は、3年間祖父と二人暮らしをし、美術大学を卒業し、現在CMなどのディレクターとして活躍する大森監督自身の経験をもとに、祖父を介護する美大生の心情を繊細に描いた作品。認知症が進む祖父に、イライラが募った主人公が思わずしてしまう行動など、監督が過去に抱いたであろう、他人には見せたくないような汚い感情も逃げずに描いたリアリティなどが評価され、「京都国際映画祭2018 クリエイターズ・ファクトリー」ほか9つの映画祭にてグランプリを受賞したほか、「文化庁メディア芸術祭2019」新人賞（大森）、「TAMA NEW WAVE」ベスト女優賞（古川）も受賞した。

　連続テレビ小説『エール』（NHK）の主人公夫婦の一人娘役や『コントが始まる』（日本テレビ）の有村架純の妹役、映画『泣く子はいねぇが』、『街の上で』などで注目を集めた古川にとって、初主演映画となる。

　20年間劇団東京ヴォードヴィルショーの中心メンバーとして活躍し、舞台を中心に活動をしている花王おさむが祖父を、『海辺の映画館-キネマの玉手箱』（監督：大林宣彦）で被曝ピアノを演奏した加藤才紀子が、アミのアニメオタクの同級生・橋本を演じている。

　『リッちゃん、健ちゃんの夏。』は、「渋谷TANPEN映画祭CLIMAXat佐世保」のオリジナル短編映画として佐世保市で制作。2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録された「黒島の集落」を舞台に、女子中学生と国語教師の淡い恋を描いたラブストーリー。「あいち女性国際映画祭」ほか3つの映画祭にてグランプリを受賞し、「文化庁メディア芸術祭2020」審査員推薦作品に選ばれた。

　中学生の主人公・リッちゃんを、現在カネボウ「KATE」などのモデルを務めており、撮影当時は大学1年だった武が好演。国語教師の健ちゃん役で『ナポレオンと私』の笈川健太が映画初主演を飾った。黒島の美しい実景を優しく彩る、寺尾紗穂の主題歌「あの日」も印象的な作品。

■監督・脚本：大森歩のコメント

・『春』について

　認知症の物語では無いです。自分はラブストーリーと思い込んで作ってました。タイトルの「春」は、四季の一つで、青春・思春期、異性に目覚めること、年月の流れ、物事のはじめ…みたいに、いろいろな意味を含んでいます。

　実際に祖父と二人で暮らしていた時、この人は50年後の自分なんじゃないか…と不思議な感覚に包まれて、それが心地良くて、家が薄い膜に守られていたような気がします。だから、そこから抜け出すのもビビってしまうくらい祖父のことが好きだったんだと思います。ひたむきに表現してくれた、古川琴音さん、花王おさむさんに感謝いたします。

・『リッちゃん、健ちゃんの夏。』について

　ロケ地の長崎県佐世保市黒島はカトリックと仏教が混在した珍しい島です。この島は「誰が何を信じてもいい」という、いい風が吹いていました。撮影では若くてピチピチしたリッちゃんと健ちゃんが、手をつないだり、チュウするたびに「ぅおい！　ふざけんな！　見ちゃいられないよ！」って、もう恥ずかして恥ずかしくて（自分で書いたくせに）気が気じゃなかったです。主題歌である寺尾紗穂さん「あの日」は、大人になるほど、自分の歌だと思える名曲です。この曲を目指して作った映像を、劇場でどうぞご覧ください。

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