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上川隆也、大いなるマンネリから生まれる『遺留捜査』のゆるぎない魅力

 俳優・上川隆也主演の人気シリーズ『遺留捜査』の新作スペシャルが、9日(後9:00〜10:54)に放送される。緊急事態宣言解除後、上川が初めて臨んだドラマ作品。京都で撮影中の上川にリモート取材を行った。

『遺留捜査 スペシャル』(8月9日放送)主人公・糸村聡役で主演する上川隆也 (C)テレビ朝日

『遺留捜査 スペシャル』(8月9日放送)主人公・糸村聡役で主演する上川隆也 (C)テレビ朝日

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 同ドラマは、事件現場に残された“遺留品”が持つ意味を徹底的に探り、声なき遺体が訴えたかったメッセージを解き明かして、事件そのものを解決するだけでなく、遺族の心情をも救ってしまう刑事・糸村聡(上川)の活躍を描く人気ミステリー。

――『遺留捜査』は予定どおり6月クランクインできて、よかったとしか言いようがありません!

【上川】緊急事態宣言が出て、いつまで自粛期間が長引くかわからなかったので、予定どおりにクランクインはできるのかどうか、正直五里霧中でした。自分一人の思いでどうにかなる状況ではありませんでしたし、個人のことでいえば、4月、5月に予定されていた舞台公演はすべて中止を余儀なくされましたので、『遺留捜査』も中止にならなくとも時期を順延せざるを得ない状況になっても不思議ではないと思っていました。予定より多少遅れてしまいましたが、撮影に入ることができたことが奇跡といっても過言ではない。運に恵まれた、と受け止めています。

――おっしゃるとおり、中止・延期となった公演やライブイベントは枚挙にいとまがありません。ドラマや映画の撮影が一斉にストップするというのも前代未聞。どのようなことを考えていましたか?

【上川】中止になった舞台もそうですが、お客様に観ていただいて、はじめて作品は完成する、存在価値を得るということなんだ、と痛感させられました。僕たちが作品を作って、お客様のもとにお届けするために必要なことはすべて、どんなことでもする、とより強く決意しているところです。今は感染予防対策が一番かと思いますので、必要なこと、できることはどんなことでもしたいです。

――一方で、まとまった休暇を取るいい機会になったのでは?

【上川】これほど長いお休みは初めての経験でした。今回は感染拡大防止のため、自らの感染を防ぐことが、他者への感染を防ぐことにつながるという、前向きな思いでの自粛期間でしたので、精神的にはとても落ち着いた状態で日々を過ごしていました。もし、世界中がこんなことになっていない状況で、2ヶ月もお休みがあったら、たぶんお芝居がしたいという欲求で、冷静ではいられなかったと思います(笑)。

――もし、世界中がこんなことになっていなかったら、旅行に行きたかったなどと、おっしゃらずに、お芝居がしたくなっていただろうと。

【上川】(笑声)ハイ。2ヶ月もお芝居できないなんて、こんな状況でなければ、耐えられなかったと思います。お芝居している時が一番楽しい。それは依然として変わりません。

――『遺留捜査』は前回のドラマスペシャルから約8ヶ月ぶり。シリーズがはじまってから9年目という人気シリーズになりました。視聴者の支持を得ている要因は何だと思いますか?

【上川】視聴者の方にご覧いただけている要因の一つとして、僕は大いなるマンネリによるものがあると思っています。糸村の勤務地は警視庁→月島中央署→京都府警と変わっていますし、それに伴って同僚の面々も入れ替わってはいますが、店員の顔ぶれは変わっていても、そこに行けば必ず食べられる一品があって通ってしまうお店のように、『遺留捜査』も親しまれているような気がします。

――マンネリというかお約束。自転車に乗って臨場する。他の人が気づかないような遺留品を見つけて、それにとことんこだわって単独行動する。科捜研の村木さん(甲本雅裕)に無茶振りする。事件関係者に「3分だけ時間を下さい」と、遺留品を元に汲み取った、容疑者が犯行に至った細かな動機や被害者の最期の想いを伝える…といったことですか?

【上川】遺留捜査イズムともいうべきものでしょうか。遺された「物」に込められた人の想いを考えるとき、その大切さに気付くこと。そうして見えてくる人と人のつながりから伝わる命の尊さは、これからを生きていく力を感じることに繋がるかも知れない。そうした作品の根幹に一切ゆらぎがないのが『遺留捜査』であるならば、僕自身も飽きることなく、頑固に、愚直に、変わらない部分と、変わっていく部分を見極めながら糸村を演じ続けたいと思っています。

■あらすじ

 “ゴッドハンド”とよばれる脳神経外科の名医・今平卓(長谷川初範)が京都市内の自宅で射殺されているのが見つかり、糸村聡(上川隆也)たち“京都府警特別捜査対策室”のメンバーは臨場する。今平を都内の大病院から引き抜いた病院長・曽根崎光成(春海四方)によると、事件前日、今平の娘で医療ジャーナリストの志摩子(松永渚)が突然、東京からやって来て、今平に「しばらく泊めてくれ」と頼んでいたというのだが、現場に志摩子の姿はなく、連絡も取れなくなっていた。

 糸村が気になったのは、リビングの本棚にあった、アンティーク調の木箱。開けてみると、中には白い毛を束ねたものが入っていた。科捜研研究員・村木繁(甲本雅裕)に鑑定を依頼したところ、芦毛の馬の毛だと判明するが――いったい今平は何のために馬の毛を持っていたのだろうか、糸村は疑問を抱く…。

 意外にも今平の趣味が菓子作りだったと聞いた糸村は、彼が生前、通っていたスイーツ教室へ。講師の木戸凪子(河井青葉)の話では、上七軒の花街に今平行きつけの茶屋があったという。さっそくその茶屋を訪れた糸村に、地方(じかた)の芸妓・中間望美(武田梨奈)が接近。彼女は曽根崎と今平が言い争っているのを目撃したと明かすが――その矢先、新たな事件が起きて…!?

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  • 『遺留捜査 スペシャル』(8月9日放送)主人公・糸村聡役で主演する上川隆也 (C)テレビ朝日
  • 2017年第4シリーズから京都府警 捜査一課特別捜査対策室に所属(C)テレビ朝日
  • 糸村といえばスーツにスニーカー、斜めがけバッグで自転車に乗って臨場するのが“お約束”(C)テレビ朝日

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