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三浦春馬さん、取材でも漂う“清廉さ” 家康に乗り移った美しき姿

 きょう3月12日公開の映画『ブレイブ ―群青戦記―』に徳川家康役で出演している三浦春馬さん。新田真剣佑演じる主人公・西野蒼ら高校生エリートアスリートたちが戦国時代にタイムスリップしてしまった際、蒼たちを導く役柄を演じており、三浦さんならではの美しい立ち姿や佇まい、そして力強い清廉さで、作品を力強く彩っている。

『ブレイブ −群青戦記−』の場面カット (C)2021「ブレイブ -群青戦記-」製作委員会(C)笠原真樹/集英社

『ブレイブ −群青戦記−』の場面カット (C)2021「ブレイブ -群青戦記-」製作委員会(C)笠原真樹/集英社

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 日本でも有数のスポーツエリートたちが集う名門校の生徒たちが、強い雷と共に、戦国時代にタイムスリップしてしまうという、笠原真樹氏の人気コミックを実写映画化した本作。三浦さんは、タイムスリップし、わけも分からず戦国武将から攻撃されてしまう高校生たちを導く徳川家康として作品に登場する。

 名門校のスポーツエリートだが、まだ高校生という未熟な部分も多いアスリートたち。仲間のために自分の命を顧みることなく、懸命に戦国武将たちと闘う姿は、青臭くもあり、危なっかしさもある。そんななか、敵か味方か分からないまま蒼たちの前に登場した家康に必要なのは、会った瞬間に引き寄せられる圧倒的な存在感。

 しかし家康自身、この時代はまだ織田信長や今川義元が存命であり、絶対的な権力者ではない。その意味で、松山ケンイチが演じた織田信長のような威圧感で、存在の大きさを誇示することはできないため、カリスマ性をどう表現するのか、非常に難易度の高い役柄に思われた。

 そんななか、ファーストシーンから、甲冑姿で登場した三浦さんは存在感抜群であり、蒼たちはすぐに“ただものではない”と感じ取る。その大きな要因となっているのが、三浦さんの背筋の伸びた美しい姿勢からくる立ち姿の華やかさと力強さ、そして「この人になら、ついていっても大丈夫かもしれない」と一瞬で感じさせる佇まいではないだろうか。

 そこには家康という人物の役への深い理解はもちろんだが、三浦さん自身の持つ人としての“清廉さ”が、家康に重なったからこそ、ここまで魅力的なキャラクターを作り上げられたのでは…と感じさせられた。

 幸運なことに、過去何度も出演作品で三浦さんに取材をさせていただく機会に恵まれたが、どの作品でも共演者やスタッフなどへの感謝を口にし、役に対して私欲なく身をささげる、心の清らかさが印象に残った。三浦さんと共演された方に話を聞いても、先輩後輩問わず、その柔らかさと作品に対する熱い思いを称賛している人が多い。

 また頭の回転の速さにも、いつも驚かされた。どんな質問にも的確に、分かりやすく、こちら側の質問の意図を瞬時に理解し、具体的に話しをしてくれるので、取材する側は本当にありがたかった。

 前述のように、劇中で三浦さんの立ち姿が美しい作品は非常に多いが、取材の際も、姿勢の良さにハッとさせられることが多かった。もちろん、背の高いスツールに座り、前かがみに話しを聞くシチュエーションもあるが、そんなときでも背を丸めることがなく、なんともしなやかで引き込まれる。

 これまで舞台、映画、ドラマとさまざまなジャンルで活躍し、多くの人の心を魅了してきた三浦さんだが、そんな人柄を表すように背筋を正した姿勢の良さにも、清廉さが漂っており、彼の大きな魅力といえるだろう。特に本作のような、時代作品で魅せる凛とした佇まいは、ひときわ目で追ってしまう。

 劇中、タイムスリップした高校生たちは、自分の命、そして仲間の命のために、ひたむきに前に進む。そんな若い血潮を、三浦さん演じる家康は全身全霊で受け止め、進む道に光を照らす。濁りのない澄んだ思いは、多くの人の心を動かす。まるで、家康に三浦さんの人柄が乗り移ったかのように、力強く、そして美しい姿だった。(文・磯部正和)

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