漫才日本一を決める『M-1グランプリ2020』(ABC・テレビ朝日系)が20日に生放送された。今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から細心の注意を払った上での開催となったが、アキナ、マヂカルラブリー、見取り図、錦鯉、ニューヨーク、おいでやすこが、オズワルド、東京ホテイソン、ウエストランド、敗者復活を勝ち上がったインディアンスの10組が多彩なネタで笑いを届けた。
決勝の司会は、今田耕司(14回目)と上戸彩(9回目)、審査員は松本人志(14回目)、オール巨人(8回目)、上沼恵美子(8回目)、中川家・礼二(6回目)、富澤たけし(4回目)、立川志らく(3回目)、塙宣之(3回目)の7人(※回数順、同数の場合は50音順)。3年連続で同じ審査員が顔をそろえるのは、M-1史上初となった。
トップバッターは、まさかの敗者復活を勝ち上がったインディアンス。敗者復活戦での勢いそのままに、田渕章裕の次々と繰り出していくボケ、きむのツッコミがさえわたった。上沼は「トップバッターで、あれだけできませんって。感動した、ちょっと泣いた。本当に達者もいいところですよ。ちょっと、みなさんの点数が低いので、ムッとしました」とべた褒め。礼二も「劇場でも、めちゃくちゃやりこんでいるんやろうなというのが見えました」と成長ぶりに舌を巻いた。
2番手のホテイソンは、たけるの特徴的なツッコミは健在で、そこからさらにブラッシュアップした漫才で勝負。上沼が「ホテイソンの世界に入っていくにはネタとしては(時間が)短い。ツッコミがすごく耳障りがいい。どんどんのめり込んでいく。完璧でしたよね。もっと聞きたい」と話すと、富澤も「ホテイソンの漫才って最初の方に完成していたと思うんですけど、今回はそこからさらに進化しましたよね」と讃えた。
3番手のニューヨークは、昨年の『M-1』ではトップバッターで、松本から「なんかねー僕の好みなんでしょうけど、ツッコミが笑いながら…僕はあんまり好きじゃないんですよ。僕は好み的にもっとツッコミが怒っているのが好きなんですよ。もうちょっと緊張感を出してほしいな」と指摘された屋敷が即座に切り返し、笑いを誘ったことも話題に。今年は、松本が「攻めてるなという感じがして、時代に逆行しているチャレンジャー」と評価しつつも「ツッコミちょっと怖かったかな」と新たな指摘を加え、屋敷もたまらず「ツッコミから表情奪うんですか?」と嘆いた。
4番手の見取り図は、しゃべくり漫才と盛山晋太郎の長髪を生かしたネタで勝負。上沼の「長髪の方? ちょっとファンになるわ。すごく面白い」との言葉をきっかけに、志らくも「本番前にトイレで長髪の方にお会いしたら…」と乗っかり、松本はリリーに照準を合わせて「デザインパーマの方が…」とボケると、司会の今田耕司が「金髪が…」と松本の髪色を指し、髪色トークで盛り上がる一幕もあった。
2組連続で640点台という高得点が続いた中で登場したのがおいでやすこが。おいでやす小田の絶叫ツッコミ、こがけんの歌ネタが見事に化学反応を起こし、今大会最高得点の658点をマーク。志らくが「衝撃を受けました」と賛辞を送り、松本も「単純明快なんですけど、やっぱり笑っちゃうんですよね」と語り、塙も「あの強いツッコミさえすれば、破壊力でなんとでもなる。ずっと漫才やっている奴はできない」とピン芸人同士のコンビならではの強みを生かした形を称賛した。
その後に登場したのが、マヂカルラブリー。フレンチのネタで大暴れした野田クリスタルのキャラクターが審査員たちにも浸透しているようで、礼二は「野田にしかできへん。バカバカしい。テーマは普通なんですけど、そこであれを持ってこられると、意外性で…」と語り、やや辛口の巨人は「野田くんのキャラはご存知やから」と前置きした上で「最初の笑いがどんとあって、ちょっとしぼんでいった気がするんですよ。でも、2人の実力はわかっています」と期待しているからこその批評を行った。
