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池上彰、新型コロナに“打ち勝つ”論調に異議「共存、共生を考えていかなくては…」

 ジャーナリストの池上彰氏が、31日放送のフジテレビ系『池上彰 緊急スペシャル! 〜世界を変えた新型コロナ 未来を生き抜く私たちの闘い〜』(後8:00)に出演。今年、世界情勢を一変させてしまった新型コロナウイルスに対し、過去の人類とウイルスとの闘いで得た教訓を踏まえ、この先、私たちがどう立ち向かっていけばいいのかを徹底解説する。

31日放送の『池上彰 緊急スペシャル! 〜世界を変えた新型コロナ 未来を生き抜く私たちの闘い〜』(C)フジテレビ

31日放送の『池上彰 緊急スペシャル! 〜世界を変えた新型コロナ 未来を生き抜く私たちの闘い〜』(C)フジテレビ

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 まずは「過去の失敗から学んだ台湾、韓国の闘い」にフォーカス。新型コロナウイルスへの“台湾の初動対応”が世界から注目されているが、スピーディーな感染対策、指令系統などが日本とはまったく違った。加えて、最初の報道からおよそ1ヶ月の台湾と日本の動きを徹底比較すると、17年前のあの経験から得た教訓が根底にあった。一方、多数の感染者から一変、巻き返しに成功した韓国の対策も紹介。世界がまねた検査法、そして医療崩壊対策とは。

 続いて「100年前のスペイン風邪での対策をもとに闘った日本」に注目。緊急事態宣言による、日本のクラスター対策は「イベント自粛」や「学校の休校」などだったが、そのルーツとなっているのは、100年前に発生したスペイン風邪に対するアメリカが講じた対策だった。また、マスクについては欧米でも感染予防に使われるようになり、日本はもちろん、海外でのマスク普及のルーツも、根底はスペイン風邪にあった。

 最後は「新型コロナと闘うために作り出した2つの武器」。人類は、感染者を救う「抗ウイルス薬」と、感染予防の特効薬である「ワクチン」を作ることに成功。知っているようで知らない「抗ウイルス薬」と「ワクチン」の違いを、池上氏が丁寧に説明していく。ウイルスが人の体に入るとどうなるのか、数ある「抗ウイルス薬」の使用方法の違い、そして、免疫の仕組みや「ワクチン」開発の最新事情などについてもわかりやすく解説していく。

 収録を終えて、池上氏がコメントを寄せた。

――収録を終えての感想

緊急事態宣言が、解除されたこの段階で中間まとめのような形で、これまでに何がわかってきたのか、あるいは治療薬・ワクチンとして、どのようなものが、どこまでできているのか、ということをキチッとみなさんに伝えることができたんじゃないかと思っています。みなさん、非常に不安なわけですけれども「ここまで進んでいるんですよ」ということを明確に伝えることが、みなさんに未来へ希望を持ってもらえることにつながる、という番組の趣旨にかなうものになっているかと思います。

――新型コロナとの闘いはまだ終わらないが、我々にできることは? どう向き合っていけばいいか?

新型コロナウイルスに“打ち勝つ”みたいな言い方をしますけど、やはりウイルスに打ち勝つというのは非常に難しいんです。やっぱり人間というのはずっとウイルスと闘ってきて、共存してきました。実は、人間の遺伝子の中に取り込んでいるウイルスもあるんです。ウイルスによって人間が進化してきた部分もあるので、ウイルスとの共存、あるいは共生というのを考えていかなくてはいけないと思います。
治療薬あるいはワクチンが完成しても、新型コロナウイルス自体がなくなることはないので、ともに暮らしていかざるを得ないという“覚悟”は必要だし、さらに言えば、我々はちょっと傲慢(ごうまん)になりすぎていたんじゃないかと思います。
いろんなことに打ち勝つなんて思っていましたが、やっぱり自然に比べると人類って弱いものだなと思ったり、これからどんどん環境破壊が進み、温暖化が進んだりすると、また未知のウイルスが出てくるかもしれません。環境を守るということは本当に必要なことだと、改めて、今思い知らされたんじゃないかと思います。

――政府・国に第2波に向けて期待していることは?

やはり、経済も大事、感染防止も大事、という中で“経済が大事”ということにちょっと重きを置いているのではないかという不安はあります。第2波をどうやって抑えるのか、あるいは第2波が起きそうなときに、いち早くまた元に戻れるのか、という時に、国民にどういう説得力のあるメッセージが出せるのか、ということをしっかり考えてほしいと思っています。

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