ビジネス書籍の要約文をアプリに配信するITベンチャーのフライヤーは16日、一般投票による『読者が選ぶビジネス書グランプリ2021』授賞式を開催し、受賞7作品を発表した。総合グランプリは、AI時代の展望について書いた『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』（安宅和人氏／ニューズピックス）が輝いた。

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　同グランプリは「ビジネス書における有益性を評価できるのは読者である」というコンセプトのもと、一般投票により決まるビジネス書の年間アワード。今年で6回目を迎えた。

　今回、59社の出版社から過去最多となる119冊のエントリーが寄せられた。対象書籍は、日本国内で1年以内（2019年12月〜2020年11月）に刊行されたビジネス関連書。それらを6部門（イノベーション、マネジメント、政治・経済、自己啓発、リベラルアーツ、ビジネス実務）に分け、インターネット上で一般から広く投票を受け付けた。各部門に加えてグランプリ候補の投票枠も設け、最も票を集めた書籍を『日本一のビジネス書』として、総合グランプリに決定している。

　フライヤー編集部は、今年のビジネス書のトレンドは「当たり前からの変化」と指摘。「新型コロナウイルスによって、人々の働き方や生活様式は大きな変化を余儀なくされ、人と顔を合わせることもままならず、これまでの『常識』は通用しなくなっています」とし、「そんな『当たり前』が消え去ったなかで、ビジネスパーソンは書籍に『新しい軸』を探し求めようとしています。各受賞作品の人気の背景には、国家や職場、個人レベルでの『新しい軸』を模索し、より良い方向に社会を建て直していこうという前向きな意思があらわれています」と説明している。

　また今年は「コロナ禍を支えたビジネス書」を表彰する賞として、当社要約サイトで2020年を通して最もアクセス数の多かった作品（集計期間：2019年12月1日〜2020年11月30日）に贈る特別賞を設け、円滑なコミュニケーションの取り方を説いた『人は話し方が9割』（永松茂久氏／すばる舎）が選ばれた。同編集部は「今まで当たり前に行っていた『コミュニケーション』を改めて考えるきっかけとなる本として注目を集め、販売部数が60万部を超える2020年のヒット作です。創造的な対話によって職場や地域の課題を解決しようとする姿勢のあらわれと言えます」としている。

　発表に合わせあす17日から、紀伊國屋書店・新宿本店や三省堂書店・神保町本店などの大手書店を始めとする全国の書店950店以上で、受賞7作品の店頭フェアを順次開催。「ネットとリアル書店の融合」をテーマに、書店と連動した企画を試みる当社最大のフェアとなっている。

■『読者が選ぶビジネス書グランプリ2021』受賞作品

グランプリ：『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』（安宅和人氏／ニューズピックス）
イノベーション：『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』（堀内都喜子氏／ポプラ社）
マネジメント部門：『心理的安全性のつくりかた』（石井遼介氏／日本能率協会マネジメントセンター）
政治・経済部門：『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』（安宅和人氏／ニューズピックス）
自己啓発部門：『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』（鈴木祐氏／クロスメディア・パブリッシング）
リベラルアーツ部門：『LIFESPAN（ライフスパン）　老いなき世界』（デビッド・A・シンクレア氏、マシュー・D・ラプラント氏（著）、梶山あゆみ氏（訳）／東洋経済新報社）
ビジネス実務部門：『本当の自由を手に入れる お金の大学』（両＠リベ大学長氏／朝日新聞出版）
特別賞：『人は話し方が9割』（永松茂久氏／すばる舎）