改名ネタを披露したオズワルドに対しては、塙が「話芸が抜群にうまい。去年からそうだったんですけど。そして、畠中くんの受けが、さらに上手になっている、すごく成長している」と絶賛すると、礼二も「改名というネタだけであそこまで引っ張るのは惚れ惚れ」とコメント。ところが、松本が「僕は、オズワルドはずっと静かな感じで見たかった」と語る一方で、巨人が「伊藤くんが、最初からもう少し大きな声でツッコんだらどうですか?」と提案し、伊藤が「完全に意見が割れたんですけど?」との戸惑いを口にするなど、ネタ順が引き起こしたゆえの助言も飛び出した。
意中の女性の前で、カッコいい面をアピールしたがるネタを披露したアキナにも、ネタ順の妙が点数に作用し、上沼が「アキナはうまいのよ、貫禄もあるの。順番ってあったな。おいでやすこがの迫力が残っていて、うまいアキナがやっても足らんねんな。ちょっと待ちすぎた。ちょっとかわいそうやったな」と慮った。
満を持して登場した錦鯉には、ボケの長谷川雅紀のキャラクターに注目が集まり、塙が「本当に笑っちゃいましたね。4分間で、雅紀さんの全部が出せたと思いますよ」とにっこり。一方の松本は、点数は低かったものの「ごめんね、いやーなんかね、おうちには遊びに来てほしいんだけどね。前、なんかでネタを見た時にもっと圧力があったから…。なんかでも、仮に優勝できなくても、来年にかけて、いろんなところで引っ張りだこになるだろうなと思いました」とブレイクを予期させた。
大トリで登場したウエストランドは、井口の渾身のツッコミがさく裂したが、もっとそれを見たかったという声があがり、上沼が「もう本当にツッコミの井口さんうまい、胸にドンとくる。10組目っていうのもあるな。そこで花火を上げるってものすごく難しい。よくやったな」と話すと、松本は「刺さる言葉があってすごくよかったんですけど、もっと刺してほしかった。最後まで何漫才なのか見えなかった」と指摘。塙も「最後、井口くんがかかり出してきたところで終わっちゃった。フリートークみたいなところ以外のネタのピークがほしいな」と語っていた。
こうして、おいでやすこが、マヂラブ、見取り図の3組がファイナルラウンド進出し、最後にはマヂラブに軍配が上がった。コロナ禍でいつもとは違う『M-1』となったが、冒頭で「本当にこの大会にこぎつけられたこと、スタッフさんとかにもものすごく感謝したいなと。これを言うことで、僕の好感度も上がる」とボケを交えながら語っていた松本も、すべてのネタを見終えて「漫才をやることの幸せと見ることの幸せを感じました」とかみしめるように話した。ファイナリストたちの多様性あふれるネタの数々から、漫才の自由度を改めて感じさせる16回目の大会となった。
■『M-1グランプリ2020』ネタ順と得点
1:インディアンス625点(巨人:89点、富澤:89点、塙:85点、志らく:89点、礼二:90点、松本:90点、上沼:93点)
2:東京ホテイソン617点(巨人:86点、富澤:91点、塙:85点、志らく:89点、礼二:88点、松本:86点、上沼:92点)
3:ニューヨーク642点(巨人:88点、富澤:93点、塙:93点、志らく:91点、礼二:91点、松本:92点、上沼:94点)
4:見取り図648点(巨人:91点、富澤:92点、塙:93点、志らく:93点、礼二:93点、松本:91点、上沼:95点)
5:おいでやすこが658点(巨人:92点、富澤:93点、塙:93点、志らく:96点、礼二:95点、松本:95点、上沼:94点)
6:マヂカルラブリー649点(巨人:88点、富澤:94点、塙:94点、志らく:90点、礼二:96点、松本:93点、上沼:94点)
7:オズワルド642点(巨人:88点、富澤:91点、塙:95点、志らく:93点、礼二:95点、松本:88点、上沼:92点)
8:アキナ622点(巨人:89点、富澤:88点、塙:87点、志らく:90点、礼二:91点、松本:85点、上沼:92点)
