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『桜の塔』脚本・武藤将吾、ダークヒーローは『仮面ライダービルド』から着想「正義というのは、あいまいで脆い」

 俳優・玉木宏(41)が主演するドラマ『桜の塔』(毎週木曜、後9:00)。第2話がきょう22日に放送される。脚本を務める武藤将吾氏と田村直己監督が取材会を開催し、作品の見どころなどを語った。

テレビ朝日系木曜ドラマ『桜の塔』第2話より(左から)関智一、椎名桔平、玉木宏 (C)テレビ朝日

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 『桜の塔』は、桜の代紋を掲げる警視庁を舞台に、その頂点=警視総監の座をめぐり、激しい出世バトルを描いていくストーリー。幼少期の“ある出来事”が火種となり、権力を手に入れることを渇望するようになった警視庁捜査共助課の理事官・上條漣を玉木が演じている。

 武藤氏は『仮面ライダービルド』(2017年)で脚本を務め、田村監督は『仮面ライダージオウ』『仮面ライダーエグゼイド』などで監督を務めていた“仮面ライダータッグ”となっている。

 本作で描く“ヒーロー”のあり方について聞かれると、武藤氏は「この物語自体が仮面ライダーを書いて『正義って、こうあるべきだよ』というのを子どもに伝えたくて書いた」と告白。「その一方で、正義というのは、あいまいで脆い。人の見方によって正義の見方が変わる。その正義ってなんなのかを考えた時に、正義という輪郭がハッキリしている警察という組織を逆説的に描くっていうことが、フィクションでやる意味なのかな」と警察組織を舞台にした理由を説明した。

 それだけに「声を大にして言いたいのは『警察は、こんなに悪いところじゃないです』と」と笑いながら呼びかけ「世間から見て正義の象徴の警察を逆説的に描くのはチャレンジする意味がある。僕の中で仮面ライダーという作品で伝えたい正義があった。それを大人が見て、その『正義とは』を問い詰めたのが『桜の塔』。だから正義という言葉もよく出てきます。人によって正義も違う。そこがテーマにもなるのかな」と口にした。

 一方の田村監督は「仮面ライダーでは、ご一緒できなかった。惜しいタイミングもあったので『惜しかったですね』という話もした」とする。そして「撮っていると、子どもが見ても、大人が見ても、仮面ライダーのファンが見ても『なるほど』と思う。大人のうねりなんですけど、子どもにも見てほしい。キャラクターは一癖も二癖もあるけど、いろんな価値観の正義を描いている。それが面白い。仮面ライダーも、そういう大きなテーマがある。撮ってて撮りやすいのは、そういうことも考えているからかな」と共通点を語りながら「ついついアクションとか入れたくなっちゃいますね(笑)」と冗談まじりに話していた。

 また、武藤氏が脚本を務めた『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』、『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』では、仮面ライダーファンが喜ぶような仕掛けもあった。今作も期待したいところだが「今回は『3年A組』から椎名桔平さん、『ニッポンノワール』から広末涼子さんが出てくださっている。ここで『ビルド』をやると『色気づいたな』と思われてしまうので(笑)」と苦笑い。「初のテレ朝ということもあり、キャスティングは完全にお任せしました。相性がいい人をキャスティングの時に『こういう人はどうですか?」』言うことはあるんですが、今回は完全にお任せしたんですけど、非常に適材適所。僕の書いた本をうまく表現していただいて、そこに感動しています。仕込むのは田村監督かな(笑)」。

 後を受けた田村監督だったが「今回は隙間がないんですよね」と、こちらも苦笑い。「僕も仮面ライダーのかわいいヤツらがいるんですが…。せっかく武藤さんと組むので入れたいなって思うんですけど、(役の)年齢が高い大人なドラマで合う役がないんですよね」とぽつり。それでも最後は「『どこかに出るかもしれません!』って書いといてください(笑)」とニヤリとしていた。

■『桜の塔』第2話あらすじ
 銀行強盗事件で手柄を立てた警視庁捜査共助課の理事官・上條漣(玉木宏)は、1日おきに女性たちが矢で襲われるも負傷者はゼロ…という奇妙な連続通り魔事件の捜査指揮を担当。さらに、同期である警備部所属の新垣広海(馬場徹)と警務部所属の馳道忠(渡辺大知)と共に、警視正への昇進候補者にも選ばれる。だが、警視正のポストの空きは2人分。3人それぞれの上司である刑事部長・千堂大善(椎名桔平)と、警備部長・権藤秀夫(吉田鋼太郎)、警務部長・吉永晴樹(光石研)は、警視総監・荒牧雄彦(段田安則)に推薦すべき人物を絞るため会議を開くが、いつしか派閥同士の小競り合いに発展し、話し合いは難航。すると、荒牧が「1週間後に投票で決めよう」と、前代未聞の提案をしてきた。しかし投票者の半数は、吉永率いる「東大派」と権藤率いる「薩摩派」の2派閥に属する者で占められている。言わずもがな、「外様派」である千堂の下にいる漣には極めて不利な状況だった…。それでも野心をたぎらせる漣。彼は連続通り魔事件が社会的に大きな反響を呼べば、捜査指揮をとる自分の評価も上がるとにらみ、静かなる闘志を燃やす。

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  • テレビ朝日系木曜ドラマ『桜の塔』第2話より(左から)関智一、椎名桔平、玉木宏 (C)テレビ朝日
  • テレビ朝日系木曜ドラマ『桜の塔』第2話より玉木宏 (C)テレビ朝日
  • テレビ朝日系木曜ドラマ『桜の塔』第2話より広末涼子 (C)テレビ朝日
  • テレビ朝日系木曜ドラマ『桜の塔』第2話より(左から)広末涼子、玉木宏 (C)テレビ朝日
  • テレビ朝日系木曜ドラマ『桜の塔』第2話より (C)テレビ朝日

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