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仲野太賀、独立系映画出演へのプライド「育った自覚がある」
 俳優の仲野太賀、映画監督の佐藤快磨氏、是枝裕和氏が22日、都内で行われた映画『泣く子はいねぇが』(11月20日公開)の『第68 回サン・セバスティアン国際映画祭』オフィシャルコンペティション部門映画祭公式リモートプレスカンファレンスに参加した。

仲野太賀=映画『泣く子はいねぇが』の『第68 回サン・セバスティアン国際映画祭』公式リモートプレスカンファレンス (C)ORICON NewS inc.

仲野太賀=映画『泣く子はいねぇが』の『第68 回サン・セバスティアン国際映画祭』公式リモートプレスカンファレンス (C)ORICON NewS inc.

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 本作は、『万引き家族』(2018年)などで知られる是枝裕和監督が自ら企画として参画し、全面的にサポートする新鋭・佐藤快磨監督の劇場デビュー作。脚本は完全オリジナルで、主人公・たすくを仲野、妻・ことねを吉岡里帆が演じるほか、寛一郎、山中崇、余貴美子、柳葉敏郎らが出演する。

 物語の舞台は秋田県・男鹿半島。大みそか、伝統行事「ナマハゲ」に参加するたすくは「酒を飲まずに早く帰る」と約束したが、酒を断ることができずに泥酔。さらに「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で街を走り出し、その姿がテレビで全国放送されてしまう。ことねに愛想をつかされ、逃げるように上京するも、親友の志波(寛一郎)からことねの状況を聞かされ、彼女と娘への強い思いを再認識する。そして、地元に戻る決意をするが、現実はそうたやすいものではなかった…。

 是枝氏は「こういう形で若い監督の長編デビューでサン・セバスティアンに行くのが夢だった。それ(現地へ行くこと)が叶わず残念です」と無念の思いを口にする。「3年ぐらい前に彼が書いた脚本を読ませていただいた。とても感動的。映画が終わった後の読後感がとてもよかった。これはたくさんの人に受け入れられるいい映画になると直感を持った」と佐藤監督の才能に驚いたことを明かし「なんとか応援をしようと思った。『企画』と書いてありますけど、この作品の企画も脚本も全部、佐藤くんが考えた。僕は、どういうふうにサポートして、いい形で世の中に出していくかを考えた」と謙遜。最後は「時間は掛かりましたけど、自分が思い描いた通り、いやそれを超える作品になりました」と自信を見せた。

 佐藤監督は、コンペティションに選ばれたことを喜びつつも「行けないことが残念です」と是枝氏と同様に悔しさをにじませる。ナマハゲという日本、それも秋田県の男鹿半島独自の文化を題材に選んだ理由についても解説。「ナマハゲ行事を題材に選んだのはビジュアル的に世界でも珍しい、ある意味でショッキングな映像が撮れると思った」と明かしていた。

 5年ほど前に佐藤監督作品に出演してから本作の構想について聞いていた仲野は「主人公は父親の自覚がないまま、父になってしまった。大人になりきれない子どもなんだと思います」と役柄を説明。「脚本を読んで、ラストシーンがすごく好き。ラストシーンには娘への愛情と現実、そして人生における矛盾みたいなものが日本の伝統行事であるナマハゲという特殊な状況において奇跡的に共存する。主人公の身勝手な愛情が美しいと思えるラストだった。ぜひ演じたいと思いました」と振り返る。

 また、今や多くの大作に引っ張りだことなっている仲野に、海外の記者から「大作に出てしまうと独立系に出たくない俳優もいる。独立系にもこだわりがあるんでしょうか」という質問が。仲野は「僕は学生のころから映画を見るのがすごく好き。いわゆる独立系の作品を見て育ったという自覚がある」と話す。そして「自分が仕事として出演する作品はメジャー、インディペンデントを問わない。こういった独立系の映画は俳優として出続けたい。日本で映画をやる上では、しっかり関わっていきたい」とインディペンデント作品への矜持を語っていた。

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  • 仲野太賀=映画『泣く子はいねぇが』の『第68 回サン・セバスティアン国際映画祭』公式リモートプレスカンファレンス (C)ORICON NewS inc.
  • 是枝裕和氏=映画『泣く子はいねぇが』の『第68 回サン・セバスティアン国際映画祭』公式リモートプレスカンファレンス (C)ORICON NewS inc.
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