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木村拓哉、若手俳優たちへの“皮肉”に込めた真意 『教場II』での健闘称える「誰も腐ってなかった」

 冷酷かつ最恐、警察学校の教官・風間公親が帰ってくる。歌手で俳優の木村拓哉(48)が主演する、フジテレビ系新春SPドラマ『教場II』が来年1月3、4日に放送される。今年1月放送の前作では、神奈川県警警察官学校の生徒たちの本性を暴き、時に非情なやり方で、ふるいにかけていく風間が、義眼に白髪というスタイルも併せて、これまでの木村のイメージを覆す役柄として話題を呼んだ。そして1年後、新たな生徒たちを迎えて“風間教場”が再び開講する。木村にとって「挑戦的な部分があった」という今作、若手俳優たちとの共同作業を経て、感じたことを語ってくれた。

木村拓哉主演・来年1月3、4日放送の新春SPドラマ『教場II』ポスタービジュアル (C)フジテレビ

木村拓哉主演・来年1月3、4日放送の新春SPドラマ『教場II』ポスタービジュアル (C)フジテレビ

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 原作は「週刊文春ミステリーベスト10」(2013年)第1位、「このミステリーがすごい!」(2014年)第2位を獲得し、2013年にミステリー界の話題を総ざらいした長岡弘樹氏の『教場』シリーズ。警察小説の新境地としてベストセラーとなりシリーズ化され、多くのファンの間で映像化が待ち望まれてきた作品の第2弾となる。第1弾は二夜連続で個人全体視聴率9.9%(4日:世帯視聴率15.3%、5日:世帯視聴率:15.0%)を獲得するなど好評を得た(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。

 「正直、もう一度やるとは思ってなかった。制作サイドのフジテレビさんや、前作を見てくださった方から『もう一度』という声をいただいたのがうれしかった。今回、『II』という風に仕切られている感じが照れくさい。パッケージとしては『II』ですけど自分のなかではつながっている感覚でやらせていただいてます」と率直な思いを語った。

 前作の反響について「耳に届いていたので、すごくうれしかった」としつつ、「前作を作る際に本当にこういうものをつくっていいのか、挑戦的な部分もあった」と回顧。「お届けするタイミングが年明けのすごくほのぼのとした空気が流れているなかで、ああいう作風、温度のものをみなさんに届けていいのかと危惧はしていたんですけど…タイミングは置いておいて、作ったものを単純に楽しんでいただけれたら」と呼び掛けている。

 今回の“200期”生徒役として起用されたのは、上白石萌歌、福原遥、矢本悠馬、杉野遥亮、目黒蓮(Snow Man)、眞栄田郷敦、岡崎紗絵、戸塚純貴、高月彩良、樋口日奈(乃木坂46)らフレッシュさあふれる面々。そして最年長として木村とは『HERO』(2014年7月期/フジテレビ系)以来、6年半ぶりの共演となる濱田岳も決定した。

 木村はキャストの発表の際「偏差値が高そう」と印象を語った。「今だから言えますけど偏差値が高そうだなという第一印象は正直、半分皮肉で(笑)。いい意味ではスマートだけど、もう半分は元気がない。僕のコメントを監督も目にしたらしく『あいつら、本当の意味わかってくれるかな』と…。わかっても、わからなくてもいいので撮影をして一緒に時間を過ごせば、多分その印象は変わるし、スタートとしてはそういうスタートでもいいんじゃないですか、と話していました」と本音では“大人しさ”も感じていたそう。

 「一緒に作業することで、偏差値だけでなく、根性もしっかり、持ち合わせている人たちだな、とやっていければやっていくほど、感じることができました」としみじみ。「コロナ禍に、ひとつの空間に約30人がぎっしり詰まった状態で撮影することは、精神的にもすごくタフな状況が求められた現場だと思います。にも関わらず、みんな、誰一人腐ることなくやっていた。監督も求めるものが、志が高かったことで、『もう一回』があったとしても、彼、彼女の『もう一回』ではなくそのシーンにおける『もう一回』だということは、僕は彼や彼女にも伝えました。『あなたのもう一回ではなくこのシーンのもう一回』なんだ」と真意を語る。

 「最終的に、誰も腐ってなかったし、立場上なのか、(前作の)198期のときもそうでしたが、こうやって一本撮影を終えると、一緒にやってくれたみんなをひいき目にみてしまう。“自分が送り出す、みんな”なんだな、と。今、そういう思いになれているし、ただ単に偏差値の高いみんなじゃなかった。本当に頑張っていました」と、彼らの持つ根気強さ、忍耐強さを目の当たりにし、過酷な現場での健闘を讃えた。

■“後輩”Snow Man目黒蓮の律儀さに笑み 魅力は「アクセルふかさない方が…」

 生徒役キャストの一人が、事務所の後輩である目黒。今年1月のCDデビュー以降初となるドラマ出演となるが「“初めて感”がなかったし、すごく捉え方がよかった。ただ、撮影の現場でロケでもスタジオでも顔を合わせると必ずしっかりあいさつしてくれるんです、もう覚えたよってくらい、『Snow Manの目黒蓮です』って(笑)。もう名前だけでいいよ、とは思ったんですけど(笑)どこか、グループの代表として、来ている意識なのか…」と律儀な素顔には思わず笑いもこぼれる。

 「とにかく、もっと(作品を)演ればいいのになぁと思いました。ドラマとか映画とか。グループで活動している時の、Snow Manとしての表現もすごく頑張っていると思うんですけど、あまりブンブンにアクセルをふかさなくても、むしろ、ふかさない方が魅力的なのかな。本人には伝えたんですけど...。真面目だし、もっといろいろな役をやってほしい。『そう言ってくれる人は初めて』と返信がくれました」と和やかなやり取りも明かした。
 
 「(生徒たちとは)自然に『おはよう』のあいさつから始まり、『お疲れさま』で別れて。2回目なのに名物化してるけど、(撮影では)厳しい訓練が本当にあって、その訓練になぜか立ち会いたい自分もいて…その瞬間から、風間教場における教官と生徒のみんなという関係性が、成立してしまう」と明かす。

 「すごくうれしかったのが198期の都築役の味方(良介)だったり、宮坂役の工藤阿須加くんが、200期の訓練立ち会ってサポートしてくれて。(三浦)翔平も来てくれました。それが“わざわざ”の感覚がない。僕からしたらありがたいことですし、感謝すべきことですが、ものすごくうれしかったです」と声を弾ませた。1、2と区切りはあるものの、シリーズで一貫して風間教官と生徒たちの間には師弟関係がしっかりと結ばれているようだ。

 全身全霊で作品に臨む生徒たちを前に、自分が同年代だった頃を思い出すこともあるという。「もがいたほうがいいと思うし、『もがいたとしても、まだこの先も、もがくよ』と、いうことしか自分の経験上では言えない。でも、すごくいいんじゃないですかね、無気力に存在するより、もがくことがちゃんとあって。それにカロリーを費やすのは、すごくいいことだと思います」。主演として役柄を全うしながらも、“教官”として“生徒”たちをあたたかく見守っている。

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