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シュール、闇深さが魅力…個性強め4コマ漫画家に聞くSNSで発信する理由

 ギャグ漫画の笑い要素の中に「闇深さ」や「シュールさ」を描いて話題を集めている4コマ漫画作家たちがいる。彼らの活躍の場はTwitterを中心としたSNS。フォロワーを多数抱え、定期的に新作を発表すればたくさんの「いいね」を集めている。読んだ人の反応がすぐに分かり、次のネタ作りの参考にできるのがSNSのいいところである一方で、作品が「バズる」のはなかなかハードルが高いのだという。そんな彼らにネタの作り方、SNSで発表するメリットなどを聞いた。

マヌケナナマケモノさんの「何色」(左)、ぺろ川さんの「マッチ売りの少女」(右)の1コマ目

マヌケナナマケモノさんの「何色」(左)、ぺろ川さんの「マッチ売りの少女」(右)の1コマ目

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■バズれば一気に読者増も…大事なのはコツコツ増えたフォロワーからの声

 「へへへ…いま何色のパンツ履いてるの…?」昭和のにおいのするワードからはじまるギャグ4コマがたくさんの「いいね」を集めているのが、マヌケナナマケモノさん。Twitterで3.6万フォロワー(2020年5月現在)を誇る人気4コマ作家だ。

 「『何色』という4コマ作品は、3コマ目で変態の機微を上手に表現できたことが、ウケた要因なのかなと考えています。リプライ欄にぶら下げた過去の作品も伸びたので、それとの相乗効果もあるのかなと」(マヌケナナマケモノさん)

 素顔は学生だというマヌケナナマケモノさん。部屋の中をずっとウロウロしているうちにおもしろいことを思いつき、それを元にネタ作りをしているのだという。ネタ作りは「孤独であればあるほど、退屈であればあるほど良いネタが作れる気がする」と話す。2〜3日に1本の漫画をアップしている。

 バズればいろんな人に漫画を読んでもらえることがTwitterの良さである一方で、コツコツフォロワーを増やさないとなかなかバズれないのが難しいところだという。しかし、フォロワーからのコメントは次の作品作りに大いに生かされているようだ。
 「描いているうちに何がおもしろいのか分らなくなってくることがあるんです。作品をアップしてからいただくコメントを見て、“あっ、これは自分以外には刺さらないんだ” “こういうのがウケるんだ”と分析して次の作品に生かさせてもらっています」(マヌケナナマケモノさん)

 はじめは自己満足で漫画を描いていたというが、あるフォロワーから「ナマケモノさんの漫画のおかげで日々バイトを頑張れます」と言ってもらえたことが嬉しくて、以来、少しだけ読者を意識するようになったという。

■SNSで毎日配信、第三者からの意見で違う視点も発見

 淡い色味とゆるめなキャラクターが特徴的な作画である一方で、“闇深め”の4コマ漫画が注目を集めているのがぺろ川さんだ。新作の漫画がアップされるとたくさんの「いいね」とともにリプライ欄には、「サイコパス…!」「ダークネス…」などの感想が寄せられている。4コマ作品「マッチ売りの少女」も、言葉遊びのチョイスが秀逸で、シュールな作品に仕上がっている。

 素顔は20代会社員。2年ほど前にふざけて描いた漫画が友人にウケたことが嬉しくて、漫画を描くようになったという。「当時から作風は闇深めな内容だったと思います。自分自身、おもしろいことが大好きで、なおかつ人を笑わせるのも好き。Twitterで上げている作品は、“光と闇のギャグ漫画”と言われています(笑)」(ぺろ川さん)

 そんなぺろ川さんがSNSで作品を公開するようになったのは、無職時代に生活の足しにしようと作り始めたLINEスタンプがきっかけだ。アザラシをモチーフにした『ざらし』というキャラクターのスタンプを、多くの人に愛着を持ってもらうために漫画を作り、SNSに公開したのだという。そんなスタンプから始まったSNSでの漫画投稿だが、フォロワーの反応からいろんな発見があるという。
 「第三者に見てもらうことで、自分では気付けなかった部分をコメント等から知ることができます。また、4コマ漫画というものは1回読んで終わりのものだと認識していましたが、あるフォロワーから“おもしろくて何回も読み返しています!”と言ってもらえて、その言葉は今でも心に残っていますね」(ぺろ川さん)

 SNSにほぼ毎日のように漫画をアップしているが、特に更新頻度を決めているわけではなく、思いつくままに描き続けた結果なのだという。「これからも自分らしく、自分の色を見失わずにマイペースにやっていきたい、それと手を描けるようになりたい」と今後の目標を語ってくれた。

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