俳優の森崎ウィンと女優の土村芳が主演を務めたメーテレのドラマ『本気のしるし』を再編集した『本気のしるし≪劇場版≫』（10月9日より順次公開）が第73回カンヌ国際映画祭の『Official Selection2020（オフィシャルセレクション2020）』に選出されたことがわかった。土村は「改めて、作品の一員になれたことをとても嬉しく思いますし、携わる皆さんとこの喜びを分かち合いたいです」とうれしさのにじむコメントを寄せた。

　同作は2016年に映画『淵に立つ』第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した深田晃司監督が星里もちるによる同名漫画（小学館ビッグコミックス刊）をもとに初めてコミック原作の映像化に挑戦。ローカル放送のドラマにも関わらず反響を呼び、急きょ映画館での公開を準備中だった。
　
　本年のカンヌ国際映画祭は実イベントとしては開催中止ながら、例年通りの審査基準を保ちながらも、昨今の情勢に合わせて新設された『Official Selection2020』としてラインナップ作品を選出。選ばれた作品は『the Cannes 2020（カンヌ2020）』のラベル付きで、連携する各国映画祭での上映が計画されている。

　退屈な日常を過ごしていた会社員の辻一路（森崎）はある夜、踏み切りで立ち往生していた葉山浮世（土村）の命を救う。そこから、不思議な雰囲気の女性・浮世と辻の泥沼の関係が始まった。辻は分別のない行動をとる浮世を放っておけず、浮世を追ってさらなる深みにはまっていき、破滅への道を歩みだす…というストーリー。このほか宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉らが出演している。

　この吉報に土村は「ご連絡をいただいた時はとても驚きました。この作品は深田監督をはじめ、スタッフ・キャストが一丸となって生まれたものだと思っています。物語の中で、置かれた環境に翻弄されながらも感じる人々の『本気』の姿に、私自身何かを分けてもらったような気がしています。葉山浮世という女性が残していく一つ一つの『しるし』からも、何かを感じ取っていただけたらと思います」とメッセージを送る。

　「今はまだまだ不安な日々が続きますが、事態が落ち着き安心して作品を楽しめる日が1日でも早く訪れ、少しずつでも映画館へ足を運ぶ人が増えていき、沢山の人達がこの物語に出会ってくれる事を願っています。そして、10月にこの作品で皆さんとお会いできる日を楽しみにしています」と劇場公開に期待を寄せている。