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テレ東深夜ドラマで『ゼロ・グラビティ』並みのCG大作!? 「模索し続けるしかない」

 テレビ東京系で24日からドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』(毎週金曜 深0:12〜0:52、全4話)が放送される。地球と約40万キロ離れた月周辺で、宇宙船にたった一人で長期滞在している孤独な宇宙飛行士の物語。主演の千葉雄大がグリーンバックのバーチャルスタジオで一人芝居するのを撮影し、リアルタイム合成で宇宙空間・宇宙船内を映像化するという。テレ東の深夜ドラマらしからぬCG大作なのか、それとも…!? 濱谷晃一プロデューサー(テレビ東京制作局ドラマ室)にリモート取材を敢行した。

ドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』(7月24日スタート、全4話)キービジュアル (C)「40万キロかなたの恋」製作委員会

ドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』(7月24日スタート、全4話)キービジュアル (C)「40万キロかなたの恋」製作委員会

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――最小限のセットの中で撮影してCGの背景と合成する手法は、ハリウッド映画では珍しくありませんが、お金がかかるイメージもあります。それをテレ東の深夜ドラマでするというのが、意外で。

【濱谷P】テレ東の深夜ドラマで、壮大な宇宙の映像が絶賛された映画『ゼロ・グラビティ』みたいなことをやる、というギャップの一種のバカバカしさも企画の根っこにありました。4月に緊急事態宣言が出されて、ドラマの撮影がストップしてしまい、いつ再開できるかもわからなかった5月初旬、社内でコロナ禍が続いても撮影・放送できる企画募集がありました。そこに出した企画の一つなんです。

 外出自粛期間の直接会えない“孤独な非日常”は、“宇宙で孤独に過ごす宇宙飛行士”みたいだなと思ったのがきっかけです。改めて感じた“人と人が直接会える日常の大切さ”というメッセージ性、いまだから作る意義…。すでにネット上にはさまざまなリモートドラマ(演劇、映画)がアップされていて、個人的には食傷気味だったので、リモートドラマとは違う形で提案したいと思いました。バーチャルスタジオでの撮影も普段だったら考えも及ばないことだったと思います。

――非常時だからできた?

【濱谷P】夕食に何を食べるか?一人で何を食べるか?という日常系ドラマや寝る前に観てクスっと笑える脱力コメディを視聴者が求める傾向がある中、宇宙SFなんて非日常すぎて、普段だったら通らなかったと思います。

――CG合成には時間とお金がかかるイメージもあります。

【濱谷P】ドラマの大半をグリーンバックで撮って、合成することを普通に考えると、手間や予算規模で不安を覚えました。でも、リアルタイム合成で知恵を絞れば、そんなに時間もお金もかけずにできるとわかったことが、今回の収穫。今後、いろいろな撮影制約とつき合っていかなければならない中で、3密を究極に避けた撮影方法だったと思います。

■千葉雄大、門脇麦吉岡里帆らの新たな魅力を感じて

――脚本を担当するのは、ドラマ『JOKER&FACE』で市川森一賞を受賞し、ドラマ『伝説のお母さん』でも話題となった劇作家の玉田真也氏。主人公は人類が宇宙で快適に生活するためのサンプルデータをとるために1年間宇宙船に滞在している宇宙飛行士の高村宗一(千葉雄大)。極度な人間嫌いの彼は、煩わしい人間関係を逃れ、AIのユリ(声:吉岡里帆)とともに宇宙でひとり暮らす生活に満足していた。そんな偏屈な宇宙飛行士が、ある日、地球にいる元恋人・鮎原咲子(門脇麦)とモニター越しに再会したことをきっかけに、生活が一変。まさかのAIも巻き込む三角関係に発展!? しかも、宇宙生活はトラブルの連続で…、というストーリー。キャストの見どころについても教えてください。

【濱谷P】今回、一番負担が大きかったのが千葉くん。見渡す限りグリーンバックに囲まれて、代読やスタッフを相手に一人で演じきるのは、外出自粛中の孤独よりもずっと孤独だったと思う。最近、バラエティーで毒舌キャラを見せることはありつつも、ドラマではキラキラした印象があります。今回の偏屈な役を通して、彼の新たな一面を感じることができました。

 門脇麦さんは、今回、思ったことズバズバ言う強さとチャーミングさを併せ持った女性を演じてもらったのですが、それがとても合っていて新しい魅力だな、と思いました。

 吉岡さんは声だけの出演ですが、肝のシーンには現場にも来てくれて、AIながら徐々に人間としての感情が芽生えていく過程を見事に演じてくれました。声だけでも吉岡さんの魅力が届くことを期待しています。

――コロナ禍で新作ドラマの放送がストップした中、動画配信サービスやYou Tubeの存在感が増して、可処分時間の奪い合いはますます激しくなるのかな?と思いました。

【濱谷P】テレビ放送以外に配信サービスやさまざまな映像コンテンツが増えて、地上波の番組がほかよりも優先順位が高くあり続けることは容易ではないということは、テレビ局の社員として危機感を覚えています。でもそれは以前からわかっていたこと。僕らは、コンテンツを作って人に見てもらってお金を稼ぐ商売。テレビモニターだけにとらわれず、企画の方向性や、予算規模もその都度、柔軟に対応していかないといけないし、視聴者がその時に求める形を模索し続けるしかないのかな、と思っています。その変化が、コロナ禍でより加速した印象があります。コンテンツ制作ということにおいては、常に鉱脈を探し続けるしかないのかな、と思っています。

関連写真

  • ドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』(7月24日スタート、全4話)キービジュアル (C)「40万キロかなたの恋」製作委員会
  • 撮影風景(合成前)(C)「40万キロかなたの恋」製作委員会
  • 合成後のビジュアル(C)「40万キロかなたの恋」製作委員会
  • 主人公の宇宙飛行士・高村宗一(千葉雄大)=ドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』(7月24日スタート、全4話)(C)「40万キロかなたの恋」製作委員会
  • ドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』第1話(7月24日放送)場面写真(C)「40万キロかなたの恋」製作委員会
  • ドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』第1話(7月24日放送)場面写真(C)「40万キロかなたの恋」製作委員会
  • 主人公・高村宗一の元恋人・鮎原咲子(門脇麦)=ドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』第1話(7月24日放送)場面写真(C)「40万キロかなたの恋」製作委員会
  • 主人公・高村宗一の元恋人・鮎原咲子(門脇麦)=ドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』第1話(7月24日放送)場面写真(C)「40万キロかなたの恋」製作委員会
  • AIのユリ(声:吉岡里帆)=ドラマ24特別編『40万キロかなたの恋』第1話(7月24日放送)場面写真(C)「40万キロかなたの恋」製作委員会

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