9:錦鯉643点(巨人:87点、富澤:92点、塙:95点、志らく:95点、礼二:92点、松本:89点、上沼:93点)
10:ウエストランド622点(巨人:88点、富澤:91点、塙:85点、志らく:86点、礼二:90点、松本:90点、上沼:92点)
ファイナルラウンド
見取り図2票(巨人、塙)
マヂカルラブリー3票(富澤、志らく、礼二)
おいでやすこが2票(松本、上沼)
決勝の司会は、今田耕司(14回目)と上戸彩(9回目)、審査員は松本人志(14回目)、オール巨人(8回目)、上沼恵美子(8回目)、中川家・礼二(6回目)、富澤たけし(4回目)、立川志らく(3回目)、塙宣之(3回目)の7人(※回数順、同数の場合は50音順)。3年連続で同じ審査員が顔をそろえるのは、M-1史上初となった。
2番手のホテイソンは、たけるの特徴的なツッコミは健在で、そこからさらにブラッシュアップした漫才で勝負。上沼が「ホテイソンの世界に入っていくにはネタとしては(時間が)短い。ツッコミがすごく耳障りがいい。どんどんのめり込んでいく。完璧でしたよね。もっと聞きたい」と話すと、富澤も「ホテイソンの漫才って最初の方に完成していたと思うんですけど、今回はそこからさらに進化しましたよね」と讃えた。
3番手のニューヨークは、昨年の『M-1』ではトップバッターで、松本から「なんかねー僕の好みなんでしょうけど、ツッコミが笑いながら…僕はあんまり好きじゃないんですよ。僕は好み的にもっとツッコミが怒っているのが好きなんですよ。もうちょっと緊張感を出してほしいな」と指摘された屋敷が即座に切り返し、笑いを誘ったことも話題に。今年は、松本が「攻めてるなという感じがして、時代に逆行しているチャレンジャー」と評価しつつも「ツッコミちょっと怖かったかな」と新たな指摘を加え、屋敷もたまらず「ツッコミから表情奪うんですか?」と嘆いた。
4番手の見取り図は、しゃべくり漫才と盛山晋太郎の長髪を生かしたネタで勝負。上沼の「長髪の方? ちょっとファンになるわ。すごく面白い」との言葉をきっかけに、志らくも「本番前にトイレで長髪の方にお会いしたら…」と乗っかり、松本はリリーに照準を合わせて「デザインパーマの方が…」とボケると、司会の今田耕司が「金髪が…」と松本の髪色を指し、髪色トークで盛り上がる一幕もあった。
2組連続で640点台という高得点が続いた中で登場したのがおいでやすこが。おいでやす小田の絶叫ツッコミ、こがけんの歌ネタが見事に化学反応を起こし、今大会最高得点の658点をマーク。志らくが「衝撃を受けました」と賛辞を送り、松本も「単純明快なんですけど、やっぱり笑っちゃうんですよね」と語り、塙も「あの強いツッコミさえすれば、破壊力でなんとでもなる。ずっと漫才やっている奴はできない」とピン芸人同士のコンビならではの強みを生かした形を称賛した。
その後に登場したのが、マヂカルラブリー。フレンチのネタで大暴れした野田クリスタルのキャラクターが審査員たちにも浸透しているようで、礼二は「野田にしかできへん。バカバカしい。テーマは普通なんですけど、そこであれを持ってこられると、意外性で…」と語り、やや辛口の巨人は「野田くんのキャラはご存知やから」と前置きした上で「最初の笑いがどんとあって、ちょっとしぼんでいった気がするんですよ。でも、2人の実力はわかっています」と期待しているからこその批評を行った。
改名ネタを披露したオズワルドに対しては、塙が「話芸が抜群にうまい。去年からそうだったんですけど。そして、畠中くんの受けが、さらに上手になっている、すごく成長している」と絶賛すると、礼二も「改名というネタだけであそこまで引っ張るのは惚れ惚れ」とコメント。ところが、松本が「僕は、オズワルドはずっと静かな感じで見たかった」と語る一方で、巨人が「伊藤くんが、最初からもう少し大きな声でツッコんだらどうですか?」と提案し、伊藤が「完全に意見が割れたんですけど?」との戸惑いを口にするなど、ネタ順が引き起こしたゆえの助言も飛び出した。
