代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が2020年2月に新たに刷新された新パスポートや2024年度から使用される千円札のデザインに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト 葛飾北斎。その北斎の知られざる生涯を初めて描く映画『HOKUSAI』が、新型コロナウイルスの感染拡大による丸1年の延期を経て、5月28日から全国公開されるのを記念して、神奈川・箱根にある岡田美術館(館長・小林忠)で、4月3日(土)から9月26日(日)まで、北斎の作品を特別展示することになった。 今月16日に、NYのオークションで北斎の代表作《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》が約1.7億円で落札され、木版画集の価格の世界記録を更新した事で注目を集める北斎作品。自ら「画狂老人卍」と名乗り、江戸時代としては稀な90歳という長寿を全うした北斎。代表作「冨嶽三十六景」を 70代に手掛け、絶命する直前、「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし(あと五年寿命があれば、本物の絵師になれるのに)」という言葉を残したとされるその人物像は、現代を生きる私たちにも強烈なインパクトを与える。
2021/03/29