全国の書店員が“今いちばん売りたい本”を決める『2020年本屋大賞』(本屋大賞実行委員会主催)の大賞作品が7日発表され、凪良(なぎら)ゆう氏の『流浪の月』(東京創元社)を選出。これまでは書店員・出版関係者を呼んで、発表を行う形式だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、事前に収録した映像で報告。受賞者の凪良氏はビデオメッセージを寄せる形となったが、凪良氏のスピーチ、実行委員の高頭佐和子氏の言葉からは「本屋」への強い思いが感じられた。 『流浪の月』は、引き離された男女のその後の時間を描いた物語。家に帰れない主人公の少女は、公園で出会った19歳の青年に助けを求める。青年は彼女を受け入れるも世間からは誘拐事件として捉えられてしまい、社会から一方的に被害者と加害者としてそれぞれ糾弾、同情されてしまう…。そして数年後に再開し、周囲の人を巻き込みながら新しい人間関係への旅立ちが描かれている。凪良氏は、2006年に『恋するエゴイスト』でデビュー。主にボーイズラブ系で活動しており、代表作に『神様のビオトープ』『すみれ荘ファミリア』などがある。
2020/04/07