意中の女性の前で、カッコいい面をアピールしたがるネタを披露したアキナにも、ネタ順の妙が点数に作用し、上沼が「アキナはうまいのよ、貫禄もあるの。順番ってあったな。おいでやすこがの迫力が残っていて、うまいアキナがやっても足らんねんな。ちょっと待ちすぎた。ちょっとかわいそうやったな」と慮った。
満を持して登場した錦鯉には、ボケの長谷川雅紀のキャラクターに注目が集まり、塙が「本当に笑っちゃいましたね。4分間で、雅紀さんの全部が出せたと思いますよ」とにっこり。一方の松本は、点数は低かったものの「ごめんね、いやーなんかね、おうちには遊びに来てほしいんだけどね。前、なんかでネタを見た時にもっと圧力があったから…。なんかでも、仮に優勝できなくても、来年にかけて、いろんなところで引っ張りだこになるだろうなと思いました」とブレイクを予期させた。
大トリで登場したウエストランドは、井口の渾身のツッコミがさく裂したが、もっとそれを見たかったという声があがり、上沼が「もう本当にツッコミの井口さんうまい、胸にドンとくる。10組目っていうのもあるな。そこで花火を上げるってものすごく難しい。よくやったな」と話すと、松本は「刺さる言葉があってすごくよかったんですけど、もっと刺してほしかった。最後まで何漫才なのか見えなかった」と指摘。塙も「最後、井口くんがかかり出してきたところで終わっちゃった。フリートークみたいなところ以外のネタのピークがほしいな」と語っていた。
こうして、おいでやすこが、マヂラブ、見取り図の3組がファイナルラウンド進出し、最後にはマヂラブに軍配が上がった。コロナ禍でいつもとは違う『M-1』となったが、冒頭で「本当にこの大会にこぎつけられたこと、スタッフさんとかにもものすごく感謝したいなと。これを言うことで、僕の好感度も上がる」とボケを交えながら語っていた松本も、すべてのネタを見終えて「漫才をやることの幸せと見ることの幸せを感じました」とかみしめるように話した。ファイナリストたちの多様性あふれるネタの数々から、漫才の自由度を改めて感じさせる16回目の大会となった。
■『M-1グランプリ2020』ネタ順と得点
1:インディアンス625点(巨人:89点、富澤:89点、塙:85点、志らく:89点、礼二:90点、松本:90点、上沼:93点)
2:東京ホテイソン617点(巨人:86点、富澤:91点、塙:85点、志らく:89点、礼二:88点、松本:86点、上沼:92点)
3:ニューヨーク642点(巨人:88点、富澤:93点、塙:93点、志らく:91点、礼二:91点、松本:92点、上沼:94点)
4:見取り図648点(巨人:91点、富澤:92点、塙:93点、志らく:93点、礼二:93点、松本:91点、上沼:95点)
5:おいでやすこが658点(巨人:92点、富澤:93点、塙:93点、志らく:96点、礼二:95点、松本:95点、上沼:94点)
6:マヂカルラブリー649点(巨人:88点、富澤:94点、塙:94点、志らく:90点、礼二:96点、松本:93点、上沼:94点)
7:オズワルド642点(巨人:88点、富澤:91点、塙:95点、志らく:93点、礼二:95点、松本:88点、上沼:92点)
8:アキナ622点(巨人:89点、富澤:88点、塙:87点、志らく:90点、礼二:91点、松本:85点、上沼:92点)
9:錦鯉643点(巨人:87点、富澤:92点、塙:95点、志らく:95点、礼二:92点、松本:89点、上沼:93点)
10:ウエストランド622点(巨人:88点、富澤:91点、塙:85点、志らく:86点、礼二:90点、松本:90点、上沼:92点)
ファイナルラウンド
見取り図2票(巨人、塙)
マヂカルラブリー3票(富澤、志らく、礼二)
おいでやすこが2票(松本、上沼)
2020/12/21
